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不動産のAI電話対応|物件・内見の問い合わせ

AI-SNS.IO 編集部 · 公開

不動産のAI電話対応|物件・内見の問い合わせ(AI-SNS.IO Call ブログ)

不動産会社の電話は、店舗に人がいるときほど鳴らず、人がいないときほど鳴る、と感じている方も多いのではないでしょうか。営業の担当者は、内見の案内や物件の確認、契約の立ち会いで外出していることが多く、店舗に残ったスタッフは、来店のお客様の接客をしています。そこに「ポータルサイトで見た物件はまだ空いていますか」「今週末に内見できますか」という電話が入ります。

物件を探しているお客様は、気になる物件をいくつも並べて、複数の会社に同時に問い合わせていることがあります。電話がつながらない、折り返しが翌日になる、という間に、ほかの会社で内見の予約を入れてしまうかもしれません。一方で、管理している物件の入居者や、家主からの電話も同じ番号に入り、どれが急ぐ電話なのかが分かりにくくなります。

この記事では、不動産会社の電話対応に、IVR(自動音声応答)やAIによる一次応答を取り入れる方法を解説します。よくある課題と問い合わせの分類、営業時間外や繁忙時の受け方、設計の例、担当者への引き継ぎ、個人情報の扱い、導入の進め方を順に紹介します。物件の空きや条件を確認して答えること、内見や契約を確定することは担当者が行うことを前提に、自動化してよい範囲を考えます。

不動産会社の電話対応で起きがちな課題

担当者が外出していることが多い

不動産会社の営業の担当者は、一日の多くの時間を店舗の外で過ごします。内見の案内、物件の写真の撮影、現地の確認、役所での調査、契約や引き渡しの立ち会いなどです。担当者あての電話が店舗に入っても、本人はその場で出られず、スタッフが伝言を受けて担当者に連絡する、という手間が生じます。伝言が口頭やメモで伝わると、内容が抜けたり、伝わるのが遅れたりします。

物件の問い合わせは「早さ」が大事

賃貸の物件を探しているお客様は、気になる物件が埋まってしまう前に、と急いでいることがあります。問い合わせへの返事が遅いと、ほかの会社に流れやすくなります。一方で、物件の空きの状況は日々変わるため、確かめずに「空いています」と答えると、後で行き違いになります。早く返したいが、確かめないと答えられない、というのが物件の問い合わせの難しさです。

賃貸、売買、管理の電話が同じ番号に入る

賃貸の仲介、売買の仲介、管理を兼ねている会社では、物件を探している人、家を売りたい人、管理物件の入居者、家主、取引先の業者など、さまざまな人が同じ番号に電話をかけてきます。担当の部署や担当者が違うのに、最初に出たスタッフが用件を聞いて振り分ける必要があり、スタッフの手が止まります。

定休日と営業時間外の電話

不動産会社は、平日のうち一日か二日を定休日にしているところが多くあります。仕事帰りや休日に物件を探すお客様は、会社の定休日や夜間に電話をかけてくることがあります。定休日の電話を留守番電話だけで受けていると、用件の記録が残らないまま、機会を逃してしまうことがあります。

管理物件の入居者からの連絡

管理物件を持っている会社では、入居者から、設備の故障、水漏れ、鍵の紛失、騒音などの連絡が入ります。水漏れのように急ぐものもあり、物件の問い合わせと同じ流れで受けていると、対応が遅れるおそれがあります。管理物件の電話の受け方は、賃貸管理会社の電話対応で詳しく紹介しています。

営業や勧誘の電話

不動産会社には、広告や仕入れの営業、投資の勧誘など、取引に関係のない電話も多く入ります。こうした電話にスタッフが毎回出ていると、本来のお客様の電話に割く時間が減ります。

課題の整理

課題起きること対策の方向
担当者の外出伝言の手間、伝わる遅れ聞き取りの記録を担当者に直接届ける
物件の問い合わせの早さほかの会社に流れる聞き取りを早く確かめ、確かめてから折り返す
賃貸・売買・管理の混在振り分けの手間最初の案内で用件を分ける
定休日・営業時間外機会を逃すボイスメールで受け、営業日の朝に折り返す
管理物件の急ぎの連絡対応が遅れる管理物件の番号を分け、緊急の窓口を案内
営業や勧誘スタッフの時間が減るボイスメールで受け、必要なものだけ返す

少人数の店舗での電話の整え方は、小さな会社の電話対応も参考になります。

物件の問い合わせ、内見、売却の相談、取引中、管理物件、決まった答えの対応の比較
図1:不動産会社の電話の分類

よくある問い合わせの分類

分類の考え方

不動産会社の電話は、「誰からの電話か」と「急ぐか」で分けると、振り分けの設計がしやすくなります。

分類例急ぐか対応
物件の問い合わせ(賃貸)この物件は空いているか、初期費用はどのくらいか早めに担当者。出られなければ聞き取り、確かめて折り返す
内見の予約今週末に内見したい早めに担当者が日程を確認して確定
売却や査定の相談家を売りたい、査定してほしい急がない売買の担当者。聞き取り、担当者が折り返す
購入の相談この土地について知りたい、住宅ローンの相談急がない売買の担当者
契約中・手続き中のお客様契約の書類の件、鍵の受け渡しの日程内容による担当者
管理物件の入居者水漏れ、設備の故障、鍵の紛失内容による管理の担当。急ぐものは緊急の窓口
家主空室の状況、修繕の相談内容による管理の担当
決まった答え営業時間、定休日、店舗の場所、駐車場急がない自動の案内
営業・勧誘広告の営業、投資の勧誘急がない聞き取り

電話を数える

一、二週間、分類と時間帯ごとに電話を記録します。担当者が外出していて出られなかった件数、定休日にかかってきた件数を、特に記録しておきます。

分類件数担当者が不在だった件数定休日・営業時間外の件数
物件の問い合わせ
内見の予約
売却・購入の相談
管理物件の入居者
家主
営業・勧誘

物件の問い合わせで聞く項目を決めておく

物件の問い合わせは、聞く項目を決めておくと、折り返しの電話が一度で済みやすくなります。

物件の番号が分かると、担当者がすぐに物件を特定できます。自動の案内で「ポータルサイトの物件番号がお分かりの方は、お話しください」と伝えておくと、聞き取りの記録が役立つものになります。

営業時間外・繁忙時の受け方

定休日と夜間は「ボイスメールで用件を受けて、営業日の朝に返す」

定休日や営業時間外の電話は、自動の案内とボイスメールで受け、営業日の朝に担当者が折り返す流れが基本です。案内では、次の点を伝えます。

  1. 本日は定休日、または営業時間外であること
  2. 次の営業日と時刻
  3. 管理物件の入居者の方で、急ぎの設備のトラブルの場合の連絡先(緊急の窓口がある場合)
  4. 物件の問い合わせや内見の希望は、ボイスメールで受け、次の営業日に連絡すること
  5. ホームページの問い合わせのフォームがある場合は、その案内

定休日の聞き取りの記録は、営業日の朝に、担当者ごとに分けて確かめます。前の日の夜にポータルサイトで物件を見て電話をかけてきたお客様には、午前中のうちに返事をすると、ほかの会社より早く内見の約束ができることもあります。営業時間のルールの設定は、IVRの営業時間ルーティングで詳しく紹介しています。

繁忙期の受け方

賃貸の仲介では、新しい生活が始まる前の時期に、物件の問い合わせと来店が大きく増えます。この時期は、店舗のスタッフも担当者も、接客と内見の案内で手が離せません。

繁忙期には、次の工夫をします。

担当者が外出中の受け方

担当者あての電話は、担当者の携帯の電話に転送する方法と、ボイスメールで用件を受けて担当者に記録を届ける方法があります。内見の案内中や運転中は、転送しても出られないことが多いため、聞き取りの記録を担当者のスマートフォンに届け、区切りで確認して折り返す流れが現実的です。

担当者を名前で呼び出せるようにしておくと、取引中のお客様が、担当者に直接用件を伝えられます。名前で呼び出す仕組み(ダイヤルバイネーム)を使う場合は、担当者が不在のときに、その担当者あての聞き取りに切り替わるように設定します。

IVRとAI一次応答の設計例

賃貸の仲介を中心にした店舗のメニューの例

説明のための架空の例として、賃貸の仲介と管理を行う店舗のメニューを示します。

お電話ありがとうございます。〇〇不動産です。お部屋探し、物件のお問い合わせ、内見のご予約は1を、ご契約中、お手続き中のお客様は2を、当社管理の物件にお住まいの方は3を、オーナー様は4を、営業時間、店舗の場所のご案内は5を押してください。

番号営業時間内定休日・営業時間外
1仲介のスタッフ。出られなければ聞き取り聞き取り。営業日の朝に折り返す
2担当者を名前で呼び出す。不在なら担当者あての聞き取り聞き取り
3管理の担当緊急の窓口の案内と聞き取り
4管理の担当聞き取り
5自動の案内自動の案内

売買を中心にした店舗のメニューの例

お電話ありがとうございます。〇〇不動産です。土地や建物の売却、査定のご相談は1を、ご購入のご相談、物件のお問い合わせは2を、お取引中のお客様は3を、営業時間、店舗の場所のご案内は4を押してください。

売却の相談は、物件の場所や築年数、売却の時期の希望など、聞き取る項目が多く、急ぐものではないことが多いため、聞き取りで概要を受けて、担当者が時間をとって折り返す流れが向いています。

AI一次応答を組み合わせる場合

番号を押す代わりに、AIの一次応答で用件を話してもらう方法もあります。「ポータルサイトで見た、駅から徒歩五分の1LDKの物件について聞きたい」と話してもらえれば、AIは物件の問い合わせとして分類し、物件の番号や希望の入居の時期を聞き取って、仲介の担当に届けられます。「店舗に駐車場はありますか」という質問には、会社が登録した情報をもとに答えられます。

不動産会社でAIの一次応答を使う場合は、次の点を決めておきます。

AIの一次応答で扱える範囲は、使うサービスの仕様によって変わります。AI電話受付の全体像はAI電話受付とはで整理しています。

スタッフへの引き継ぎと確定は人が行う

物件の空きと条件の確認

物件の問い合わせを受けたら、担当者が物件の空きの状況と条件を確認してから折り返します。ほかの会社が管理する物件の場合は、管理する会社や家主に確かめる必要があることもあります。確かめた結果、すでに申し込みが入っていた場合は、そのことを正直に伝え、近い条件の物件を提案します。

内見の確定

内見の日時は、担当者の予定、鍵の手配、物件の状況(入居中かどうか、清掃が済んでいるかどうか)を確認してから確定します。入居中の物件では、今の入居者の都合も確かめる必要があり、確定までに時間がかかることを伝えておきます。聞き取りの段階では、希望の日時を第二の希望まで聞いておくと、確定の折り返しが一度で済みやすくなります。

契約と手続き

申し込み、審査、契約、鍵の受け渡しにかかわる連絡は、取引の担当者が対応します。電話の聞き取りや自動の案内で、審査の結果や契約の条件について答えることはありません。

内見の当日の連絡

内見の当日には、「待ち合わせの場所が分からない」「十分ほど遅れる」といった連絡が入ります。担当者はすでに現地に向かっているか、前の内見の案内をしていることが多いため、当日の内見の連絡は急ぎとして扱い、担当者に最も早く届く方法を決めておきます。内見の約束をするときに、当日の連絡は担当者の直通の番号や、最初の案内のどの番号にかければよいかを伝えておくと、行き違いを防げます。

審査の結果や手続きの進み具合の問い合わせ

申し込みの後には、「審査の結果はいつ分かりますか」「契約の日はいつになりますか」という問い合わせが入ります。審査の結果は家主や保証の会社などの判断によるもので、電話の自動の案内やAIで答えるものではありません。ボイスメールで用件を受けて担当者に届け、担当者が状況を確認して折り返します。結果が出る時期の目安を、申し込みのときに担当者から伝えておくと、問い合わせの電話を減らせます。

引き継ぎで伝える項目

用件聞き取る項目
物件の問い合わせ名前、電話番号、物件の番号や名前、どこで見たか、入居の希望の時期、内見の希望
内見の予約名前、電話番号、物件、希望の日時(第二の希望も)、人数
売却の相談名前、電話番号、物件の所在地のおおまかな地域、物件の種類、相談の概要、連絡のつきやすい時間帯
取引中のお客様名前、電話番号、担当者の名前、用件の概要
家主名前、電話番号、物件、用件の概要

折り返しの順番

  1. 取引中のお客様の急ぎの連絡(鍵の受け渡しの日程など)
  2. 管理物件の急ぎの連絡(緊急の窓口で受けていないもの)
  3. 物件の問い合わせと内見の予約
  4. 売却や購入の相談
  5. その他

物件の問い合わせは早さが大事なため、聞き取りの記録が届いたら、なるべく早く返す目安(たとえば営業時間内なら数時間以内)を決めておきます。

折り返しの電話のかけ方

物件の問い合わせへの折り返しは、お客様が複数の会社を比べている最中の電話です。短く、要点のはっきりした電話にすると、印象に残ります。

  1. 名乗りと物件の確認:「〇〇不動産の〇〇です。昨夜お問い合わせいただいた、〇〇駅の1LDKの物件の件でお電話しました」と、記録をもとに物件を確認します。
  2. 空きの状況を伝える:確かめた結果を伝えます。申し込みが入っていた場合は、そのことを正直に伝えます。
  3. 内見の日時を決める:希望の日時が合えば、その場で確定します。合わなければ、近い候補を示します。
  4. 待ち合わせの場所と持ち物を伝える:現地で待ち合わせるのか、店舗に来てもらうのかを伝えます。
  5. つながらない場合:留守番電話には会社の名前と、物件の件であることだけを残し、もう一度かける時間の目安を伝えます。メッセージや電子メールでの連絡を希望していた場合は、その方法でも連絡します。

折り返しの電話の番号が、会社の番号として表示されるかも確かめておきます。担当者の個人の携帯から折り返すと、知らない番号として出てもらえないことがあります。

物件の問い合わせの聞き取りシート

聞き取りの記録を担当者が確かめるとき、項目がそろっているかを一目で見られるように、シートの形で整理しておくと便利です。

項目記入の例
受けた日時〇月〇日 〇時〇分(定休日)
お客様の名前・電話番号
物件物件の番号、または名前と最寄りの駅
どこで見たか自社のホームページ、ポータルサイト、店頭の掲示
入居の希望の時期来月の中ごろ、など
内見の希望希望の日時(第二の希望も)
連絡の方法電話、メッセージ、電子メール。つきやすい時間帯
確かめた結果空き・申し込みあり・募集終了
折り返した日時と結果内見の約束、つながらず、など

下の三つの行は、担当者が折り返しの後で書き込む欄です。記録を残しておくと、ほかのスタッフがお客様から電話を受けたときにも、経緯が分かります。

個人情報と記録の扱い

不動産の取引で扱う情報

不動産会社の電話では、名前や電話番号のほか、今の住まい、引っ越しの理由、勤務先、収入、家族の構成、売却したい物件の住所やローンの残りなど、とても立ち入った情報が話されることがあります。電話の録音、文字起こし、要約、聞き取りの記録が残る場合は、その扱いを決めておきます。

個人の情報の扱いについては、個人情報保護委員会のウェブサイトで、法律やガイドラインの内容を確認できます。この記事の内容は一般的な情報の紹介であり、法的助言ではありません。不動産の取引にかかわる法令上の扱いは、業界団体や専門家などに確認してください。

電話で聞く情報を絞る

最初の問い合わせの電話で、収入や勤務先、家族の詳しい事情まで聞く必要はありません。聞き取りでは、連絡と物件の特定に必要な項目だけを聞き、申し込みや審査に必要な情報は、手続きの段階で、決まった書類や方法で受け取ります。売却の相談でも、最初の聞き取りでは物件のおおまかな地域と種類だけを聞き、詳しい住所やローンの状況は、担当者が直接うかがいます。

決めておくこと

決めること確かめる問い
残るもの録音、文字起こし、要約、聞き取りの記録のどれが残るか
見られる人担当者だけか、店舗の全員か、管理の部署も見るか
保存の期間どのくらい残し、その後どうするか
顧客の管理との関係電話の記録を、顧客の管理の仕組みにどうつなぐか
お客様への伝え方録音や記録をしていることを、どう伝えるか

担当者のスマートフォンでの扱い

聞き取りの記録を担当者のスマートフォンに届ける場合は、画面のロック、端末をなくしたときの対応、内見の案内中にお客様の前で別のお客様の記録を開かない、といった点に気をつけます。

導入の進め方

ステップ1:電話を記録する

一、二週間、分類と時間帯ごとに電話を記録します。担当者が不在だった件数、定休日や営業時間外の件数を、特に確かめます。

ステップ2:用件の分け方を決める

賃貸、売買、取引中、管理物件、家主など、自社の事業に合わせて、最初の案内で分ける用件を決めます。選択肢は多くても五つほどに絞ります。

ステップ3:任せる範囲を決める

分類ごとに、自動で案内する、聞き取って担当者が折り返す、すぐに担当者につなぐ、のどれにするかを決めます。管理物件の急ぎの連絡を、どの窓口で受けるかも決めます。

ステップ4:案内の情報を整える

営業時間、定休日、店舗の場所、駐車場、来店の予約の方法、ホームページの問い合わせのフォームの案内などを書き出します。ホームページやポータルサイトに載せている会社の情報と食い違いがないかを確認します。

ステップ5:聞き取りの記録の届け方を決める

聞き取りの記録を、誰の、どの端末に、どのように届けるかを決めます。担当者ごとに届けるのか、店舗でまとめて確かめて振り分けるのかを決め、物件の問い合わせを確認する時間の目安も決めます。

ステップ6:試験の電話をかける

スタッフがお客様の役になって、物件の問い合わせ、内見の予約、売却の相談、取引中の連絡、管理物件の水漏れ、家主の連絡、定休日の電話をかけ、それぞれが決めたとおりに流れるかを確認します。

ステップ7:定休日から始める

最初は、定休日と営業時間外の案内と聞き取りから始め、問題がないことを確認してから、営業時間内の振り分けに広げます。

ステップ8:記録を見て直す

聞き取りから折り返しまでの時間、内見の予約になった件数、お客様の声を見て、案内の言葉や振り分けを直していきます。

記録、用件の分け方、範囲、情報、届け方、試験、定休日から、直すの八つの手順
図2:不動産会社で導入を進める手順

不動産会社ならではの工夫

ポータルサイトの物件番号を手がかりにする

ポータルサイトから電話をかけてくるお客様は、物件の番号を画面で見ていることが多くあります。案内で物件の番号を話してもらうよう伝えておくと、担当者が物件をすぐに特定でき、折り返しが早くなります。物件の番号が分からない場合は、物件の名前、最寄りの駅、家賃のおおよその額など、特定の手がかりになる項目を聞きます。一つの電話で複数の物件を聞かれた場合も、物件ごとに番号や手がかりを記録しておくと、担当者がまとめて確かめられます。

募集が終わった物件の問い合わせ

すでに申し込みが入った物件や、募集が終わった物件の問い合わせも入ります。こうした問い合わせでも、お客様の希望の条件を聞いておけば、近い条件の物件を提案するきっかけになります。募集の状況が変わったら、ホームページやポータルサイトの掲載をすぐに直すことが大切です。掲載を直すのが遅れると、問い合わせの電話が増えるだけでなく、お客様の信頼も損ないます。

売却の相談を受けるときの注意

売却の相談では、お客様から「だいたいいくらで売れますか」と聞かれることがあります。査定の額は、物件の状態や周辺の取引の状況を担当者が調べたうえで示すものであり、電話の自動の案内やAIで答えるものではありません。聞き取りでは、物件のおおまかな地域と種類、売却を考えている時期、相談の概要だけを聞き、担当者が時間をとって折り返します。

売却の相談の背景には、相続、住み替え、離婚、ローンの返済など、お客様にとって話しにくい事情があることも少なくありません。最初の電話では事情を詳しく聞かず、担当者が直接うかがう場を設けるほうが、お客様も安心して話せます。相続や税金にかかわる相談が含まれる場合は、必要に応じて、専門家への相談をすすめます。

来店の予約を受ける

物件を探しているお客様に、来店の予約をしてもらう会社もあります。来店の予約の希望をボイスメールで受け、担当者が日時を確認して確定すれば、来店の時間に担当者が店舗にいるように予定を組めます。来店の前に、希望の条件を聞き取っておけば、当日の物件の提案の準備もできます。

取引中のお客様を担当者につなぐ

申し込みから契約、引き渡しまでの間、お客様は担当者と何度も連絡をとります。取引中のお客様が担当者に直接つながる番号を持っていれば、店舗のスタッフを経由する手間が省けます。担当者の名前で呼び出せる仕組みや、担当者の直通の番号を使う方法があります。

内見の後のお礼と次の連絡

内見の後に、担当者から「本日はありがとうございました」と連絡し、物件についての質問や、申し込みの意思を確認する会社もあります。この連絡が担当者の外出中にお客様から返ってきた場合も、ボイスメールで用件を受けて担当者に届けておけば、申し込みの機会を逃しにくくなります。

遠方からのお部屋探し

転勤や進学で、遠方からお部屋を探すお客様もいます。現地に来られる日が限られているため、一日に複数の物件をまとめて内見したい、来る前に動画や写真で詳しく確かめたい、という希望がよくあります。聞き取りでは、現地に来られる日、まとめて見たい物件の数、引っ越しの時期を聞いておくと、担当者が内見の順番や移動の時間を組みやすくなります。動画での案内や、書類の郵送でのやりとりに対応している場合は、そのことを案内で伝えます。対応していない場合は、案内で約束しないようにします。

法人の社宅の問い合わせ

企業の総務の担当者から、社員の社宅の物件の問い合わせが入ることもあります。法人の契約は、個人の契約と手続きや必要な書類が違うことが多く、担当者を決めて対応している会社もあります。法人の問い合わせを一般の問い合わせと分けたい場合は、聞き取りで会社の名前と担当者の名前、希望の条件、入居の時期を聞き、法人の担当者に届けます。

取引先への周知

電話の仕組みを変えると、管理の会社、ほかの仲介の会社、修繕の業者など、取引先からの電話の流れも変わります。取引先の多くは、物件の確認や鍵の手配などで、決まった担当者と話したいはずです。仕組みを変える前に、主な取引先には、担当者の直通の番号や、最初の案内のどの番号を選べばよいかを伝えておきます。業者からの電話が一般のお客様の聞き取りに混ざらないよう、業者向けの選択肢を設けるか、直通の番号を使ってもらうのも一つの方法です。

家主との連絡

管理を任されている物件の家主からの電話は、空室の状況、家賃の入金、修繕の相談など、内容がさまざまです。家主の電話は一般のお客様と分けて、管理の担当に届くようにしておくと、家主に安心してもらえます。家主からの連絡には、空室が長引いていることへの相談や、家賃の条件の見直しの相談など、物件の経営にかかわる話も含まれます。ボイスメールで受けた場合は、用件の概要と、家主の連絡のつきやすい時間帯を記録して、管理の担当が時間をとって折り返します。入居者の情報にかかわる問い合わせに答える前には、相手が家主本人であることを確認します。

案内の文章のひな形

説明のための例として、案内の文章を示します。〇の部分は、会社の情報に置き換えてください。

定休日の案内

お電話ありがとうございます。〇〇不動産です。本日は定休日です。次の営業は〇曜日の〇時からです。当社管理の物件にお住まいの方で、水漏れなど急ぎの設備のトラブルの方は、〇〇の窓口にご連絡ください。お部屋探しや物件のお問い合わせの方は、このあと、お名前、お電話番号、気になる物件の番号をお話しください。次の営業日の午前中にご連絡します。

担当者が外出中の案内

ただいま担当者が外出しております。お名前、お電話番号、ご用件をお話しください。担当者が確認して、ご連絡します。

物件の問い合わせの聞き取りの案内

お問い合わせの物件の番号、または物件の名前と最寄りの駅をお話しください。続けて、ご入居の希望の時期と、内見のご希望があればご希望の日時をお話しください。物件の空きの状況は、担当者が確認してからご連絡します。

最後の一文で、空きの状況はまだ確かめていないことを伝えています。この一文があると、聞き取りの段階で物件が押さえられたと誤解されにくくなります。

案内の内容を古くしないために

自動の案内で伝える営業時間や定休日、店舗の場所、来店の予約の方法は、ホームページ、ポータルサイトの会社の情報、店頭の掲示と同じでなければなりません。たとえば、繁忙期だけ定休日を営業日にしたのに、電話の案内が「本日は定休日です」のままだと、来店しようとしたお客様をがっかりさせてしまいます。

案内の内容を変える場面は、定休日や営業時間の変更、年末年始や夏季の休業、店舗の移転、担当者の異動や退職、緊急の窓口の連絡先の変更などです。変更があったときに、どの場所を直すかの一覧を作り、直す担当を決めておくと、案内だけが古いまま残ることを防げます。担当者が退職したときは、その担当者を名前で呼び出す設定や、聞き取りの記録の届け先も、忘れずに直します。

よくある場面の対応例

ここでは、説明のための架空の例として、不動産会社でよくある場面と、電話の仕組みでの対応を示します。

場面1:定休日の夜の物件の問い合わせ

定休日の夜、ポータルサイトで物件を見たお客様から電話がありました。お客様は定休日の案内を聞き、物件の番号、入居の希望の時期、週末の内見の希望を話しました。翌朝、担当者は出社してすぐに記録を確認し、物件の空きを管理の会社に確かめてから、午前中に折り返し、週末の内見の約束をしました。

この場面のポイントは、物件の番号が聞き取りに入っていたことで、担当者が物件をすぐに特定できたことです。

場面2:内見の案内中の電話

担当者が別のお客様の内見の案内をしているときに、取引中のお客様から「鍵の受け渡しの日程を変えたい」という電話がありました。お客様は2を選び、担当者の名前を言いましたが、担当者は出られなかったため、担当者あての聞き取りに切り替わりました。担当者は内見の後、車に戻ったところで記録を確認し、折り返して日程を調整しました。

内見の案内中のお客様の前で電話に出ることなく、取引中のお客様の用件も受け止められました。

場面3:管理物件の水漏れ

日曜の夜、管理物件の入居者から「天井から水が垂れてきた」という電話がありました。お客様は3を選び、営業時間外の案内で、緊急の窓口の連絡先を聞きました。入居者は緊急の窓口に連絡し、窓口の手配で業者が向かいました。翌朝、管理の担当者は記録を確認し、入居者と上の階の入居者に連絡をとりました。

場面4:すでに申し込みが入った物件

お客様から問い合わせのあった物件を担当者が確かめたところ、前の日に申し込みが入っていました。担当者は折り返しの電話でそのことを伝え、お客様の希望の条件を聞いたうえで、近い条件の物件を二つ紹介しました。お客様はそのうちの一つの内見を希望しました。

聞き取りの段階で「空いています」と答えていなかったため、お客様との行き違いは起きませんでした。

店舗の一日の流れの例

説明のための架空の例として、担当者が三人の賃貸の仲介の店舗の一日を示します。

時間帯電話の流れスタッフの動き
開店の前前の夜と定休日の聞き取りの記録が届いている担当者ごとに記録を分け、物件の空きを確認する
午前物件の問い合わせは仲介のスタッフへ、出られなければ聞き取り前の夜の問い合わせに折り返し、内見の約束をする
昼から午後担当者の多くが内見の案内で外出店舗のスタッフは来店の接客、担当者は区切りで記録を確認する
夕方仕事帰りのお客様の問い合わせが増える店舗に戻った担当者が折り返す
閉店の後営業時間外の案内と聞き取りへ翌朝に返すものを確認しておく

一日に何回か、記録を確認する時刻を決めておくと、外出の多い日でも折り返しが遅れにくくなります。

スタッフへの共有と新しいスタッフの教育

電話の仕組みを変えたら、担当者、店舗のスタッフ、管理の担当の全員に、流れを共有します。次の内容を一枚にまとめておくと、新しいスタッフにも伝えやすくなります。

新しいスタッフには、試験の電話をかけて、記録がどこに届くかを体験してもらうと、流れを早く覚えられます。

繁忙期の前の準備

物件の問い合わせが増える時期の前には、次の準備をしておきます。

効果の確認方法と見直し

確かめること

確かめること見る方法
物件の問い合わせへの返事の早さ聞き取りから折り返しまでの時間
内見につながった割合物件の問い合わせのうち、内見の予約になった件数
担当者の負担内見や接客を中断して電話に出た回数
定休日の電話定休日の聞き取りの件数と、そこから内見や来店になった件数
お客様の声案内が分かりにくい、折り返しが遅いという声

つまずきやすいところ

つまずき起きること対策
聞き取りの記録が担当者に届かない折り返しが遅れる届け方を決め、確かめる時間を決める
物件の番号が分からない物件を特定できない特定の手がかりになる項目を聞く
募集の終わった物件の掲載が残る問い合わせが増え、信頼を損なう募集の状況が変わったら掲載をすぐに直す
管理物件の急ぎの連絡が埋もれる対応が遅れる番号を分け、緊急の窓口を案内する

CallでIVRと担当者への振り分けを組む

不動産会社の電話の流れは、CallのIVR、営業時間のルール、名前で担当者を呼び出すディレクトリ、キューごとのボイスメール、AIによる通話の要約、ブラウザのソフトフォンなどで組めます。外出の多い担当者には、聞き取りの記録や要約を確認してもらい、区切りで折り返す流れが組めます。設定の流れは使い方のガイドとドキュメントで紹介しています。

日本の電話番号の提供は準備中です。現在はデモで着信をシミュレーションして体験できます。電話回線でのAI応答を含む各機能の提供状況は機能一覧でご確認ください。この記事で紹介した流れは、IVRで用件を分け、ボイスメールや通話の内容をAIが要約して、担当者が確認しやすくする使い方です。物件の空きや条件の確認、内見や契約の確定は、担当者が行います。設定を試したい場合は、登録ページから始められます。

関連する業種の記事として、賃貸管理会社の電話対応、法律事務所の電話対応もあわせてご覧ください(不動産のAI電話対応|物件・内見の問い合わせからの関連案内)。

よくある質問

AIが物件の空きを答えてくれますか?

物件の空きの状況は日々変わるため、AIや自動の案内で「空いています」と答えるべきではありません。問い合わせを聞き取り、担当者が確かめてから折り返します。

内見の予約は、自動で確定できますか?

内見の日時は、担当者の予定、鍵の手配、物件の状況を確かめてから確定します。聞き取りでは希望の日時を受け、担当者が確定の連絡をします。

定休日の電話は、留守番電話だけで十分ですか?

留守番電話でも用件は残せますが、案内の中で物件の番号や希望を話してもらうよう伝えると、折り返しに役立つ記録になります。管理物件の急ぎの連絡の窓口も案内しておきます。

担当者あての電話を、担当者の携帯に転送すべきですか?

内見の案内中や運転中は、転送しても出られないことが多くあります。聞き取りの記録を担当者に届け、区切りで折り返す流れのほうが、お客様の用件を確実に受け止められます。

賃貸と売買の電話は分けたほうがよいですか?

担当者や部署が分かれている場合は、最初の案内で分けると、振り分けの手間が減ります。売却の相談は聞き取る項目が多いため、聞き取りで概要を受けて、担当者が時間をとって折り返す流れが向いています。

管理物件の入居者の電話は、どう受ければよいですか?

物件の問い合わせとは番号を分け、管理の担当に届くようにします。水漏れなどの急ぐ連絡は、営業時間外の緊急の窓口を案内します。詳しくは賃貸管理会社の電話対応の記事で紹介しています。

最初の電話で、収入や勤務先を聞いてもよいですか?

最初の問い合わせでは、連絡と物件の特定に必要な項目だけを聞くのが無難です。申し込みや審査に必要な情報は、手続きの段階で、決まった方法で受け取ります。

営業や勧誘の電話を減らせますか?

自動の案内で用件を分けると、取引に関係のない電話がスタッフに直接つながりにくくなります。ボイスメールで用件を受けて、必要なものだけに返すようにできます。

録音していることは、お客様に伝えるべきですか?

録音や文字起こしをする場合は、最初の案内で伝えるのが一般的です。記録を見られる人を必要な担当者に限り、保存の期間を決めておきます。

繁忙期に電話が増えたときは、どうすればよいですか?

決まった答えを自動の案内に任せ、物件の問い合わせはボイスメールで用件を受けて、確かめる時間を一日に何回か決めておきます。来店の予約をホームページのフォームでも受けられるようにしておくと、電話の集中をやわらげられます。

最初に何から始めればよいですか?

一、二週間、電話の用件と、担当者が不在だった件数、定休日の件数を記録することから始めます。そのうえで、定休日と営業時間外の案内から導入し、問題がないことを確かめてから営業時間内に広げると、無理なく進められます。

まとめ

不動産会社の電話対応では、担当者が外出していることが多く、物件の問い合わせには早さが求められる、という二つの事情を前提に仕組みを考えることが大切です。最初の案内で用件を分け、物件の問い合わせは物件の番号とともに聞き取り、担当者に早く届けて、確かめてから折り返す、という流れにすれば、内見や接客を中断せずに、お客様の問い合わせを受け止められます。

物件の空きや条件の確認、内見や契約の確定は、担当者が行います。管理物件の急ぎの連絡は、物件の問い合わせとは分けて受けます。まずは電話の記録から始め、定休日の案内から少しずつ仕組みを整えていきましょう。

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