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美容室のAI電話対応|予約電話・空き案内

AI-SNS.IO 編集部 · 公開

美容室のAI電話対応|予約電話・空き案内(AI-SNS.IO Call ブログ)

美容室や美容サロンのスタッフにとって、電話は悩みの種になりやすいものです。カットの途中、カラー剤を塗っている最中、シャンプーの最中に電話が鳴る。手袋を外して電話に出れば、目の前のお客様を待たせることになります。出なければ、予約を取りたかったお客様を逃してしまうかもしれません。少人数で営業しているサロンほど、この板挟みは深刻です。

インターネットの予約が広がった今でも、電話での予約や問い合わせはなくなっていません。「今日これから空いていますか」「〇〇さんを指名したいのですが」「縮毛矯正はどのくらい時間がかかりますか」。急ぎの予約や、メニューの相談、ネットの予約の操作が苦手なお客様からの電話は、今も多くかかってきます。

この記事では、美容室・美容サロンの電話対応に、IVR(自動音声応答)やAIによる一次応答を取り入れる方法を、よくある課題から、問い合わせの分類、営業時間外や施術中の受け方、設計の例、スタッフへの引き継ぎ、個人情報の扱い、導入の進め方まで、順に解説します。予約を確定するのはスタッフであること、施術の可否や肌・髪の状態の判断はスタッフが行うことを前提に、AIに任せる範囲を考えていきます。

美容室・美容サロンの電話対応で起きがちな課題

施術中に電話に出られない

美容室やサロンでは、スタッフのほとんどが施術をしています。施術中は手がふさがっていて、電話に出るには、お客様に断って施術を中断する必要があります。カラーやパーマの薬剤を扱っている最中は、すぐに手を離すことも難しいでしょう。

電話に出られないまま鳴り続けると、かけてきたお客様は「つながらない店」という印象を持ちます。ほかの店に予約してしまうこともあります。

予約の電話は確かめることが多い

美容室やサロンの予約の電話は、一件ごとに確かめることが多い電話です。

これらを、予約の台帳を見ながら一つずつ確かめるため、一件の電話に時間がかかります。施術の合間に受けると、次のお客様を待たせることにもつながります。

同じ質問が繰り返される

答えが決まっている質問が多く、スタッフが同じ説明を繰り返していることが少なくありません。

遅刻やキャンセルの連絡

「少し遅れます」「今日の予約を取り消したい」という連絡は、当日の直前に集中しがちです。遅刻の連絡を受けたら、その後の予約との兼ね合いで、施術の内容を調整するかどうかを判断する必要があります。こうした判断は、スタッフが行う必要があります。

営業時間外の電話

閉店後や定休日にも、予約の電話はかかってきます。留守番電話で「本日の営業は終了しました」と流すだけでは、お客様は次にどうすればよいかが分かりません。インターネットの予約があればその案内を、なければ次の営業日に電話をかけ直してもらう案内をする必要があります。

課題の整理

課題起きること対策の方向
施術中に出られない予約の機会を逃す、施術を中断する自動の案内とボイスメールで受け、手が空いたら折り返す
予約の確認が多い一件の電話が長くなる聞き取る項目をそろえる。インターネットの予約も案内する
同じ質問の繰り返しスタッフの時間がとられる決まった答えを自動で案内する
遅刻やキャンセル直前の調整が必要用件として分け、スタッフが判断する
営業時間外の電話お客様が次の行動に迷う時間外の案内で、予約の方法を伝える

小さな事業所の電話対応の見直しの考え方は小さな会社の電話対応で紹介しています。

当日の予約、遅刻やキャンセル、後日の予約、決まった答え、肌や頭皮の不安の対応の比較
図1:美容室・美容サロンの電話の分類

よくある問い合わせの分類

分類の考え方

サロンの電話は、「すぐに人が出る必要があるか」と「誰が判断するか」で分類すると、自動の案内に任せる範囲を決めやすくなります。

分類例すぐに人が出る必要誰が判断するか
当日の予約今日これから空いていますか高いスタッフ
遅刻・当日のキャンセル少し遅れます、今日行けなくなりました高いスタッフ
予約(後日)来週の土曜にカットとカラー低い聞き取り後、スタッフが確定
予約の変更・取り消し(後日)来週の予約を別の日に低い聞き取り後、スタッフが確定
メニューの相談髪の傷みが気になる、どのメニューがよいか内容によるスタッフ
決まった答え営業時間、定休日、駐車場、支払いの方法低い自動の案内で答えられる
肌や頭皮の不安カラーでかぶれたことがある、施術後に赤みが出た内容によるスタッフ。必要なら医療機関の受診をすすめる
その他求人、業者、取材など低いスタッフ

自動の案内で答えてよいのは「決まった答え」だけで、後日の予約や変更は聞き取りまでです。当日の予約と遅刻・当日のキャンセルは、すぐにスタッフにつなぐか、できるだけ早く折り返す必要がある電話です。肌や頭皮の不安は、自動の案内で判断してはいけない電話です。

電話を数えてみる

一、二週間、受付に記録用紙を置き、分類と時間帯ごとに電話を数えます。施術中で出られなかった電話も、着信の記録から数えられれば加えます。

時間帯当日の予約遅刻・当日のキャンセル後日の予約変更・取り消しメニューの相談決まった答えその他
開店〜昼
昼〜夕方
夕方〜閉店
閉店後・定休日

数えてみると、後日の予約と決まった答えの電話が多いサロンでは、自動の案内と聞き取りで、スタッフの手を止める回数を大きく減らせる可能性があります。

業態による違い

業態多い問い合わせの例
美容室当日の空き、指名、カラーやパーマの所要時間、子どもの来店
理容室当日の空き、待ち時間、顔そりなどのメニュー
ヘッドスパや頭皮ケアの専門店メニューの内容、所要時間、初めての来店
まつげやまゆげのサロン予約の空き、施術の内容、施術の前の注意

ネイルやエステのサロンの電話対応についてはネイル・エステサロンの電話対応で紹介しています。

営業時間外・繁忙時の受け方

施術中の電話の受け方

施術中の電話は、すべてに出ようとするのではなく、用件によって受け方を分けます。

施術中のスタッフが電話のたびに手を止める状態から、手が空いたときにまとめて折り返す状態に変えるだけでも、施術に集中しやすくなります。

混み合う時間帯の工夫

土日や、平日の夕方など、来店が多い時間帯は、電話も重なりやすくなります。

営業時間外の案内

閉店後や定休日の案内では、次の点を伝えます。

  1. 今は営業時間外であること
  2. 次の営業日と、受付の開始の時刻
  3. インターネットの予約がある場合は、その案内
  4. 予約の希望を聞き取る場合は、その方法と、折り返しの時期

営業時間外に予約の希望を聞き取る場合は、「翌営業日に、スタッフから確認のお電話をします。ご予約は、確認のお電話で確定します」と伝え、聞き取りの段階では予約が確定していないことを、はっきり伝えます。

営業時間の切り替えの設定はIVRの営業時間ルーティングで詳しく紹介しています。

IVRとAI一次応答の設計例

番号を押してもらうメニューの例

説明のための架空の例として、スタッフが数人の美容室の、営業時間中のメニューを示します。

お電話ありがとうございます。ヘアサロン〇〇です。本日のご予約、遅れる・キャンセルのご連絡の方は1を、明日以降のご予約、ご予約の変更の方は2を、営業時間、定休日、駐車場、メニューの所要時間のご案内は3を、そのほかのご用件の方は4を押してください。

番号行き先内容
1スタッフ受付の担当や手の空いているスタッフにつなぐ。出られない場合は、名前と電話番号を聞き取り、すぐに折り返す
2聞き取り名前、電話番号、希望の日時、メニュー、指名の有無、初めての来店かどうかを聞き取る。スタッフが確かめて折り返す
3自動の案内営業時間、定休日、駐車場、主なメニューの所要時間の目安を案内する。最後に、スタッフにつなぐ番号を伝える
4スタッフスタッフにつなぐ。出られない場合は折り返しを受け付ける

当日の用件を一番目に置くのは、急ぐ用件だからです。メニューの数は四つ程度に抑えます。メニュー設計の考え方はIVRのメニュー設計で詳しく紹介しています。

AI一次応答を組み合わせる場合

番号を押してもらう代わりに、AIによる一次応答で用件を話してもらう方法もあります。例えば、「来週の金曜の夕方に、カットとカラーをお願いしたいんですが」と話してもらえれば、AIは用件を後日の予約として分類し、希望の日時やメニュー、指名の有無を聞き取って記録できます。「駐車場はありますか」という質問には、サロンが登録した情報をもとに答えられます。

サロンでAIの一次応答を使う場合は、次の点を決めておきます。

AIの一次応答がどのような形で提供されているかは、サービスによって違います。AI電話受付の仕組みの基本はAI電話受付とはで紹介しています。

聞き取りの流れの例

説明のための架空の例として、後日の予約の聞き取りの流れを示します。

自動の案内:ご予約のご希望を承ります。まず、お名前をお話しください。お客様:山田です。自動の案内:山田様ですね。ご連絡のつくお電話番号をお話しください。(番号を聞き取り、復唱する)自動の案内:ご希望の日にちとお時間をお話しください。お客様:来週の金曜の夕方がいいです。自動の案内:ほかにご都合のよい日時があれば、お話しください。お客様:土曜の午前でも大丈夫です。自動の案内:ご希望のメニューをお話しください。お客様:カットとカラーです。自動の案内:担当のご指名はありますか。お客様:特にありません。自動の案内:ありがとうございます。スタッフが空きを確認し、お電話でご連絡します。ご予約は、確認のお電話で確定します。

最後に、確定の前であることと、スタッフから連絡することを必ず伝えます。聞き取る項目と順番は、スタッフが折り返すときに使いやすい順にそろえておきます。

所要時間の案内の工夫

メニューの所要時間は、よく聞かれる質問です。ただし、髪の長さや量、メニューの組み合わせによって大きく変わります。自動の案内で伝えるときは、「目安」であることをはっきり伝え、正確な時間は予約の確認の際にスタッフが伝える、という形にします。

メニュー案内の例
カット「カットの所要時間は、〇分ほどが目安です」
カラー「カラーは、髪の長さによって変わりますが、〇分から〇分ほどが目安です」
組み合わせ「カットとカラーの組み合わせは、〇時間ほどが目安です。正確なお時間は、ご予約の確認の際にお伝えします」

スタッフへの引き継ぎと確定は人が行う

予約の確定はスタッフが行う

聞き取った予約の希望は、スタッフが予約の台帳で空きを確認し、施術の内容に合った時間を確保してから確定します。お客様には、確定のための折り返しの電話をすることを伝え、聞き取りの段階では予約が確定していないことが分かるようにします。

希望の日時が埋まっている場合に備えて、聞き取りの際に、第二、第三の希望も聞いておくと、折り返しの電話が一度で済みやすくなります。

施術の判断はスタッフが行う

髪の傷み、頭皮の状態、薬剤でかぶれたことがあるかどうかなど、施術ができるかどうかにかかわる判断は、スタッフが行います。かぶれや赤みなど、肌の症状についての相談では、スタッフの判断で医療機関の受診をすすめることもあります。自動の案内やAIは、こうした相談に答えず、スタッフにつなぎます。

引き継ぎで伝える項目

用件聞き取る項目
後日の予約名前、電話番号、希望の日時(第二、第三の希望も)、メニュー、指名の有無、初めての来店かどうか
予約の変更・取り消し名前、電話番号、今の予約の日時、変更の希望
当日の予約(折り返しの場合)名前、電話番号、希望の時間、メニュー
遅刻の連絡(折り返しの場合)名前、予約の時間、到着の見込み

折り返しのルール

個人情報と記録の扱い

お客様の情報を守る

サロンの電話では、お客様の名前や電話番号のほか、髪や肌の悩み、過去の施術の内容、かぶれたことがあるかどうかなど、お客様が人に知られたくないと感じる情報が話されることもあります。電話の録音、文字起こし、要約、聞き取った項目が残る場合は、その扱いを決めておきます。

個人の情報の扱いについては、個人情報保護委員会のウェブサイトで、法律やガイドラインの内容を確認できます。この記事の内容は一般的な情報の紹介であり、法的助言ではありません。自店に当てはまる扱いは、専門家などに確認してください。

導入の前に決めること

決めること確かめる問い
何が残るか録音、文字起こし、要約、聞き取った項目のどれが残るか
どこに保存されるかサービスの提供元で、どのように保存されるか
誰が見られるかオーナー、店長、スタッフ全員など、見られる人の範囲
どのくらい残すか保存の期間と、期間を過ぎた後の扱い
伝え方録音や記録をしていることを、お客様にどう伝えるか

聞き取りすぎない

予約の聞き取りでは、予約に必要な項目だけを聞きます。髪や肌の悩みの詳しい内容は、来店の際のカウンセリングで、スタッフが直接聞けば十分です。電話で聞く情報が少ないほど、記録の扱いの負担も小さくなります。

スタッフが使う端末の扱い

聞き取りの記録や通話の要約を、スタッフが自分のスマートフォンで見られるようにする場合は、端末をなくしたときの扱い、退職したスタッフの利用の停止など、端末とアカウントの扱いも決めておきます。

導入の進め方

ステップ1:電話を数える

一、二週間、分類と時間帯ごとに電話を数えます。施術中で出られなかった電話の数も、できる範囲で記録します。

ステップ2:当日の用件の受け方を決める

当日の予約や遅刻の連絡を、誰が、どう受けるかを最初に決めます。受付の担当がいるか、手の空いているスタッフが受けるか、折り返しにするか。ここが決まらないうちは、自動の案内を始めないようにします。

ステップ3:任せる範囲を決める

分類ごとに、自動で案内する、聞き取ってスタッフが確かめる、すぐにスタッフにつなぐ、のどれにするかを決めます。

ステップ4:案内の情報を整える

営業時間、定休日、駐車場、支払いの方法、主なメニューの所要時間の目安などを、正確に書き出します。ホームページや予約サイトの情報と食い違いがないかも確かめます。

ステップ5:試験の電話をかける

スタッフがお客様の役になって、当日の予約、遅刻の連絡、後日の予約、メニューの質問、時間外の電話などをかけ、正しく動くかを確認します。

ステップ6:一部の時間帯から始める

閉店後や定休日など、一部の時間帯から始めると、問題が起きても影響を抑えられます。

ステップ7:記録を見て直す

聞き取りの記録、折り返しの件数、お客様の声を見て、メニューや案内を直していきます。

数える、当日の用件、範囲、情報、試験、一部から始める、直すの七つの手順
図2:サロンで導入を進める手順

美容室・美容サロンならではの工夫

指名の扱いを決めておく

指名のスタッフがいる場合、予約の聞き取りで指名の有無を聞きます。指名のスタッフの休みの日を、自動の案内で伝えるかどうかも決めておきます。休みの日を案内すると、お客様が希望の日を選びやすくなる一方、スタッフの勤務の予定が変わるたびに案内を直す手間がかかります。直す手間をかけられない場合は、案内せずに、折り返しの際に伝える形でも構いません。

インターネットの予約との組み合わせ

インターネットの予約を使っているサロンでは、電話の案内でもその存在を伝えると、電話での予約の一部をインターネットに移せます。ただし、インターネットの予約が苦手なお客様もいるため、電話での予約も引き続き受け付けることを伝えます。

電話とインターネットの両方で予約を受ける場合は、二重の予約にならないよう、電話で聞き取った予約の希望を確定するときに、必ず最新の予約の台帳を確認します。

遅刻の扱いのルールを決めておく

遅刻の連絡を受けたときに、施術の内容を変えるか、予約の時間をずらすか、別の日に変えてもらうかは、その後の予約の状況で変わります。判断の基準をスタッフの間でそろえておくと、誰が電話を受けても同じ対応ができます。基準は、ホームページや予約の確認の連絡にも書いておくと、お客様にとっても分かりやすくなります。

予約の前日の連絡

予約の前日に、サロンからお客様に確認の連絡をしているところもあります。連絡の中に、予約の日時とメニュー、遅れる場合やキャンセルの場合の連絡の方法を書いておくと、当日の直前の電話を減らし、連絡なしの不来店を防ぐことにもつながります。電話で確認の連絡をする場合は、つながらなかったときに留守番電話に残す内容を決めておきます。

キャンセルの連絡を受けやすくする

当日のキャンセルの連絡がしにくいと、連絡なしの不来店につながります。キャンセルの連絡は、メニューの番号一つで受けられるようにし、営業時間外でもボイスメールで受け付けると、お客様が連絡しやすくなります。キャンセルの扱いのルールを決めている場合は、予約の確定の際に伝えておきます。

薬剤を使う施術の前の確認

カラーやパーマなど、薬剤を使う施術では、過去にかぶれたことがあるかどうかを確認するサロンも多いでしょう。こうした確かめは、施術の安全にかかわるため、自動の案内では判断しません。予約の聞き取りの際に「カラーでかぶれたことがある」と話されたら、スタッフにつなぐか、折り返しの際にスタッフが確かめる流れにします。施術の前の確認の方法は、サロンの方針として決めておきます。

子どもや家族の来店

子どもの来店、ベビーカーでの来店、付き添いの家族の待つ場所などの問い合わせも多くあります。受け入れの可否と条件が決まっていれば、自動の案内に加えられます。親子で続けて施術を受ける場合など、予約の調整が必要な用件は、聞き取ってスタッフが確かめます。

商品の問い合わせ

サロンで使っているシャンプーやトリートメントなどの商品の在庫や取り置きの問い合わせも、ボイスメールで受けやすい用件です。商品名と数量、受け取りの希望の日を聞き取り、スタッフが在庫を確認して折り返します。

当日の空きを聞かれたときの答え方

「今日これから空いていますか」という電話は、スタッフが予約の台帳を見て答える必要があります。施術中で台帳をすぐに見られない場合は、「確認してすぐにお電話します」と伝えて折り返します。折り返しが遅れるほど、お客様はほかの店を探し始めるため、当日の空きの問い合わせは、施術の区切りがつき次第、何より先に折り返すと決めておきます。空きがなかった場合も、別の日の候補を伝えると、次の来店につながることがあります。

初めてのお客様からの電話

初めて来店するお客様からは、場所、駐車場、予約の要不要、支払いの方法、所要時間などの問い合わせがまとめて来ます。初めての人向けの案内をメニューの中に一つ用意しておくと、スタッフの説明の手間を減らせます。初めての来店の場合は、カウンセリングの時間を含めて予約を取るサロンも多いため、聞き取りの際に「初めてのご来店ですか」と確かめる項目を入れておきます。

いつも来ているお客様からの電話

常連のお客様は、「いつものメニューで」「前回と同じ担当で」と話すことが多くあります。聞き取りの記録には、その言葉をそのまま残し、スタッフが過去の来店の記録を見て確かめます。自動の案内やAIが「いつもの」の中身を推測して記録しないようにすることが大切です。

料金の問い合わせ

料金の問い合わせには、メニューの料金表がある場合、その範囲で案内できます。ただし、髪の長さや追加のメニューで料金が変わる場合は、「目安」として伝え、正確な料金はカウンセリングの際に伝える形にします。料金を変えたときは、ホームページ、店内の料金表、自動の案内を同じ日に直します。

スタッフの休みや退職の案内

指名の多いスタッフが長く休む場合や退職する場合、その人を指名したいお客様からの電話が続きます。案内でどこまで伝えるかを、本人とも相談して決めておきます。予約の聞き取りで指名の希望があった場合は、折り返しの際に事情を伝え、ほかのスタッフを案内します。

予約の確定の折り返しの言葉

聞き取りの記録をもとに折り返すときの言葉も、そろえておくと、スタッフによって伝える内容がばらつきません。

場面言葉の例
希望どおりに取れたとき「ヘアサロン〇〇です。お電話でいただいたご予約の件で、〇月〇日〇時から、カットとカラーで承りました。お待ちしております」
希望の日時が埋まっていたとき「ご希望の〇時は埋まっておりまして、〇時か〇時でしたらお取りできます。いかがでしょうか」
つながらなかったとき(留守番電話)「ヘアサロン〇〇です。ご予約の件でお電話しました。改めてご連絡します」

留守番電話には、予約の日時の候補など詳しい内容は残さず、改めて連絡する旨だけを伝えます。

一人で営業しているサロンの場合

スタッフが一人のサロンでは、施術中の電話は、出れば施術が止まり、出なければ予約を逃す、という状態になりがちです。一人のサロンこそ、自動の案内と聞き取りの効果が大きくなりやすいと言えます。

一人のサロンでは、折り返しが翌日になることもあるため、急ぎの用件の場合の伝え方(インターネットの予約、メッセージなど)も案内しておくと、お客様が困りにくくなります。

求人や営業の電話

美容室やサロンには、求人への応募の問い合わせや、商品や広告の営業の電話もかかってきます。こうした電話が施術中のスタッフを呼び出さないよう、メニューの「そのほか」の中で聞き取りに回すか、求人の問い合わせはホームページの応募の窓口を案内する、といった扱いを決めておきます。求人の応募の電話は、応募する人にとって大切な連絡なので、聞き取った場合はオーナーや店長が必ず確かめて折り返すようにします。

高齢のお客様への配慮

長く通っている高齢のお客様の中には、自動の案内に戸惑う人もいます。案内の速さをゆっくりめにし、最初の案内でスタッフにつながる番号を伝えておきます。聞き取りがうまくいかなかった電話は、記録に残った電話番号をもとに、スタッフから折り返すようにします。常連のお客様から「機械の声になって戸惑った」という声があれば、来店の際に新しい電話の流れを説明すると安心してもらえます。

電話の流れを説明する小さなカードを用意し、会計の際に渡しておくのも一つの方法です。カードには、当日の用件の番号、予約の番号、営業時間を書いておくと、お客様が次に電話をかけるときに迷いにくくなります。インターネットの予約を使っている場合は、その案内も一緒に載せておくと、電話以外の方法を知ってもらうきっかけにもなります。番号や時間を変えたときは、カードも新しいものに作り直しましょう。古いカードを持っているお客様がいることも考えて、番号の変更はしばらくの間、案内の中でも伝えておきます。

出張や訪問の施術の問い合わせ

高齢の方や体の不自由な方の自宅や施設に出向いて施術を行うサロンもあります。訪問の施術の問い合わせは、場所、日時、施術を受ける方の状態など、確かめることが多いため、自動の案内では受け付けの有無と、スタッフから連絡することだけを伝え、詳しい内容はスタッフが聞き取ります。

案内の文章のひな形

時間帯ごとの案内の文章を、説明のための例として示します。〇の部分は、サロンの情報に置き換えてください。

営業時間外の案内

お電話ありがとうございます。ヘアサロン〇〇です。本日の営業は終了しました。次の営業は〇曜日の〇時からです。インターネットからのご予約は、24時間受け付けています。お電話でのご予約をご希望の方は1を押して、お名前、お電話番号、ご希望の日時とメニューをお話しください。翌営業日に、スタッフから確認のお電話をします。ご予約は、確認のお電話で確定します。

定休日の案内

お電話ありがとうございます。ヘアサロン〇〇です。本日は定休日です。次の営業は〇曜日の〇時からです。ご予約の変更やキャンセルのご連絡は、1を押してお話しください。

全員が施術中のときの案内

お電話ありがとうございます。ヘアサロン〇〇です。ただいま、スタッフ全員が施術中のため、お電話に出られません。本日のご予約、遅れるご連絡の方は1を押して、お名前とお電話番号をお話しください。施術の区切りがつき次第、すぐにお電話します。

インターネットの予約を使っていないサロンでは、その部分を除きます。案内の中の時刻や曜日は、変わったときにすぐ直せるよう、一覧で管理しておきます。

一日の流れの例

説明のための架空の例として、スタッフが三人、受付の専任がいない美容室で、自動の案内を取り入れた後の一日を示します。

時間帯電話の流れスタッフの動き
開店の前前の夜の聞き取りの記録が届いている予約の台帳を確認し、前の夜の予約の希望に折り返す
午前当日の用件は手の空いた人へ、後日の予約は聞き取りへ施術に集中し、当日の用件だけ受ける
昼の合間聞き取りの記録がたまる一人が交代で、記録を確認して折り返す
午後来店が増え、電話も重なる当日の用件は区切りがつき次第折り返す
閉店の前翌日の予約の電話が増える最後の施術の合間に、残りの記録を確認する
閉店後営業時間外の案内に切り替わる翌朝に確かめる担当を決めて帰る

受付の専任がいないサロンでは、記録を確認して折り返す時間を、一日の中にいくつか決めておくことが大切です。

繁忙期の準備

年末や、卒業・入学の時期、成人式の前など、予約が集中する時期には、電話も増えます。繁忙期の前に、次の準備をしておきます。

電話以外の窓口との組み合わせ

サロンには、電話のほかに、インターネットの予約、メッセージのアプリ、SNSのダイレクトメッセージなどの窓口があることも多いでしょう。窓口が増えると、どこで受けた予約かが分からなくなり、二重の予約や返事の漏れが起きやすくなります。

窓口をつなげる考え方はオムニチャネル問い合わせ対応とはで紹介しています。

効果の確認方法

導入の後は、次のような点で効果を確認します。

確かめること見る方法
施術を中断した回数スタッフの感想、電話に出た回数
予約の機会を逃していないか出られなかった電話の数、聞き取りの件数、折り返しで予約が確定した件数
折り返しの速さ聞き取りから折り返しまでの時間
自動の案内で済んだ電話案内を聞いて終わった電話の数
お客様の声案内が分かりにくい、折り返しが遅いという声の有無

折り返しで予約が確定した件数を記録しておくと、自動の案内と聞き取りが、予約の機会を逃さないことに役立っているかを確認できます。

電話の記録から分かること

聞き取りの記録や通話の要約を振り返ると、サロンの運営の見直しにつながる発見があります。同じ質問が多ければ、ホームページや予約の確認の連絡で先に伝えられないかを考えます。当日の予約の電話が多い曜日や時間帯が分かれば、その時間に受付を担当する人を置く、といったシフトの見直しの材料になります。

見直しでつまずきやすいところ

つまずき起きること対策
当日の用件の受け方が決まっていない当日の予約を逃す、遅刻の連絡が伝わらない当日の用件を受ける人と、折り返しの速さを決める
聞き取りで予約が取れたと思われる確定していないのにお客様が来店する聞き取りの段階では確定していないことを、案内ではっきり伝える
二重の予約電話とインターネットで同じ時間が埋まる確定の前に、最新の予約の台帳を確認する
案内の情報が古い営業時間や定休日の変更が反映されていない変更のたびに、案内も直す手順を決める
折り返しの担当があいまい同じお客様に二人が折り返す、または誰も折り返さない担当と、折り返したことの記録のルールを決める

スタッフへの説明で伝えること

新しい電話の流れを始める前に、スタッフ全員に次の点を説明します。

AI-SNS.IO Callについて

AI-SNS.IO Callは、ブラウザで使えるクラウド型の電話の仕組みです。日本の電話番号の提供は準備中です。現在はデモで着信をシミュレーションして体験できます。IVRのメニュー、営業時間に合わせた応答の切り替え、キュー、キューごとの留守番電話、IVRのメニューからの折り返しの依頼、名前でスタッフを呼び出すディレクトリ、ブラウザのソフトフォン、AIによる通話の要約、設定した窓口をまとめる受信箱、レポートと分析などを組み合わせて、施術中でも予約の機会を逃しにくい電話の流れを設計できます。AIによる一次応答を含め、現在利用できる機能は機能一覧で、設定の手順は使い方ガイドで確認してください。ほかの業種の例として、ホテルの電話対応や動物病院の電話対応の記事もあわせてご覧ください。

よくある質問

サロンの予約を、AIが自動で確定してくれますか?

この記事の設計では、AIや自動の案内は予約の希望を聞き取るまでを行い、確定はスタッフが予約の台帳で空きを確かめて行います。お客様には、確認の電話で予約が確定することを伝えます。

施術中に鳴る電話をなくすことはできますか?

すべてをなくすのは難しいですが、決まった答えは自動の案内で、後日の予約はボイスメールで受けるようにすれば、施術中に手を止める回数を大きく減らせる可能性があります。当日の予約や遅刻の連絡など、急ぐ用件だけスタッフにつなぐようにします。

当日の予約の電話は、どう受ければよいですか?

メニューの一番目に置き、受付の担当や手の空いているスタッフにつなぎます。誰も出られない場合は、名前と電話番号を聞き取り、施術の区切りがつき次第すぐに折り返します。当日の予約は時間が勝負なので、折り返しの速さを決めておくことが大切です。

AIに空き状況を答えさせてもよいですか?

予約の台帳とつながっていない場合は、答えさせないようにします。空いていると答えた後に埋まっていると、お客様の不満につながります。空きの確かめは、スタッフが折り返しの際に行います。

メニューの所要時間は、自動の案内で伝えてもよいですか?

目安として伝えることはできます。髪の長さや量、メニューの組み合わせで変わるため、「目安」であることをはっきり伝え、正確な時間は予約の確かめの際にスタッフが伝える形にします。

カラーでかぶれたことがあるお客様からの電話は、どう受ければよいですか?

施術の安全にかかわる相談なので、自動の案内では判断せず、スタッフにつなぐか、折り返しの際にスタッフが確かめます。肌の症状についての相談では、スタッフの判断で医療機関の受診をすすめることもあります。

インターネットの予約があれば、電話の仕組みは要りませんか?

インターネットの予約が苦手なお客様や、当日の急ぎの予約、遅刻やキャンセルの連絡など、電話でしか受けられない用件も残ります。電話の案内でインターネットの予約を伝えつつ、電話の用件を整理して受ける仕組みを用意しておくと安心です。

小さなサロンでも、電話の仕組みを見直す意味はありますか?

あります。スタッフが少ないサロンほど、施術中の電話の負担が大きくなります。営業時間外の案内を見直す、後日の予約をボイスメールで受ける、といった小さな見直しから始められます。

電話の録音や要約に、お客様の髪や肌の悩みが残っても大丈夫ですか?

残る情報の種類、保存の場所と期間、見られる人の範囲を導入の前に決め、個人の情報の扱いのルールに沿って管理します。電話では予約に必要な項目だけを聞き、悩みの詳しい内容は来店の際に聞く形にすると、記録に残る情報を減らせます。この記事の内容は法的助言ではありません。

AIの聞き取りが間違っていたらどうなりますか?

聞き取った内容は、スタッフが確かめてから折り返す流れにしておけば、折り返しの際に正せます。名前や日時、メニューなどの大切な項目は、聞き取りの際に復唱して確かめる設計にしておくと、間違いを減らせます。

年末年始や臨時休業の案内はどうすればよいですか?

営業時間のルールに休みの期間を登録し、その期間専用の案内を流します。祝日の日付は、内閣府の「国民の祝日」についてで確かめられます。年末は予約が集中しやすいため、休業前の予約受付状況も案内に加えておくとよいでしょう。

まとめ

美容室・美容サロンの電話対応にAIや自動の案内を取り入れるときは、施術を止めずに予約の機会を逃さない流れをつくることが目的です。

まずは、一、二週間の電話を分類ごとに数え、施術中に出られなかった電話がどのくらいあるかを確認するところから始めてみてください。施術中でも予約を逃しにくい電話の流れは、AI-SNS.IO Callで試せます。アカウント登録から始めてみましょう。

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