コールセンターDX

クラウド型コールセンターとオンプレミスの違い|選び方のポイント

AI-SNS.IO 編集部 · 公開

クラウド型コールセンターとオンプレミスの違い|選び方のポイント(AI-SNS.IO Call ブログ)

コールセンターや電話窓口のシステムを新しくするとき、最初に考えることになるのが「クラウド型にするか、オンプレミス型にするか」という選択です。クラウドPBXやクラウド型のコールセンターシステムを選ぶ会社が増えている一方で、自社で設備を持つオンプレミス型を使い続ける理由がある会社もあります。

どちらが優れているかは、一概には言えません。導入までの期間、人数の増減への対応、保守の負担、セキュリティの考え方、在宅勤務との相性など、比べる観点ごとに得意・不得意があり、自社にとって何が大切かによって答えが変わるからです。

この記事では、クラウドPBXとオンプレミスの比較を、二つの方式の基本から、導入までの期間、拡張と縮小のしやすさ、保守と運用の負担、セキュリティの考え方、在宅勤務との相性まで、観点ごとに整理します。自社に合う方式を判断するためのチェックリストや、移行を進めるときの手順も紹介します。

クラウドPBXとオンプレミスの基本

PBXとは

PBX(構内交換機)は、会社の中の電話をつなぐ仕組みです。外からかかってきた電話を内線に振り分ける、内線どうしで通話する、保留や転送をする、といった機能を担います。コールセンターでは、PBXに加えて、着信を順番にオペレーターに振り分ける仕組み、待っている電話を並べるキュー、自動音声の案内(IVR)、通話の録音、管理者向けのレポートなどが組み合わされます。

オンプレミス型とは

オンプレミス型は、PBXやコールセンターのシステムの機器を、自社の建物の中やデータセンターに設置して使う方式です。機器もソフトウェアも自社で持ち、自社または委託先が保守します。

クラウド型とは

クラウド型は、PBXやコールセンターのシステムの機能を、提供元がインターネット上で提供し、利用する会社はそれをサービスとして使う方式です。自社で機器を持たず、パソコンのブラウザや専用のアプリ、対応した電話機から利用します。クラウドPBXと呼ばれるものは、このクラウド型のPBXを指します。

二つの方式の違いの全体像

観点オンプレミス型クラウド型
機器自社で持つ提供元が持つ
費用の形機器の購入など初期の費用が大きくなりやすい月額など、使った分や人数に応じた費用が中心になりやすい
導入までの期間機器の調達と設置、工事が必要契約と設定で始められることが多い
拡張と縮小機器の追加や入れ替えが必要なことがある契約の変更で増減しやすいことが多い
保守自社または委託先が行う提供元が行う部分が多い
機能の更新機器やソフトウェアの更新が必要提供元が更新する
自由度自社の要件に合わせて作り込みやすい提供元の機能と設定の範囲で使う
働く場所社内での利用が前提になりやすいインターネットにつながる場所から使いやすい

この表は一般的な傾向をまとめたものです。実際には、オンプレミス型でも外から使える構成にできるものや、クラウド型でも作り込みの自由度が高いものがあります。個々の製品やサービスの条件は、それぞれの説明で確認してください。

機器、費用の形、導入までの期間、拡張と縮小、保守、働く場所の比較
図1:クラウド型とオンプレミス型の違い

どちらかを選ぶ前に整理すること

方式を比べる前に、次の点を整理しておくと、判断がしやすくなります。

コールセンター全体の仕組みの見直しの進め方は、コールセンターDXの進め方で紹介しています。

導入までの期間

オンプレミス型の導入の流れ

オンプレミス型を導入するときは、一般的に次のような流れになります。

  1. 要件の整理と、機器・ソフトウェアの選定
  2. 見積もりと契約
  3. 機器の調達
  4. 設置する場所の準備(電源、空調、回線、配線など)
  5. 機器の設置と設定
  6. 試験と切り替え

機器の調達や設置の工事が必要なため、準備に時間がかかることがあります。自社の要件に合わせて作り込む場合は、設計と試験にさらに時間がかかります。

クラウド型の導入の流れ

クラウド型の場合は、一般的に次のような流れになります。

  1. 要件の整理と、サービスの選定
  2. 契約とアカウントの作成
  3. 電話番号の準備(新しく取得する、今の番号を使えるようにする、など)
  4. メニュー、振り分け、営業時間、ユーザーなどの設定
  5. 端末(パソコン、ヘッドセット、電話機など)の準備
  6. 試験と切り替え

機器の設置が不要なため、比較的短い期間で始められることが多いとされます。ただし、今の電話番号をそのまま使う場合の手続き、ほかの仕組みとのつなぎ込み、オペレーターの教育などには、別に時間がかかります。電話番号の扱いは、サービスや今の契約によって異なるため、早めに確かめておきましょう。

期間を左右する要素

どちらの方式でも、導入までの期間を左右するのは、次のような要素です。

「クラウド型ならすぐに始められる」と考えて計画を立てると、こうした要素で予定がずれることがあります。余裕を持った計画を立てましょう。

拡張と縮小のしやすさ

人数の増減への対応

コールセンターの人数は、季節や事業の状況によって変わります。繁忙期だけオペレーターを増やす、新しい窓口を立ち上げる、拠点を統合して人数を減らす、といった変化に、仕組みがどれくらい柔軟に対応できるかは大切な観点です。

オンプレミス型

クラウド型

拠点の追加・統合

新しい拠点を開く、拠点を統合する、といった場合も、方式によって手間が変わります。

場面オンプレミス型クラウド型
新しい拠点を開く拠点に機器を置くか、本社の機器とつなぐ構成が必要インターネットにつながれば、同じ仕組みを使いやすい
拠点を統合する機器の移設や撤去が必要になることがある設定の変更で対応しやすい
一時的な窓口を作る機器や回線の準備が必要アカウントの追加と設定で対応しやすい

機能の追加

新しい機能を使いたくなったときの対応も違います。

拡張と縮小で確認すること

保守と運用の負担

保守で発生する作業

電話の仕組みを使い続けるには、さまざまな保守の作業が発生します。

作業内容
障害への対応機器やソフトウェアの故障、通話ができないなどの問題に対応する
更新ソフトウェアの更新、セキュリティの修正の適用
機器の管理機器の点検、部品の交換、保守の期限が切れる機器の入れ替え
設定の変更メニュー、振り分け、ユーザー、営業時間などの変更
監視正常に動いているかを見守る

オンプレミス型の保守

オンプレミス型では、これらの作業の多くを、自社または委託先が担います。

一方で、保守の作業を自社で管理できるため、更新のタイミングを自社の都合に合わせて決められる、という利点もあります。

クラウド型の保守

クラウド型では、機器の管理、ソフトウェアの更新、基盤の監視などを、提供元が担う部分が多くなります。

クラウド型でも、メニューや振り分けの設定、ユーザーの追加と削除、営業時間の変更などの運用の作業は、自社で行います。管理画面で、自社の担当者が設定を変えられるかどうかは、日々の運用の負担を左右する大切な点です。

障害に備える

どちらの方式でも、障害がまったく起きないということはありません。障害に備えて、次の点を決めておきましょう。

クラウド型では、提供元の障害の情報がどこで公開されるか、障害のときにどのように連絡が来るかを確認しておきます。オンプレミス型では、委託先の対応の時間帯と、部品の手配にかかる期間を確認しておきます。

セキュリティの考え方

※この章は一般的な考え方の整理であり、法的助言ではありません。個人情報の扱いや契約の内容は、社内の規程や専門家の助言にあわせて判断してください。個人情報の扱いに関する公的な情報は、個人情報保護委員会のウェブサイトで確認できます。

「どちらが安全か」ではなく「誰が何を守るか」

セキュリティについては、「自社で持つオンプレミス型のほうが安全」「専門の提供元が管理するクラウド型のほうが安全」という、正反対の意見を聞くことがあります。実際には、どちらの方式でも、適切に管理されていれば安全性を高められ、管理が不十分であればリスクが生まれます。

大切なのは、「誰が、何を守る責任を持つのか」を明確にすることです。

守るものオンプレミス型クラウド型
機器と設置場所自社または委託先提供元
基盤のソフトウェアの更新自社または委託先提供元
アカウントと権限の管理自社自社
パスワードや認証の設定自社自社(提供元の機能を使って)
端末(パソコンなど)の管理自社自社
録音や記録の扱いのルール自社自社

クラウド型でも、アカウントの管理、権限の設定、端末の管理、記録の扱いのルールは、自社の責任です。「クラウドだから提供元がすべて守ってくれる」と考えるのは危険です。

確かめておきたい点

方式にかかわらず、次の点を確認しておきます。

データの保存

アクセスの管理

通信の保護

提供元や委託先の体制

クラウド型を検討する場合は、提供元が公開しているセキュリティやプライバシーの説明、利用規約を確認し、不明な点は問い合わせましょう。

社内のルールとの照らし合わせ

業種によっては、顧客の情報の扱いについて、社内や業界のルールが定められていることがあります。たとえば、医療、金融、公共の分野では、情報の保存場所や管理の方法について、慎重な判断が求められることがあります。方式を選ぶ前に、社内の情報管理の担当者と、守るべきルールを確認しておきましょう。

在宅勤務との相性

在宅勤務で必要になること

オペレーターが在宅で電話を受けるには、次のことが必要になります。

クラウド型と在宅勤務

クラウド型は、インターネットにつながる場所から利用することを前提にしているため、在宅勤務と組み合わせやすいとされます。ブラウザで使える電話(ソフトフォン)があれば、自宅のパソコンとヘッドセットで電話を受けられます。管理者も、同じ管理画面から在宅と社内のオペレーターの状況を見られます。

ただし、在宅勤務では、自宅のインターネット回線の品質が通話の品質に影響します。回線の速度や安定性の目安を決め、在宅で働くオペレーターの環境を確認しておきましょう。

オンプレミス型と在宅勤務

オンプレミス型でも、外部から社内の仕組みにつなぐ構成にすれば、在宅勤務に対応できる場合があります。ただし、外からつなぐための仕組み(安全な接続の方法など)の準備や、そのための機器の追加が必要になることがあります。既存の設備がどこまで対応できるかを、製品の提供元や委託先に確かめましょう。

在宅勤務で決めておくルール

方式にかかわらず、在宅勤務では次のルールを決めておく必要があります。

在宅でのコールセンターの運営については、在宅コールセンターの始め方で詳しく解説します。

災害や緊急時の備え

地震や台風、感染症の流行などで、事務所に出社できなくなることがあります。電話の窓口を止めないためには、方式を選ぶときに、緊急時にどう窓口を続けるかも考えておく必要があります。

方式ごとの考え方

緊急時の計画で決めておくこと

計画は作るだけでなく、年に一度など、実際に自宅や別の拠点から電話を受ける訓練をしておくと、いざというときに慌てずに済みます。

費用の考え方

具体的な費用は、製品やサービス、規模、構成によって大きく異なるため、ここでは費用の「構造」の違いと、比べるときの考え方を整理します。

費用の種類

費用の種類オンプレミス型クラウド型
初期の費用機器の購入、設置の工事、設計・構築初期設定の費用がかかる場合がある
継続の費用保守の契約、回線、電気代、設置場所月額の利用料(人数や機能に応じて)、回線、通話料
更新の費用機器の入れ替え、ソフトウェアの更新利用料に含まれることが多い
社内の人の費用保守や障害の対応にかかる担当者の時間設定や運用にかかる担当者の時間

比べるときの注意

検討しているサービスや製品の最新の料金と条件は、それぞれの公式の案内や見積もりで確認してください。

日々の運用で何が変わるか

方式によって、管理者や情報システムの担当者の日々の作業も変わります。よくある作業で比べてみます。

日々の作業オンプレミス型でよくある進め方クラウド型でよくある進め方
新しいオペレーターを追加する内線や端末の設定を、担当者や委託先が行う管理画面でユーザーを追加し、ブラウザやアプリでログインしてもらう
営業時間を変える設定の変更を、担当者や委託先に依頼する管理画面で営業時間のルールを変える
メニューを変える設定の変更と試験を、担当者や委託先が行う管理画面でメニューを変え、試験の電話で確認する
席替え・拠点の移動配線や電話機の移設が必要なことがあるログインする場所が変わるだけで済むことが多い
状況を確認する専用の画面や、社内の端末で確認するブラウザの管理画面で、社外からも確かめられることが多い

どちらの方式でも、設定を変えたら試験の電話で確認すること、変更の記録を残すことは欠かせません。自社の担当者が変更できる範囲が広いほど、日々の小さな変更に素早く対応できます。一方で、誰でも設定を変えられる状態は事故のもとにもなるため、変更できる人を決めておきましょう。

検討の進め方とスケジュールの例

方式の検討から切り替えまでの流れを、スケジュールの例として示します。期間はあくまで目安で、規模や要件によって大きく変わります。

段階やること
準備今の課題、計画、体制、ルール、契約を整理する。今の設備の保守の期限を確認する
情報収集候補の方式と製品・サービスを調べ、資料を集める。質問の一覧を送る
比較比較表に回答を書き込み、デモや試用で操作を確認する
試験一部の窓口で試し、通話の品質、操作のしやすさ、つながりを確認する
決定試験の結果と費用を比べて方式と製品を決め、社内の承認を得る
移行設定の移行、番号の手続き、教育、お客様への案内を進める
切り替え切り替えて、古い仕組みを片付ける

今の設備の保守の期限から逆算して、準備を始める時期を決めると、期限に追われて慌てて決める事態を避けられます。

状況別の検討の例

三つの架空の状況で、どのように方式を検討するかを紹介します。

例1:設備の保守の期限が近い、中規模のサポート窓口

今の設備の保守の期限が近づき、入れ替えを検討しています。繁忙期に人数が増え、在宅勤務の希望も出ています。この場合、入れ替えの機会にクラウド型を検討する価値があります。人数の増減と在宅勤務への対応が、検討の中心になります。今の設定の棚卸しを早めに始め、保守の期限より前に試験を終えられるよう計画します。

例2:既存の設備が新しく、社内の仕組みと深くつながった窓口

数年前に入れ替えた設備が順調に動いていて、顧客の情報の仕組みとも深くつながっています。この場合、すぐに方式を変える必要は低いかもしれません。ただし、在宅勤務や新しい窓口の追加の計画があれば、一部の窓口だけクラウド型を試す、機能ごとに補う、といった組み合わせの形を検討します。

例3:新しく窓口を立ち上げる小さなチーム

数名で新しく問い合わせの窓口を作ります。電話の設備を保守できる担当者はいません。この場合は、機器を持たずに始められ、人数に合わせて広げやすいクラウド型が検討の中心になります。必要な機能から始め、窓口が育つのに合わせて機能を加えていきます。

自社に合う方式を判断する

判断のためのチェックリスト

次の質問に答えて、当てはまる数が多い方式を検討の中心にするとよいでしょう。

クラウド型が向いている可能性が高い

オンプレミス型が向いている可能性が高い

どちらにも当てはまる項目がある場合は、重要度の高い項目を優先して判断します。また、一部の機能だけをクラウド型にする、拠点ごとに方式を分ける、といった組み合わせの形も考えられます。

方式別の向いている組織の例

組織の状況検討の中心になりやすい方式
新しく窓口を立ち上げる小規模なチームクラウド型
繁忙期に人数が大きく増える窓口クラウド型
在宅のオペレーターを含めて運営したい窓口クラウド型
既存の設備が新しく、保守の体制が整っている大規模な窓口オンプレミス型の継続も選択肢
データの保存場所に厳しい決まりがある窓口要件を満たせるかを両方式で確認する

あくまで傾向であり、最終的には自社の課題と条件に照らして判断します。

社内で合意をとるための説明

方式を決めるときには、経営層、情報システム、窓口の責任者、オペレーターなど、立場の違う人の合意が必要です。立場ごとに気にする点が違うため、説明の中心も変えると伝わりやすくなります。

立場気にしやすい点説明の中心
経営層費用、リスク、事業の計画との合い方数年分の費用の見積もり、緊急時の備え、拡大や在宅勤務への対応
情報システム安全管理、保守の負担、ほかの仕組みとのつながり提供元の安全管理の資料、保守の分担、連携の方法
窓口の責任者対応の品質、移行の影響、状況の見えやすさ試験の結果、移行の計画、管理画面やレポート
オペレーター操作のしやすさ、慣れるまでの負担試用の感想、練習の計画、切り替え直後の支え

試験の結果や比較表など、判断の材料を共有しておくと、立場が違っても同じ情報をもとに話し合えます。

移行を進める手順

オンプレミス型からクラウド型へ移行する場合を例に、手順を紹介します。逆の方向や、製品の入れ替えでも、考え方は共通です。

ステップ1:今の設定を棚卸しする

今の仕組みで使っているメニュー、振り分けのルール、営業時間、内線の番号、ユーザー、録音の設定、ほかの仕組みとのつながりを、すべて書き出します。長く使っている仕組みでは、誰も把握していない設定が残っていることがあります。

ステップ2:見直す機会にする

棚卸しした設定を、そのまま新しい仕組みに移す必要はありません。使われていないメニュー、古い振り分けのルール、退職者のユーザーなどを整理し、移行を見直しの機会にします。

ステップ3:電話番号の扱いを決める

今の電話番号を使い続けるか、新しい番号にするかを決めます。今の番号を使い続ける場合は、手続きの方法と期間を、提供元や今の契約先に確かめます。番号を変える場合は、お客様への案内の計画を立てます。

ステップ4:並行して試す

いきなりすべてを切り替えず、一部のチームや一部の窓口で新しい仕組みを試します。試す期間は、古い仕組みも使える状態にしておきます。

ステップ5:切り替えて、古い仕組みを片付ける

試験で問題がなければ、全体を切り替えます。切り替えの後、古い仕組みに残っている録音や記録の扱い(移す、保管する、削除する)を決め、機器や契約を片付けます。

移行のつまずき

棚卸し、見直し、電話番号、並行して試す、切り替えと片付けの五つの手順
図2:移行を進める手順

組み合わせる形

クラウド型かオンプレミス型か、どちらか一方を選ばなければならないわけではありません。次のような組み合わせの形もあります。

段階的に移る

今の設備の保守の期限までは、オンプレミス型を使い続け、その間に一部の窓口からクラウド型を試していく形です。いきなりすべてを切り替えるより、リスクを抑えられます。

拠点や窓口ごとに分ける

本社の大きな窓口はオンプレミス型を使い続け、新しく立ち上げる小さな窓口や、在宅のチームはクラウド型を使う形です。ただし、二つの仕組みを並行して使う間は、管理の手間が増え、レポートを合わせて見るのが難しくなることがあります。

機能ごとに分ける

電話の基本の機能は今の設備を使い、通話の録音の分析や要約、複数の窓口をまとめる受信箱など、一部の機能だけをクラウドのサービスで補う形です。仕組み同士をつなげられるかどうかを、事前に確かめる必要があります。

通話の品質を確認する

方式にかかわらず、オペレーターとお客様にとって最も大切なのは、通話がきちんと聞こえることです。クラウド型では、インターネットの回線を通じて通話するため、回線の状態が品質に影響します。

品質に影響する要素

導入の前に試す

試験の段階で、実際に使う場所と回線、端末で通話を試し、次の点を確認します。

問題がある場合は、回線の見直し、通話を優先する社内のネットワークの設定、ヘッドセットの変更などを検討します。

オペレーターから見た違い

方式の違いは、管理者や情報システムの担当者だけでなく、毎日電話を受けるオペレーターにも影響します。

電話の受け方

オンプレミス型では、机の上の電話機で受けることが多く、クラウド型では、パソコンの画面とヘッドセットで受けることが多くなります。電話機に慣れたオペレーターにとって、画面での操作は最初は戸惑うかもしれません。逆に、画面で受けると、着信と同時にお客様の情報を表示したり、通話の記録を同じ画面で書いたりしやすくなる、という利点もあります。

画面の数

電話、顧客の情報、ナレッジ、対応の記録が別々の画面に分かれていると、オペレーターは画面を行き来しながら対応することになります。どちらの方式でも、仕組み同士のつながりによって、画面の行き来を減らせるかどうかが変わります。試用のときには、オペレーターの代表に、実際の電話の流れで画面を操作してもらいましょう。

慣れるまでの支え

方式を変えると、操作の手順も変わります。切り替えの前に練習の時間をとる、よくある操作の手引きを用意する、切り替えの直後は質問に答えられる人を近くに置く、といった支えを用意しておきましょう。

端末とヘッドセットの準備

クラウド型を使う場合は、パソコン、ヘッドセット、回線といった端末の準備も必要です。

端末の準備は、切り替えの日までに全員分をそろえ、試験の電話で確認しておきます。

乗り換えのしやすさ

方式や製品を選ぶときには、将来、別の仕組みに乗り換える場合のことも考えておきます。

導入のときに乗り換えのことまで考えるのは気が早いと感じるかもしれませんが、データや番号を自社の財産として扱えるかどうかは、長く使ううえで大切な点です。

提供元や販売元に聞いておきたい質問

方式や製品を比べるとき、提供元や販売元に、次のような質問をしておくと、比較がしやすくなります。

導入

拡張と縮小

保守と障害

セキュリティとデータ

つながり

答えを比較表に書き込み、同じ観点で比べましょう。

判断を見直す時期

一度方式を決めても、それで終わりではありません。次のような変化があったときは、今の方式が合っているかを見直しましょう。

見直しのときは、この記事のチェックリストや比較表をもう一度使い、今の状況で答え直してみると、変えるべきかどうかを判断しやすくなります。

AI-SNS.IO Callについて

AI-SNS.IO Callは、ブラウザで使えるクラウド型の電話の仕組みです。日本の電話番号の提供は準備中です。現在はデモで着信をシミュレーションして体験できます。IVRと着信のルーティング、営業時間に合わせた切り替え、キュー、キューごとのボイスメール、IVRのメニューからの折り返しの依頼、名前で担当者を呼び出すディレクトリ、ブラウザのソフトフォン、AIによる通話の要約、設定した窓口をまとめる受信箱、REST API、レポートと分析、品質管理や要員管理の機能などを備えています。現在利用できる機能は機能一覧で、設定の手順は使い方ガイドで確認してください。通話の要約の使い方はAI通話要約の使い方で紹介しています。

よくある質問

クラウドPBXとは何ですか?

PBX(構内交換機)の機能を、自社で機器を持たずに、インターネット上のサービスとして利用するものです。外線の着信を内線に振り分ける、転送する、保留する、といった機能を、パソコンのブラウザやアプリ、対応した電話機から使います。

クラウド型とオンプレミス型、どちらが安いですか?

規模、期間、構成によって変わるため、一概には言えません。オンプレミス型は初期の費用が、クラウド型は継続の費用が中心になりやすいため、数年など一定の期間の合計で比べます。人数の増減や、保守にかかる社内の時間も含めて比べましょう。

クラウド型はセキュリティが心配です。

どちらの方式でも、適切に管理されていれば安全性を高められます。クラウド型の場合は、提供元が公開しているセキュリティの説明や利用規約を確かめ、データの保存場所、権限の設定、操作の記録などを確かめます。アカウントや端末の管理は、どちらの方式でも自社の責任です。

今の電話番号は使えますか?

サービスや今の契約によって異なります。使い続けられる場合も、手続きに一定の期間がかかることがあります。早めに提供元や今の契約先に確かめましょう。

通話の音質は、オンプレミス型と比べて悪くなりませんか?

クラウド型では、インターネットの回線の状態が品質に影響します。導入の前に、実際に使う場所、回線、端末で通話を試し、混み合う時間帯でも品質が保たれるかを確かめましょう。

障害が起きたらどうなりますか?

クラウド型で提供元の側に障害が起きた場合は、提供元の復旧を待つことになります。オンプレミス型では、自社や委託先が対応します。どちらの場合も、障害の連絡先、お客様への案内、代わりの窓口を決めておきましょう。

小さな会社でもクラウド型を使えますか?

使えます。機器を持たずに始められるため、少人数の窓口でも導入しやすいとされます。必要な機能と人数から始め、成長に合わせて広げていく使い方ができます。

オンプレミス型からの移行はどのくらい大変ですか?

今の設定の量、ほかの仕組みとのつながり、電話番号の扱いによって変わります。今の設定を棚卸しし、一部の窓口で試してから全体を切り替えると、リスクを抑えられます。

両方を組み合わせて使えますか?

段階的に移る、拠点や窓口ごとに分ける、機能ごとに分ける、といった組み合わせが考えられます。ただし、二つの仕組みを並行して使う間は、管理の手間が増えることに注意が必要です。

在宅勤務にはどちらが向いていますか?

クラウド型は、インターネットにつながる場所から使うことを前提にしているため、在宅勤務と組み合わせやすいとされます。オンプレミス型でも、外からつなぐ構成で対応できる場合があります。どちらの場合も、在宅勤務の情報管理のルールを決めておく必要があります。

方式を決める前に、何をしておくべきですか?

今の課題、これからの計画、社内の体制、社内のルール、今の契約の五つを整理しておきます。これらが整理できていれば、方式を比べるときの判断の基準がはっきりします。

まとめ

クラウド型とオンプレミス型は、どちらが優れているかではなく、自社の状況に合っているかで選びます。

まずは、今の課題と、今の設備の契約や保守の期限を書き出すところから始めてみてください。クラウド型の電話の仕組みは、AI-SNS.IO Callで試せます。アカウント登録から始めてみましょう。着信の振り分けの考え方はACD(着信呼自動分配)とはで、窓口の指標はコールセンターのKPI一覧で紹介しています。

キュー・ルーティング・AI通話要約をCallで試す

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