AI電話受付の基礎

電話代行とAI電話受付の違い|選び方の判断軸を7つで比較

AI-SNS.IO 編集部 · 公開

電話代行とAI電話受付の違い|選び方の判断軸を7つで比較(AI-SNS.IO Call ブログ)

電話に出られない時間をどうするか。この悩みに対して、昔からある選択肢が電話代行サービスです。外部のオペレーターが会社の名前で電話を受け、用件を聞き取って伝えてくれます。一方で、近年はAIや自動音声を使って電話の一次対応を行う、AI電話受付という選択肢も知られるようになってきました。

どちらも「自社のスタッフが出られない電話を受け止める」という目的は同じです。しかし、仕組みも、得意なことも、運用の手間も、費用の考え方も大きく違います。「AIのほうが新しいから」「人のほうが安心だから」といったイメージだけで選んでしまうと、導入してから「思っていたのと違った」ということになりかねません。

この記事では、電話代行とAI電話受付の基本を整理したうえで、選ぶときの判断軸を七つ取り上げて比較します。どちらが優れているかを決めるのではなく、自社の電話の性格に合うのはどちらか、あるいは組み合わせるのがよいのかを判断するための材料として読んでください。

なお、電話代行サービスもAI電話受付も、提供するサービスによって内容は大きく異なります。この記事で紹介するのは一般的な傾向であり、個別のサービスの内容は、各サービスの説明を確認してください。

電話代行とAI電話受付の基本

比較に入る前に、それぞれの仕組みを簡単に確認しておきます。

電話代行とは

電話代行は、外部の事業者のオペレーターが、契約した会社に代わって電話を受けるサービスです。一般的には、会社の電話を代行事業者に転送し、オペレーターが会社の名前で応答します。用件や相手の名前、連絡先を聞き取り、メールやチャットなどで会社に報告するのが基本的な流れです。

オペレーターは人なので、相手の話し方や状況に合わせて柔軟に受け答えができます。決められた範囲であれば、簡単な質問に答えたり、担当者につないだりすることもあります。どこまで対応してもらえるかは、契約の内容やサービスによって異なります。

AI電話受付とは

AI電話受付は、AIや自動音声を使って、電話の一次対応を行う仕組みです。IVR(自動音声応答)で用件を選んでもらう方式、AIが相手の話を聞き取って用件を整理する方式、それらを組み合わせた方式など、いくつかの形があります。

AI電話受付では、会社があらかじめ登録した情報(営業時間、よくある質問の答えなど)をもとに案内したり、用件を聞き取って記録し、担当者に引き継いだりします。通話の内容を文字起こしや要約として残せる仕組みも多くあります。仕組みの全体像は、AI電話受付とはの記事で詳しく解説しています。

共通する役割と、根本的な違い

どちらも、自社のスタッフが出られない電話を受け止め、用件を整理して担当者につなぐ、という役割を担います。予約や契約の確定、専門的な判断は、どちらの場合も自社のスタッフが行うのが基本です。

根本的な違いは、電話を受けるのが「人」か「仕組み」か、という点です。人が受ける電話代行は、柔軟さと、その場の判断に強みがあります。仕組みが受けるAI電話受付は、同じ対応を繰り返すことと、記録を残すことに強みがあります。この違いが、これから紹介する七つの判断軸のすべてに影響してきます。

電話を受ける主体、強み、苦手なこと、記録、変更のしやすさの比較
図1:電話代行とAI電話受付の基本的な違い

比較軸1:対応できる時間帯

最初の判断軸は、電話を受けられる時間帯です。電話に出られない時間を埋めることが目的なら、もっとも基本的な確認事項です。

電話代行の場合

電話代行の対応時間は、サービスや契約のプランによって決まります。平日の日中のみ、土日祝日も対応、夜間も対応など、さまざまな形があります。対応時間を広げるほど、オペレーターの人員が必要になるため、費用の考え方にも影響するのが一般的です。

また、対応時間内であっても、同時にかかってくる電話の数がオペレーターの数を上回れば、つながりにくくなる可能性があります。混み合う時間帯にどの程度対応できるかは、契約前に確認しておきたい点です。

AI電話受付の場合

AI電話受付は、仕組みが電話を受けるため、営業時間外や休日、深夜でも、設定に応じて応答できます。人の勤務時間に縛られないことは、AI電話受付の大きな特徴です。

同時にかかってくる電話への対応は、仕組みの作りや契約の内容によって変わります。また、AIが応答できても、その後の折り返しや確定はスタッフが行うため、「夜間に受け付けた用件に、翌朝いつまでに対応するか」という運用は別に決めておく必要があります。

判断のポイント

夜間や休日の電話の受け方については、営業時間外の電話対応でも詳しく解説しています。

比較軸2:応答品質の安定性

二つ目の判断軸は、応答の品質がどれくらい安定しているかです。電話は会社の印象を左右するため、品質のばらつきは気になるところです。

電話代行の場合

人が応答する電話代行では、オペレーターの経験やその日の状況によって、応答の品質にある程度のばらつきが出ることがあります。一方で、相手の話し方や感情を汲み取り、臨機応変に受け答えできるのは、人ならではの強みです。言いよどむ相手、早口の相手、困っている相手にも、自然に対応できます。

担当するオペレーターが自社の事業をどこまで理解しているかも、品質に影響します。自社の業界に詳しいオペレーターが担当してくれるかどうか、マニュアルをどのように共有するかは、サービスによって異なります。

AI電話受付の場合

AI電話受付は、設定した内容に沿って同じ案内を繰り返すため、案内の内容そのもののばらつきは起きにくいといえます。営業時間や手続きの案内など、決まった答えがある用件では、安定した対応がしやすい仕組みです。

一方で、AIが相手の話を聞き取る方式では、聞き取りの誤りが起きることがあります。登録していない質問への対応や、感情的な相手への対応も、人に比べると苦手です。そのため、大事な情報は復唱して確認する、わからないことは推測で答えずに担当者に引き継ぐ、といった設計が欠かせません。

判断のポイント

比較軸3:担当者への引き継ぎ

三つ目の判断軸は、受けた電話を自社の担当者にどう引き継ぐかです。電話を受けるだけでは用件は片付きません。引き継ぎの仕方が、その後の対応の速さと正確さを決めます。

電話代行の場合

電話代行では、オペレーターが聞き取った内容を、メール、チャット、専用の画面などで報告するのが一般的です。報告の内容は、オペレーターがまとめた要点になります。急ぎの用件の場合は、担当者の携帯電話に転送する、すぐに連絡するといった対応を取り決めておけるサービスもあります。

報告がオペレーターの要約である以上、どこまで詳しく書かれるか、何を重要と判断するかは、オペレーターに委ねられる部分があります。報告の形式や項目を、契約時にすり合わせておくことが大切です。

AI電話受付の場合

AI電話受付では、聞き取った内容を、決めた項目に沿って記録し、担当者に共有できます。通話の文字起こしや要約を残せる仕組みであれば、担当者は要約で要点をつかみ、必要に応じて文字起こしや録音で詳細を確認できます。

引き継ぎのルール(どの用件を、誰に、どの手段で知らせるか)は、自社で設定する必要があります。急ぎの用件をスタッフの電話に直接つなぐ、IVRのメニューから折り返しの依頼として受け付ける、キューごとに留守番電話を分けるなど、仕組みによってさまざまな引き継ぎ方が考えられます。

判断のポイント

比較軸4:記録と情報管理

四つ目の判断軸は、通話の記録と、そこに含まれる情報の管理です。電話には、相手の名前や連絡先、用件の内容など、慎重に扱うべき情報が含まれます。

電話代行の場合

電話代行では、相手の情報を外部のオペレーターが聞き取り、代行事業者の環境で記録・報告します。情報がどのように扱われるか、どれくらいの期間保存されるか、誰が見られるかは、代行事業者の運用によります。契約時に、情報の取り扱いや守秘のルールを確認しておくことが大切です。

AI電話受付の場合

AI電話受付では、通話の録音、文字起こし、要約などが、サービスの環境に保存されるのが一般的です。誰が記録を見られるかを自社で設定できるか、保存期間をどう決められるか、記録がどこに保存されるのかを確認しておきましょう。

AIが関わる場合は、通話の内容がAIの処理にどのように使われるのかも確認しておきたい点です。サービスの説明や利用規約で、データの扱いを確認してください。

判断のポイント

個人情報の取り扱いに関する公的な情報は、個人情報保護委員会のウェブサイトで確認できます。具体的な判断に迷う場合は、専門家に相談してください。この内容は一般的な情報であり、法的助言ではありません。

比較軸5〜7:運用負荷・柔軟性・費用構造の考え方

残りの三つの判断軸は、導入後の運用に関わるものです。導入前には見落としがちですが、長く使ううえでは大切な観点です。

比較軸5:運用負荷

電話代行は、受電そのものを外部に任せられるため、自社で受け答えの仕組みを作り込む負担は比較的小さくなります。一方で、業務内容や案内してほしい情報が変わったときには、代行事業者にマニュアルの更新を依頼し、オペレーターに浸透するまで待つ必要があります。報告を受け取って社内で対応する手間は、どちらの場合も残ります。

AI電話受付は、案内の内容、メニューの構成、引き継ぎのルールなどを、自社で設定・更新していく必要があります。最初の設定には手間がかかりますが、営業時間や案内の内容を変えたいときに、自分たちですぐに反映できるのは利点です。運用を始めた後も、通話の記録を見ながら案内を改善していく作業が必要になります。

比較軸6:柔軟性

電話代行は、人が対応するため、想定外の用件にもある程度柔軟に対応できます。ただし、どこまで対応してもらえるかは契約で決まっており、範囲外の対応を求めることはできません。

AI電話受付は、設定した範囲では同じ対応を安定して繰り返せますが、聞き取りの誤りが起こることがあり、想定していない用件には弱い面があります。その代わり、設定を変えることで、案内の内容やメニューを柔軟に組み替えられます。季節や繁忙期に合わせて案内を変える、といった調整がしやすい仕組みです。

比較軸7:費用構造の考え方

費用の金額はサービスによって大きく異なるため、ここでは費用の「構造」の考え方を整理します。

電話代行は、月額の基本料金に対応件数などに応じた費用が加わる料金体系を採るサービスもあります。その場合、電話の件数が増えるほど費用も増えやすくなります。具体的な料金体系は各社の公式の案内でご確認ください。

AI電話受付は、仕組みの利用に対する料金と、通話の量や利用する機能に応じた料金の組み合わせになることが多いようです。どのような単位で費用がかかるのか(通話の時間、件数、利用する機能など)は、サービスごとに確かめる必要があります。

比べるときは、月々の料金だけでなく、次のような点も含めて考えるとよいでしょう。

AI-SNS.IO Callの料金については、公式サイトの料金の案内で確認してください。

対応時間、品質、引き継ぎ、記録、運用負荷、柔軟性、費用構造の七つの判断軸
図2:七つの判断軸のまとめ

同じ一本の電話を、それぞれで受けたらどうなるか

違いをより具体的にイメージするために、ある架空の小さな事務所にかかってきた一本の電話を、電話代行とAI電話受付のそれぞれで受けた場合の流れを追ってみます。ここでの流れは説明のための例であり、実際の流れはサービスや設定によって異なります。

場面:平日の昼休みにかかってきた問い合わせ

事務所のスタッフは全員昼休み中です。そこへ、「来週の打ち合わせの日程を変えたい」という取引先からの電話がかかってきました。相手は少し急いでいる様子で、「できれば今日中に返事がほしい」と言っています。

電話代行で受けた場合

電話は代行事業者に転送され、オペレーターが事務所の名前で応答します。オペレーターは、相手の名前、会社名、連絡先、用件(打ち合わせの日程の変更)、希望(今日中に返事がほしい)を聞き取り、「担当者に申し伝えます」と伝えて電話を終えます。

その後、オペレーターは聞き取った内容をまとめ、決められた方法で事務所に報告します。相手が急いでいる様子だったことは、オペレーターの判断で報告に書き添えられるかもしれません。昼休みが明けたスタッフは報告を読み、相手に折り返します。

この流れでは、相手は人と話せたという安心感を得られます。一方で、報告に何がどこまで書かれるかは、オペレーターのまとめ方に左右されます。

AI電話受付で受けた場合

電話は自動の案内につながり、「打ち合わせの日程に関するご用件は1番」のようなメニューで用件を選んでもらうか、AIが用件を聞き取ります。名前、会社名、連絡先、用件、希望の日時などを、決めた項目に沿って記録します。日程の変更は確定せず、「担当者が確認して折り返します」と伝えて電話を終えます。

記録は、通話の要約とあわせて、事務所のスタッフが確認できる場所に残ります。「急ぎ」として扱う条件を設定していれば、目立つように表示することもできます。昼休みが明けたスタッフは、要約で要点をつかみ、必要なら文字起こしで相手の言葉を確認してから折り返します。

この流れでは、記録の項目がそろい、後から詳細を確認できるのが利点です。一方で、相手が機械の案内に不慣れだったり、話がうまく伝わらなかったりした場合には、人が受けるより手間取ることもあります。

二つの流れから見えること

どちらの場合も、日程の変更を確定するのは事務所のスタッフです。違うのは、電話を受けた瞬間の相手の体験と、事務所に届く情報の形です。自社の電話で、どちらがより大切かを考えることが、選び方の手がかりになります。

自社のスタッフで受ける場合とも比べる

電話代行やAI電話受付を検討するときは、「今のまま、自社のスタッフで受け続ける」という選択肢とも比べておくと、判断がしやすくなります。

自社のスタッフが受ける最大の利点は、事業をよく知っている人が、その場で判断して対応できることです。電話一本で用件が片付けば、折り返しの手間もかかりません。一方で、スタッフが本来の業務を中断して電話に出ることになり、出られない時間帯の電話は取りこぼしてしまいます。

電話代行やAI電話受付は、この「出られない時間」と「中断の負担」を減らすための手段です。逆に言えば、出られない時間がほとんどなく、電話による中断も負担になっていないのであれば、無理に外部や仕組みに任せる必要はありません。今の電話の受け方で何が困っているのかをはっきりさせることが、比較の出発点になります。

かけてくる人の立場から考える

ここまでは、主に電話を受ける会社の側から比較してきました。しかし、電話の受け方を選ぶうえでは、かけてくる人の立場から考えることも欠かせません。

かけてくる人が求めていること

電話をかけてくる人が求めていることは、おおまかに次の三つに分けられます。

一つ目の「すぐに答えがほしい」用件には、決まった答えを安定して案内できるAI電話受付が向いています。二つ目の「用件を確実に伝えたい」用件には、どちらの仕組みでも対応できますが、記録の項目がそろうことや、後で内容を確認できることが強みになります。三つ目の「話を聞いてほしい」用件には、人の対応が向いています。

待たせないことと、たらい回しにしないこと

かけてくる人にとって、不満を感じやすいのは、長く待たされることと、何度も同じ説明をさせられることです。電話代行でもAI電話受付でも、つながるまでの時間を短くすること、聞き取った内容をきちんと担当者に引き継いで同じ説明を繰り返させないことが、満足につながります。

どちらを選ぶ場合も、かけてくる人の立場で実際に電話をかけてみて、待ち時間や案内のわかりやすさ、引き継ぎの流れを確認しておきましょう。

併用という選択肢

ここまで、電話代行とAI電話受付を七つの判断軸で比べてきました。読んでいくうちに、「どちらか一方に決めなくてもよいのでは」と感じた方もいるかもしれません。実際、両者の得意なことは違うため、組み合わせて使うという考え方もあります。

組み合わせ方の例

例1:用件で分ける

営業時間や場所の案内、資料の請求など、決まった答えのある用件はAI電話受付の自動の案内で対応し、個別の相談や、感情への配慮が必要な用件は人(自社のスタッフや電話代行のオペレーター)が受ける、という分け方です。IVRのメニューで用件を選んでもらえば、電話を用件ごとに振り分けられます。IVRの基本は、IVRとはの記事で解説しています。

例2:時間帯で分ける

平日の日中は自社のスタッフが受け、混み合ったときにあふれた電話や、昼休みの電話は電話代行に任せ、夜間や休日はAI電話受付で用件を記録する、という分け方です。時間帯ごとに、電話の性格と、使える人手に合わせて受け方を変えます。

例3:一次対応と二次対応で分ける

まずAI電話受付が用件を聞き取って分類し、人の対応が必要な電話だけを人に引き継ぐ、という分け方です。人が対応する電話の数を減らしつつ、人が必要な電話には人が対応できます。

組み合わせるときの注意点

組み合わせると、電話の流れが複雑になります。かけてきた人が、どこにつながるのかわからずに迷ったり、同じ説明を何度も繰り返したりすることがないよう、全体の流れを図にして確かめておきましょう。

また、記録が複数の場所に分かれると、対応の漏れが起きやすくなります。電話代行からの報告と、AI電話受付の記録を、どこで、誰が確認するのかを決めておくことが大切です。

自社に合うのはどちら?判断の目安

最後に、ここまでの内容をもとに、どちらが向いているかの目安を整理します。あくまで目安なので、実際には自社の電話の記録をもとに判断してください。

電話代行が向いていそうなケース

AI電話受付が向いていそうなケース

組み合わせが向いていそうなケース

まずは電話の記録から

どれが向いているかを判断するには、まず自社の電話の実態を知ることが近道です。一週間ほど、電話の用件、時間帯、その場で人の判断が必要だったかどうかを記録してみましょう。出られなかった電話がどれくらいあるかも把握しておくと、どれくらいの手当てが必要かが見えてきます。出られなかった電話の影響は、取りこぼした電話の損失の記事で整理しています。

業種別に見る考え方の例

電話の性格は業種によって大きく違います。ここでは、いくつかの業種を例に、電話代行とAI電話受付をどう考えればよいかのヒントを紹介します。あくまで考え方の例であり、同じ業種でも事業者ごとに電話の実態は異なります。

予約制の店舗(美容室、整体、サロンなど)

予約の電話と、営業時間や場所の問い合わせが中心になりやすい業種です。施術中は電話に出られないことが多く、取りこぼしが予約の機会の損失につながります。決まった答えの問い合わせはAI電話受付の自動の案内で、予約の希望は聞き取って記録し、スタッフが折り返して確定する、という形が考えやすいでしょう。

士業の事務所(法律、税務、労務など)

相談の内容が個別で、相手が不安を抱えていることも多い業種です。初めての問い合わせでは、相手の事情を丁寧に聞き取ることが求められます。人が受ける電話代行や、事務所のスタッフによる対応が中心になりやすい一方、営業時間や相談の申し込み方法の案内、時間外の用件の記録には、自動の仕組みも使えます。

工事・修理の事業者

現場に出ていて電話に出られない時間が長く、急ぎの修理の依頼が入ることもある業種です。急ぎの用件は担当者の携帯電話に直接つなぐ、急ぎでない見積もりの依頼は聞き取って記録する、といった振り分けが役に立ちます。急ぎの依頼に人がすぐ対応できる体制があるかどうかで、電話代行とAI電話受付のどちらを中心にするかが変わってきます。

ネットショップ・通信販売

注文の状況、配送、返品の手続きなど、決まった答えのある問い合わせが多い業種です。手続きの案内はAI電話受付の自動の案内に向いており、個別の事情がある問い合わせは担当者への引き継ぎや折り返しにする、という分け方が考えられます。

医療・介護

症状や体調に関わる相談が含まれるため、電話の仕組みに判断をさせない設計がとりわけ大切な業種です。どちらを選ぶ場合も、予約の確定や医療的な判断はスタッフが行い、電話の仕組みは用件の聞き取りと引き継ぎにとどめます。記録に含まれる情報の扱いにも、特に注意が必要です。

切り替えや導入の進め方

電話代行からAI電話受付に切り替える場合も、新しく導入する場合も、いきなり全面的に変えるのではなく、段階的に進めるのが安全です。

手順1:現状の電話を記録する

一週間ほど、電話の用件、時間帯、その場で人の判断が必要だったかを記録します。電話代行を使っている場合は、代行事業者からの報告を集計すると、用件の傾向がつかめます。

手順2:用件ごとの受け方を決める

記録をもとに、自動で案内する用件、聞き取って折り返す用件、人がその場で対応する用件に分けます。この段階で、電話代行とAI電話受付のどちらをどこに使うかの方針が見えてきます。

手順3:一部から試す

夜間だけ、昼休みだけ、特定の用件だけ、というように範囲を絞って試します。電話代行と契約している場合は、契約の条件を確認したうえで、並行して試せる範囲を決めましょう。試す前には、社内のスタッフがテストの電話をかけて、案内や記録の流れを確認しておきます。

手順4:記録を見て広げる

試した結果を記録で確認し、案内のわかりにくさや、引き継ぎの漏れがないかを確認します。問題がなければ、範囲を少しずつ広げていきます。

手順5:社内の役割を決め直す

電話の受け方が変われば、社内の役割も変わります。記録を確認する人、折り返す人、案内の内容を更新する人を決めておくことで、新しい受け方が定着しやすくなります。

導入前に確認したいチェックリスト

電話代行とAI電話受付のどちらを選ぶ場合でも、導入前に確認しておきたい項目をまとめておきます。

共通の確認事項

電話代行で確認したいこと

AI電話受付で確認したいこと

AI-SNS.IO Callでできること

AI-SNS.IO Callは、電話の受け方を自社で設定できるクラウドの電話サービスです。IVRのメニューと着信のルーティング、営業時間に合わせた応答の切り替え、キューごとの留守番電話、IVRのメニューからの折り返しの依頼、名前で担当者を呼び出すディレクトリ、ブラウザで電話を受けられるソフトフォン、AIによる通話の要約などを組み合わせて使えます。日本の電話番号の提供は準備中です。現在はデモで着信をシミュレーションして体験できます。

電話代行のように外部のオペレーターが応答するサービスではありませんが、自社のスタッフが受けるべき電話を振り分け、出られない電話を記録として残す仕組みを、自分たちで作ることができます。予約や契約の確定は、自社のスタッフが行います。AIによる一次応答を含め、現在利用できる機能は機能一覧で、設定の手順は使い方ガイドで確認してください。実際に試してみたい場合は、アカウント登録から始められます。

比べるときに陥りやすい誤解

最後に、電話代行とAI電話受付を比べるときに、よく見られる誤解を取り上げておきます。

誤解1:AI電話受付なら、すべての電話を任せられる

AI電話受付が得意なのは、決まった答えのある案内と、用件の聞き取り・記録です。予約や契約の確定、専門的な判断、感情への配慮が必要な対応は、引き続き人の仕事です。AIに任せる範囲と、人が担う範囲を決めておかなければ、かえってお客様の不満を招くことがあります。

誤解2:電話代行なら、自社は何もしなくてよい

電話代行を使っても、報告を受け取ってからの折り返しや対応は自社で行う必要があります。オペレーターに業務を理解してもらうためのマニュアル作りや、内容が変わったときの更新も欠かせません。外部に任せられるのは、あくまで電話を受ける部分です。

誤解3:月々の料金だけで比べればよい

料金の金額だけを比べると、電話の量が変わったときの費用の変化や、社内で発生する手間を見落としがちです。案内の変更にかかる時間、報告の確認や折り返しにかかる時間など、自社の側の負担も含めて考えることが大切です。

誤解4:一度決めたら変えられない

電話の受け方は、事業の変化に合わせて見直していくものです。最初は一部の時間帯だけ試してみる、組み合わせの比率を変えていく、といった段階的な進め方もできます。契約の期間や条件を確認したうえで、小さく始めて様子を見るのも一つの方法です。

AI電話受付の疑問をまとめて確認もあわせてご覧ください(電話代行とAI電話受付の違い|選び方の判断軸を7つで比較からの関連案内)。

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よくある質問

電話代行とAI電話受付の一番の違いは何ですか?

電話を受けるのが「人」か「仕組み」かという点です。人が受ける電話代行は、柔軟な受け答えとその場の判断に強みがあります。仕組みが受けるAI電話受付は、同じ案内を安定して繰り返すことと、通話の記録を残すことに強みがあります。この違いが、対応時間、品質、引き継ぎ、記録、運用、費用の考え方のすべてに影響します。

AI電話受付は電話代行の代わりになりますか?

電話の性格によります。決まった答えのある問い合わせや、用件の聞き取りと記録が中心であれば、AI電話受付で対応できる部分は多いでしょう。一方、個別の事情を聞く必要がある電話や、感情への配慮が必要な電話が多い場合は、人の対応が欠かせません。用件や時間帯で組み合わせる方法もあります。

夜間や休日の電話には、どちらが向いていますか?

夜間や休日の電話を、その場で人が対応する必要があるかどうかで変わります。用件を記録して翌営業日に対応すればよい電話が中心なら、AI電話受付で用件を受け止める方法が考えられます。夜間でも人の判断が必要な電話が多いなら、夜間に対応している電話代行や、自社の当番の体制を検討することになります。

AI電話受付は予約を確定してくれますか?

この記事で紹介している考え方では、AI電話受付は予約を確定しません。希望の日時などを聞き取って記録し、自社のスタッフが確認して確定します。電話代行の場合も、予約の確定をどこまで任せるかは契約や運用によりますが、最終的な判断は自社で行うのが基本です。

電話代行とAI電話受付を併用できますか?

できます。決まった答えの用件はAI電話受付の自動の案内で、個別の相談は人で、といった用件による分け方や、時間帯による分け方が考えられます。併用する場合は、かけてきた人が迷わないように全体の流れを確かめ、記録をどこで誰が確認するかを決めておきましょう。

費用はどちらが安いですか?

サービスや電話の量、必要な対応の範囲によって大きく変わるため、一概には言えません。電話代行は人が対応する量に応じて費用が増えやすい構造、AI電話受付は仕組みの利用料と通話の量や機能に応じた料金の組み合わせが多い構造です。月々の料金だけでなく、電話の量が変わったときの変化や、社内の手間も含めて比べましょう。

小さな会社には、どちらが向いていますか?

小さな会社では、電話に出る人が限られるため、出られない電話をどう受け止めるかが課題になりがちです。決まった問い合わせが多いならAI電話受付、個別の相談が多いなら電話代行が候補になります。まずは一週間ほど電話の用件を記録し、どちらの性格の電話が多いかを確かめるのがおすすめです。

AI電話受付の聞き取りが間違っていたらどうなりますか?

聞き取りの誤りは起こりうるものとして設計しておくことが大切です。名前や日時などの大事な情報は復唱して確認する、記録はスタッフが確認したうえで対応する、確定は人が行う、という流れにしておけば、誤りに気づきやすくなります。通話の文字起こしや要約を確認できる仕組みも役立ちます。

電話代行に切り替える前に、確認しておくべきことは何ですか?

対応できる時間帯と同時に受けられる電話の数、対応できる用件の範囲、報告の形式と急ぎの連絡手段、個人情報の取り扱い、費用の構造、契約期間と解約の条件などを確認しましょう。オペレーターに業務を理解してもらうためのマニュアルを、どう作り、どう更新するかも大切です。

AI電話受付を選ぶときに、確認しておくべきことは何ですか?

案内の内容やメニューを自社でどこまで設定・変更できるか、聞き取りの誤りに備えた確認の仕組みがあるか、AIが答えられないときの人への引き継ぎ方法、通話の文字起こしや要約を確認できるか、予約の確定や専門的な判断をAIにさせない設定ができるか、などを確認しましょう。

お客様は、AIが応答することを嫌がりませんか?

感じ方は人によってさまざまです。案内を短くわかりやすくする、用件が早く片付くようにする、「人と話したい」という希望があれば人につなぐか折り返しにする選択肢を用意しておく、といった工夫で、不満を感じにくくすることができます。運用を始めたら、途中で切られている電話の傾向などを見て改善していきましょう。

電話代行とAI電話受付、どちらが早く始められますか?

サービスや設定の範囲によって変わります。電話代行は、マニュアルを用意して転送を設定すれば始められることが多い一方、オペレーターが業務を理解するまでに時間がかかることがあります。AI電話受付は、案内の内容やメニューを自社で設定する時間が必要ですが、小さな範囲から試して少しずつ広げることができます。

今のまま自社で電話を受け続けるのは問題ですか?

問題があるとは限りません。出られない時間がほとんどなく、電話による業務の中断も負担になっていないのであれば、今の受け方を続けるのも一つの判断です。電話代行やAI電話受付は、出られない電話や中断の負担が課題になっているときに検討する手段だと考えてください。

電話代行のオペレーターとAI、どちらが聞き間違いが少ないですか?

一概には言えません。人のオペレーターは、聞き取りにくいときに自然に聞き返したり、文脈から推し量ったりできます。AIの聞き取りは、固有名詞や数字、周囲の雑音などで誤りが起きることがあります。どちらの場合も、名前や日時などの大事な情報は復唱して確認する運用にしておくと安心です。

電話代行とAI電話受付で、記録の残り方はどう違いますか?

電話代行では、オペレーターがまとめた報告が記録として届くのが一般的です。AI電話受付では、決めた項目に沿った記録に加えて、通話の文字起こしや要約、録音などを残せる仕組みが多くあります。後から相手の言葉をそのまま確かめたい場合は、記録の残り方を事前に確認しておきましょう。

繁忙期だけ使うことはできますか?

サービスの契約条件によりますが、繁忙期だけ電話代行の範囲を広げる、繁忙期だけAI電話受付の自動の案内を厚くする、といった使い方が考えられます。AI電話受付は案内の内容を自社で切り替えやすいため、季節ごとの調整に向いています。契約の期間や条件は、事前に確かめてください。

比較のために、何から調べればよいですか?

まずは自社の電話の実態を把握することから始めましょう。一週間ほど、用件、時間帯、その場で人の判断が必要だったか、出られなかった電話がどれくらいあったかを記録します。そのうえで、この記事の七つの判断軸に沿って、各サービスの説明を確かめていくと、比較の観点がぶれにくくなります。

電話代行からAI電話受付に切り替えるとき、お客様に知らせるべきですか?

電話番号が変わらない場合でも、案内の仕方が変わることで、かけてくる人が戸惑うことがあります。取引先など頻繁に電話をかけてくる相手には、事前に一言伝えておくと安心です。切り替えた後も、途中で切られている電話の傾向などを見て、案内の改善を続けましょう。

AI-SNS.IO Callは電話代行サービスですか?

AI-SNS.IO Callは、外部のオペレーターが応答する電話代行サービスではありません。IVRのメニュー、営業時間に合わせた応答の切り替え、留守番電話、折り返しの依頼、AIによる通話の要約などを組み合わせて、電話の受け方を自社で設定できるクラウドの電話サービスです。現在利用できる機能は機能一覧で確認してください。日本の電話番号の提供は準備中です。現在はデモで着信をシミュレーションして体験できます。

まとめ

電話代行とAI電話受付は、どちらも「出られない電話を受け止める」という同じ目的を持ちながら、仕組みも得意なことも大きく異なります。人が受ける電話代行は柔軟さとその場の判断に、仕組みが受けるAI電話受付は安定した案内と記録に強みがあります。

選ぶときは、対応できる時間帯、応答品質の安定性、担当者への引き継ぎ、記録と情報管理、運用負荷、柔軟性、費用構造の考え方という七つの判断軸で、自社の電話の性格と照らし合わせてみてください。どちらか一方に決める必要はなく、用件や時間帯で組み合わせるという選択肢もあります。

そして、どちらを選ぶ場合でも、予約や契約の確定、専門的な判断は自社のスタッフが担うという点は変わりません。まずは自社にかかってくる電話を一週間記録するところから始めてみましょう。電話の実態が見えれば、自社に合った受け方は自然と絞り込まれていきます。

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