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オムニチャネル対応|電話とLINEを一つに

AI-SNS.IO 編集部 · 公開

オムニチャネル対応|電話とLINEを一つに(AI-SNS.IO Call ブログ)

お客様が会社に問い合わせる方法は、電話だけではなくなりました。メール、問い合わせのフォーム、チャット、LINEなどのメッセージのアプリ、SNSのダイレクトメッセージ。窓口が増えるのは、お客様にとっては便利なことです。自分に合った方法で、好きな時間に連絡できるからです。

一方で、受ける側の会社では、困ったことが起きがちです。電話は電話の担当、メールはメールの担当と分かれていて、同じお客様がメールを送った後に電話をかけてきても、電話の担当はメールの内容を知らない。LINEで届いた問い合わせが、誰にも気づかれないまま数日放置される。お客様から見ると、「前にも説明したのに」「返事がない」という不満につながります。

こうした問題を解決する考え方が、オムニチャネルの問い合わせ対応です。窓口がいくつあっても、お客様とのやりとりを一つにつなげて扱い、どの窓口から連絡しても、話が途切れないようにします。

この記事では、オムニチャネルの問い合わせ対応について、基本の考え方から、窓口が分かれることで起きる問題、受信箱をまとめる方法、顧客の履歴をつなぐ方法、担当とステータスの管理、段階的な進め方までを解説します。窓口の棚卸しのシートや、ステータスの決め方の例も紹介します。

オムニチャネルの問い合わせ対応とは

マルチチャネルとの違い

窓口がいくつもあることを、マルチチャネルと呼びます。電話、メール、チャットを用意していれば、マルチチャネルです。ただし、マルチチャネルでは、窓口ごとに仕組みも担当も分かれていて、やりとりの記録もばらばらのことがよくあります。

オムニチャネルは、窓口がいくつもあることに加えて、それらがつながっている状態を指します。どの窓口から届いた問い合わせも、同じ場所で見られ、同じお客様の過去のやりとりを確認できる。お客様がメールで始めた話を、電話で続けても、担当者は話の流れを知っている。こうした状態を目指すのが、オムニチャネルの考え方です。

観点マルチチャネルオムニチャネル
窓口の数複数ある複数ある
受ける場所窓口ごとに別々の仕組みまとめて見られる
やりとりの記録窓口ごとにばらばらお客様ごとにつながっている
担当窓口ごとに分かれる窓口をまたいで担当できる
お客様の体験窓口を変えると説明し直しどの窓口でも話が続く

窓口を増やすことが目的ではない

オムニチャネルというと、窓口を増やすことだと思われがちですが、目的は窓口の数ではありません。大切なのは、お客様がどの窓口を使っても、同じように問題を解決できることです。

窓口を増やしたのに、それぞれの窓口の対応がばらばらで、返事が遅れたり、内容が食い違ったりすれば、かえってお客様の不満が増えます。窓口を増やす前に、今ある窓口がつながっているかを見直すことが先です。

オムニチャネルで良くなること

窓口をつなげると、次のようなことが良くなります。

オムニチャネルに向いている会社

どんな会社でも、窓口をつなげることには意味があります。特に、次のような会社では効果が大きくなりやすいでしょう。

受ける場所、記録、担当、お客様の体験の比較
図1:マルチチャネルとオムニチャネル

窓口が分かれる問題

よくある困りごと

窓口がつながっていないと、次のような困りごとが起きます。説明のための架空の例で見てみます。

あるお客様が、商品の不具合について、問い合わせのフォームから連絡しました。フォームの担当は、確認のためにいくつか質問を返信しました。お客様は返信を待つ間に、急いでいたので電話もかけました。電話の担当は、フォームのやりとりを知らないため、一から状況を聞き直しました。その後、フォームの担当が、電話で解決したことを知らずに、再度メールを送りました。お客様は、二つの窓口から別々の連絡を受け、「この会社は中で話が通じていない」と感じました。

この例では、どの担当も、自分の窓口の中では正しく対応しています。問題は、窓口どうしがつながっていないことです。

窓口が分かれることで起きる問題の一覧

問題起きること
説明のし直しお客様が窓口を変えるたびに、同じ説明を繰り返す
対応の重なり同じ問い合わせに、複数の担当が別々に対応する
返事の漏れ担当が決まっていない窓口の問い合わせが放置される
回答の食い違い窓口によって、違う答えをしてしまう
状況が見えないどの窓口に、どのくらいの問い合わせが来ているか分からない
担当の偏り混んでいる窓口と空いている窓口の差が大きいのに、調整できない

原因は仕組みと運用の両方にある

窓口が分かれる原因は、仕組みだけではありません。

仕組みをまとめても、運用と組織が変わらなければ、窓口は分かれたままです。逆に、仕組みがすぐにまとめられなくても、運用の工夫で改善できることもあります。

今の窓口を棚卸しする

オムニチャネルに取り組む最初の一歩は、今の窓口の棚卸しです。次の表を、窓口ごとに埋めてみてください。

項目書き込む内容
窓口電話、メール、フォーム、チャット、LINE、SNSなど
受ける仕組みどの仕組みで受けているか
担当誰が受けているか
受付の時間いつ受けているか。時間外はどうしているか
件数の目安どのくらいの問い合わせが来ているか(分かる範囲で)
返事の目安どのくらいで返事をしているか
記録の場所やりとりの記録がどこに残るか
ほかの窓口とのつながりほかの窓口のやりとりを確認できるか

棚卸しをすると、担当が決まっていない窓口や、記録が残っていない窓口が見つかることがあります。そうした窓口から手当てしていきます。

受信箱をまとめる

一つの受信箱とは

オムニチャネルの土台になるのが、すべての窓口の問い合わせを一つの場所で見られる受信箱です。共有の受信箱、統合の受信箱などとも呼ばれます。電話の記録、メール、チャット、メッセージのアプリの問い合わせが、一つの一覧に並び、担当者はそこから問い合わせを選んで対応します。

一つの受信箱があると、担当者はいくつもの画面を行き来する必要がなくなります。管理者は、まだ誰も対応していない問い合わせが、どの窓口にどのくらいあるかを、一目で確認できます。

受信箱に入れるもの

受信箱にどの窓口をつなげられるかは、使う仕組みによって違います。つなげる窓口を決めるときは、次の点を考えます。

受信箱の並べ方と絞り込み

すべての問い合わせが一つの一覧に並ぶと、件数が多い場合、かえって見にくくなります。次のような絞り込みや並べ方を用意しておきます。

絞り込み・並べ方使う場面
まだ担当が決まっていないもの新しい問い合わせを振り分けるとき
自分が担当のもの自分の対応を進めるとき
ステータスごと返事待ち、お客様の返事待ち、などで分けて見るとき
窓口ごと特定の窓口の様子を確認するとき
届いてからの時間が長い順返事が遅れているものを先に片付けるとき
問い合わせの種類ごと専門の担当に回すとき

振り分けのルール

受信箱に届いた問い合わせを、誰が受け持つかを決めるルールも必要です。

どの方法でも、「誰の担当でもない問い合わせ」が残らないように、毎日の確認の時間を決めておきます。

返事の目安を窓口ごとに決める

窓口によって、お客様が期待する返事の速さは違います。電話はその場で、チャットは数分以内、メールやフォームは営業日の内に、といった具合です。窓口ごとに返事の目安を決め、受信箱で目安を過ぎそうな問い合わせが分かるようにしておくと、遅れを防げます。

窓口返事の目安の考え方
電話その場で対応。出られなかった電話は、折り返しの目安を決める
チャットお客様が画面の前で待っているため、早めの返事が求められる
メッセージのアプリチャットほどではないが、早めの返事が期待されやすい
メール・フォーム営業日の内など、目安を決めて案内しておく
SNS公開の場でのやりとりは、ほかの人の目にも触れるため、慎重さと早さの両方が必要

目安は、お客様にも案内しておくと、返事を待つ間の不安が減ります。例えば、フォームの送信後の画面や自動の返信のメールで、「〇営業日以内にご連絡します」と伝えます。

顧客履歴をつなぐ

お客様ごとにやりとりをまとめる

受信箱をまとめるだけでは、オムニチャネルは完成しません。同じお客様が、別の窓口から連絡してきたときに、そのお客様の過去のやりとりをまとめて見られることが大切です。これを顧客の履歴と呼びます。

顧客の履歴があると、担当者は、問い合わせを受けた時点で、次のことを確認できます。

同じお客様だと分かる手がかり

窓口が違うと、お客様を見分ける手がかりも違います。電話なら電話番号、メールならメールのアドレス、メッセージのアプリならアプリの上のアカウントです。同じお客様でも、窓口ごとに手がかりが違うため、何もしなければ別の人として記録されてしまいます。

つなげる方法には、次のようなものがあります。

自動でまとめる機能があるかどうかは、使う仕組みによって違います。自動でまとめられない場合でも、担当者が手で結びつける運用で、履歴をつなげることはできます。

履歴に残すこと

履歴に残す内容は、次の担当者が読んで状況が分かるように書きます。

残すこと例
用件商品の不具合の相談
確かめたこと購入の時期、症状、試してもらったこと
案内したこと交換の手続きの方法を案内した
約束したこと交換の品を送る。届く日の目安を伝えた
次にやること発送の手配を確認し、お客様に連絡する
状態対応中、お客様の返事待ち、完了など

電話の場合は、通話の要約の仕組みを使うと、履歴を残す手間を減らせます。通話の要約は、担当者が確かめて直してから残すようにしましょう。

引き継ぎのメモのひな形

担当が不在のときや、担当を変えるときに残すメモは、形を決めておくと、書く人も読む人も迷いません。

【用件】請求の内容についての質問(〇月分)【これまでの経緯】フォームで質問を受け、明細の確認のための質問をメールで送った。お客様から電話で返事があった【確かめたこと】明細の中の〇〇の項目についての質問。契約の内容は確かめ済み【約束したこと】本日中に、項目の説明をメールで送る【次にやること】説明のメールを送り、ステータスを「お客様の返事待ち」にする

短くても、この形で残っていれば、次の担当は履歴をすべて読み直さずに、すぐに対応を続けられます。

個人の情報の扱い

顧客の履歴には、名前、連絡先、問い合わせの内容など、個人の情報が多く含まれます。窓口をつなげると、多くの担当者が多くの情報を見られるようになるため、誰がどこまで見られるか、どのくらいの期間残すかを、会社のルールで決めておきます。個人の情報の扱いについては、個人情報保護委員会のウェブサイトで法律やガイドラインの内容を確認できます。この記事の内容は一般的な情報の紹介であり、法的助言ではありません。自社に当てはまるルールは、専門家や社内の担当部署に確認してください。

自動の返信で伝えること

メールやフォーム、メッセージのアプリで問い合わせを受けたときの自動の返信には、次のことを入れておくと、お客様が安心して待てます。

最後の一文があると、返事を待ちきれずに別の窓口から同じ問い合わせが届く、といった重なりを減らせます。

自動の返信の文は、窓口ごとに用意しつつ、返事の目安や受付の時間が変わったときに、すべての窓口の文をまとめて直せるよう、一覧で管理しておきましょう。

担当とステータスの管理

なぜ担当とステータスが必要か

窓口をまとめると、一つの受信箱に、多くの問い合わせが集まります。その中で、どの問い合わせを誰が受け持っているか、どこまで進んでいるかが分からなければ、対応の重なりや漏れが起きます。そこで、問い合わせごとに担当とステータス(進み具合)を管理します。

ステータスの決め方の例

ステータスは、少なすぎると進み具合が分からず、多すぎると担当者が使い分けに迷います。次の例を土台に、窓口に合わせて調整してください。

ステータス意味次に動く人
新規届いたばかりで、担当が決まっていない振り分ける人
対応中担当が決まり、対応を進めている担当者
お客様の返事待ちお客様に質問や案内を送り、返事を待っているお客様
社内の確認待ちほかの部署に確認を頼んでいるほかの部署
完了解決したなし

「お客様の返事待ち」と「社内の確認待ち」を分けておくと、自社の側で止まっている問い合わせを見つけやすくなります。

担当の決め方のルール

担当者が不在のときの扱い

担当者が休みの日や、長い時間の会議に入っているときに、その人の問い合わせにお客様から連絡があることもあります。次のように決めておくと、お客様を待たせずに済みます。

止まっている問い合わせを見つける

ステータスを決めても、運用の中で問い合わせが止まることがあります。次のような問い合わせを、毎日確かめる習慣をつけましょう。

管理者が見る画面で、こうした問い合わせを一覧にできると、確かめの手間が減ります。管理者が日々見るべき画面についてはコールセンター管理者の見るべき画面で紹介しています。

窓口をまたぐ受け渡しの例

説明のための架空の例で、窓口をまたいだ受け渡しの流れを示します。

  1. お客様が、問い合わせのフォームで、請求の内容について質問する。受信箱に「新規」として届く
  2. 当番の担当者が、請求の担当のAさんに振り分ける。ステータスは「対応中」
  3. Aさんが、確認のための質問をメールで返す。ステータスは「お客様の返事待ち」
  4. お客様が、メールではなく電話で返事をする。電話を受けたBさんは、電話番号から履歴を確認し、Aさんの対応中の問い合わせがあることを知る
  5. Bさんは、お客様の返事の内容を聞き取り、同じ問い合わせの履歴に記録する。Aさんが席にいたため、その場でAさんに電話を回す
  6. Aさんが請求の内容を説明し、お客様が納得する。ステータスを「完了」にする

この流れでは、お客様は窓口を変えても、説明し直す必要がありませんでした。Bさんが履歴を確認したことと、同じ問い合わせに記録をまとめたことが鍵になっています。

SNSでの問い合わせの扱い

SNSで届く問い合わせには、ダイレクトメッセージのように一対一で届くものと、公開の投稿やコメントとして届くものがあります。公開の場でのやりとりは、ほかの人の目にも触れるため、ほかの窓口とは違う注意が必要です。

SNSの問い合わせも、非公開の窓口に移った後は、ほかの問い合わせと同じように受信箱で担当とステータスを管理します。

窓口ごとの対応の書き方をそろえる

書き方がばらばらになる理由

窓口をまとめても、窓口ごとの書き方がばらばらだと、お客様の体験はそろいません。メールでは丁寧な長い文章、チャットでは短い言葉、電話では口頭の説明。窓口に合わせた書き方の違いは必要ですが、伝える中身はそろえる必要があります。

中身をそろえるための工夫

同じ答えを窓口ごとに表す例

返品の受付の期限についての質問を例に、窓口ごとの表し方を示します。

窓口表し方の例
電話「返品は、商品がお手元に届いてから〇日以内に承っております。今日お手続きいただければ間に合いますので、手順をご案内しますね」
メール返品の期限、手続きの手順、必要なものを、見出しと箇条書きで整理して書く。ホームページの案内へのリンクを添える
チャット「返品は、お届けから〇日以内に承っています。手続きの手順をお送りしますね」と短く返し、続けて手順を送る

どの窓口でも、期限という大切な中身は同じです。違うのは、伝え方だけです。

窓口ごとの受付時間と時間外の扱い

窓口が増えると、窓口ごとに受付の時間が違うことがよくあります。電話は平日の日中だけ、メールやフォームはいつでも送れる、チャットは担当者がいる時間だけ、といった具合です。お客様が迷わないよう、窓口ごとの受付の時間と、時間外の扱いを整理しておきます。

窓口時間外の扱いの例
電話時間外の案内を流し、ボイスメールや折り返しの依頼を受け付ける。受付の時間と、ほかの窓口を案内する
チャット担当者がいない時間は、チャットの画面に受付の時間を表示し、フォームやメールへ案内する
メッセージのアプリ自動の返信で受付の時間と、返事の目安を伝える
メール・フォーム自動の返信で受け付けたことと、返事の目安を伝える

時間外に届いた問い合わせは、翌営業日の始めに受信箱でまとめて確かめ、届いた順や急ぎの度合いで対応します。週明けや長い休みの後は件数が多くなるため、その日の担当の人数を多めにしておくとよいでしょう。営業時間の設定はIVRの営業時間ルーティングで詳しく紹介しています。

電話から別の窓口へ案内する

電話で受けた問い合わせの中には、別の窓口のほうが解決しやすいものもあります。例えば、長い説明や画像が必要な用件はメールのほうが、細かい手順を一つずつ進める用件はホームページの案内のほうが、お客様にとっても分かりやすいことがあります。

電話から別の窓口へ案内するときは、次の点に気をつけます。

問い合わせそのものを減らす

窓口をつなげると、どの窓口に、どんな問い合わせが多いかが、まとめて見えるようになります。この情報は、問い合わせそのものを減らすことにも使えます。

問い合わせが減れば、担当者は一つひとつの問い合わせに、より丁寧に向き合えるようになります。

管理者が毎日確かめること

一つの受信箱で窓口をまとめた後、管理者が毎日確かめておきたいことを、チェックリストにまとめます。

数分で確認できるよう、絞り込みの条件を保存しておくなど、画面を整えておくと続けやすくなります。

仕組みを選ぶときに確かめること

一つの受信箱や顧客の履歴の仕組みを選ぶときは、次の点を確認します。

確かめること問いの例
つなげられる窓口自社が使っている窓口を、受信箱につなげられるか
電話とのつながり通話の記録、要約、ボイスメール、折り返しの依頼を、同じ場所で扱えるか
履歴のまとめ方同じお客様のやりとりを、窓口をまたいでまとめられるか。手で結びつけられるか
担当とステータス担当とステータスを、自社のルールに合わせて設定できるか
絞り込みと一覧止まっている問い合わせを、すぐに一覧にできるか
権限担当者ごとに、見られる範囲を決められるか
ほかの仕組みとの連携顧客の情報の仕組みなどと、APIなどでつなげられるか
レポート窓口ごとの件数や返事の時間を確認できるか

試用できる場合は、架空の問い合わせをいくつかの窓口から送り、窓口をまたいだ受け渡しの流れを実際に試してみましょう。

段階的な進め方

一度にすべてを変えない

オムニチャネルに取り組むとき、すべての窓口を一度につなげようとすると、仕組みの準備、運用のルールの変更、担当者の教育が同時に必要になり、混乱が起きやすくなります。段階を分けて進めるのが安全です。

段階の例

段階やること確かめること
1 棚卸し今の窓口、担当、記録の場所を書き出す担当のない窓口、記録のない窓口
2 担当を決めるすべての窓口に担当を決め、返事の目安を決める漏れがなくなったか
3 受信箱をまとめる件数の多い窓口から、一つの受信箱にまとめる担当者が迷わず使えるか
4 ステータスを決めるステータスと担当のルールを決め、運用を始める止まっている問い合わせが見つかるか
5 履歴をつなぐお客様ごとの履歴をまとめ、窓口をまたいで確認できるようにする説明のし直しが減ったか
6 答えをそろえるナレッジを整え、窓口ごとの言い方の例を用意する回答の食い違いが減ったか
7 見直す数字とお客様の声を見て、ルールと仕組みを調整する返事の速さ、解決までの時間

段階1と2は、仕組みを変えなくても始められます。まずはここから取り組み、効果を確認しながら次の段階に進みましょう。

棚卸し、担当、受信箱、ステータス、履歴、答え、見直しの七つの段階
図2:オムニチャネルの段階的な進め方

窓口を増やすのは最後に

新しい窓口(例えば、メッセージのアプリでの受付)を加えたい場合も、今ある窓口がつながってから加えるのが安全です。つながっていない状態で窓口を増やすと、漏れや食い違いが増えるだけになりがちです。

新しい窓口を加えるときは、次の点を先に決めておきます。

担当者の教育

一つの受信箱で、複数の窓口の問い合わせを受けるようになると、担当者には、これまで扱っていなかった窓口の対応も求められます。

いきなりすべての窓口を受け持ってもらうのではなく、得意な窓口から始めて、少しずつ広げていくと、担当者の負担を抑えられます。

小さな会社でのオムニチャネル

小さな会社こそ漏れが起きやすい

数人の会社では、電話もメールもメッセージのアプリも、同じ人が受けていることが多くあります。担当が同じなら、窓口をつなげる必要はないように思えるかもしれません。しかし、一人で複数の窓口を見ていると、かえって確かめ漏れが起きやすくなります。電話の対応に追われている間に、メッセージのアプリの問い合わせに気づかない、といったことです。

小さな会社の例

説明のための架空の例として、3人で運営している雑貨のネットショップを考えます。問い合わせは、電話、メール、メッセージのアプリ、ショップの問い合わせのフォームの四つの窓口に届きます。これまでは、それぞれの窓口を、気づいた人が確かめていました。

棚卸しをすると、メッセージのアプリは一人しかログインしておらず、その人が休みの日は誰も見ていないことが分かりました。また、同じお客様がメールとメッセージのアプリの両方で問い合わせ、二人が別々に返事をしていたこともありました。

そこで、次のように変えました。

仕組みを変えなくても、こうした運用の工夫で、漏れや重なりを減らせる可能性があります。件数が増えて、書き写す手間が大きくなってきたら、一つの受信箱にまとめる仕組みを検討する目安になります。

よくある失敗

よくある失敗起きること避け方
窓口を先に増やす担当のいない窓口が生まれ、返事の漏れが増える今の窓口をつなげてから増やす
仕組みだけ入れる受信箱はまとまったが、担当とステータスの運用がなく、止まる問い合わせが残る担当とステータスのルールを同時に決める
ステータスを増やしすぎる使い分けに迷い、正しく更新されない少ないステータスから始める
履歴を残さない窓口をまたいだときに、説明のし直しが起きる残す項目を決め、短くても必ず残す
答えの元がばらばら窓口によって違う答えをしてしまうナレッジを一つにまとめる

効果の確認方法

見る数字

オムニチャネルに取り組んだ効果は、次のような数字で確認します。

数字分かること
窓口ごとの件数どの窓口に、どのくらいの問い合わせが来ているか
最初の返事までの時間窓口ごとに、目安どおりに返事ができているか
解決までの時間問い合わせが届いてから、完了になるまでの時間
一度で解決した割合追加のやりとりなしで解決した問い合わせの割合
窓口をまたいだ問い合わせの数同じ用件で、複数の窓口から連絡があった数
止まっている問い合わせの数目安を過ぎて更新がない問い合わせの数

窓口をまたいだ問い合わせの数は、お客様が一つの窓口で解決できずに別の窓口に移った数とも言えます。この数が減っていけば、それぞれの窓口で問題を解決できるようになっている、と考えられます。指標の詳しい意味はコールセンターのKPI一覧で紹介しています。

お客様の声

数字だけでなく、お客様の声も大切です。「前にも説明した」「返事がない」「窓口によって言うことが違う」といった声が減っているかを確認します。担当者からも、「ほかの窓口の状況が分かるようになった」「対応の重なりが減った」といった変化を聞いてみましょう。

AI-SNS.IO Callについて

AI-SNS.IO Callは、ブラウザで使えるクラウド型の電話の仕組みです。日本の電話番号の提供は準備中です。現在はデモで着信をシミュレーションして体験できます。設定した窓口をまとめる受信箱に加えて、IVRと着信のルーティング、営業時間に合わせた切り替え、キュー、キューごとのボイスメール、IVRのメニューからの折り返しの依頼、名前で担当者を呼び出すディレクトリ、ブラウザのソフトフォン、AIによる通話の要約、REST API、レポートと分析、品質管理や要員管理の機能などを備えています。受信箱につなげられる窓口など、現在利用できる機能は機能一覧で、設定の手順は使い方ガイドで確認してください。窓口の見直しを含めたコールセンター全体の進め方はコンタクトセンターDXの進め方で紹介しています。

よくある質問

オムニチャネルとマルチチャネルは何が違いますか?

マルチチャネルは、窓口が複数ある状態を指します。オムニチャネルは、複数の窓口がつながっていて、どの窓口から連絡しても、お客様とのやりとりが一つの流れとして扱われる状態を指します。窓口の数ではなく、つながっているかどうかが違いです。

オムニチャネルにするには、専用の仕組みが必要ですか?

一つの受信箱や顧客の履歴をまとめる仕組みがあると進めやすくなりますが、最初から必要というわけではありません。窓口の棚卸し、担当の決定、返事の目安、共有の一覧での管理といった運用の工夫から始められます。

LINEなどのメッセージのアプリも、受信箱にまとめられますか?

まとめられるかどうかは、使う仕組みが、そのアプリとつなげられるかによって変わります。仕組みの機能の一覧や説明書で、つなげられる窓口を確かめてください。つなげられない場合も、当番が確かめて共有の一覧に書き写す、といった運用で漏れを防げます。

電話の問い合わせは、どのように受信箱に入れればよいですか?

通話そのものではなく、通話の記録や要約、ボイスメール、折り返しの依頼などを、一つのやりとりとして受信箱に並べる形が多くなります。電話で受けた内容を履歴に残しておくと、お客様が後でメールなどで連絡してきたときにも、話を続けられます。

同じお客様の問い合わせを、どうやって結びつければよいですか?

一人のお客様の情報に、電話番号、メールのアドレス、アカウントなどの手がかりをまとめて登録する方法があります。自動で結びつける機能がない場合は、問い合わせの中で以前の問い合わせの有無を確かめ、担当者が手で結びつけます。会員の番号や注文の番号も手がかりになります。

担当者は、すべての窓口に対応できなければいけませんか?

必ずしもその必要はありません。得意な窓口から始めて、少しずつ広げていく方法がとれます。ただし、ほかの窓口の履歴を確かめて、状況を把握できるようにしておくことは、全員に必要です。

ステータスはいくつくらいがよいですか?

決まった数はありませんが、少ない数から始めるのがよいでしょう。新規、対応中、お客様の返事待ち、社内の確認待ち、完了の五つ程度を土台にし、運用しながら必要なものを加えます。

窓口ごとに返事の目安を変えてもよいですか?

変えてよいですし、むしろ変えるのが自然です。お客様が期待する返事の速さは窓口によって違うためです。目安はお客様にも案内しておくと、返事を待つ間の不安が減ります。

新しい窓口を加えるタイミングはいつがよいですか?

今ある窓口に担当が決まり、返事の漏れがなく、履歴がつながってから加えるのが安全です。加える前に、担当、受付の時間、返事の目安、受信箱へのつなぎ方、その窓口で受けない用件を決めておきましょう。

窓口をまとめると、個人の情報の扱いで気をつけることはありますか?

多くの担当者が多くの情報を見られるようになるため、誰がどこまで見られるか、どのくらいの期間残すかを、会社のルールで決めておく必要があります。法律やガイドラインの内容は個人情報保護委員会のウェブサイトで確かめ、自社に当てはまるルールは専門家や社内の担当部署に確認してください。

効果はどの数字で確認すればよいですか?

窓口ごとの件数、最初の返事までの時間、解決までの時間、一度で解決した割合、窓口をまたいだ問い合わせの数、止まっている問い合わせの数などを見ます。あわせて、お客様の声や担当者の感想も確かめましょう。

まとめ

オムニチャネルの問い合わせ対応は、窓口を増やすことではなく、窓口をつなげて、どの窓口からでも話が続くようにする取り組みです。

まずは、今の窓口の棚卸しのシートを埋めるところから始めてみてください。窓口をまとめる受信箱や通話の要約は、AI-SNS.IO Callで試せます。アカウント登録から始めてみましょう。

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