IVR・自動音声応答

IVRのコールバックとボイスメール活用法|待たせない電話窓口

AI-SNS.IO 編集部 · 公開

IVRのコールバックとボイスメール活用法|待たせない電話窓口(AI-SNS.IO Call ブログ)

電話がつながらないとき、お客様にできることは多くありません。保留音を聞きながら待ち続けるか、あきらめて切ってかけ直すかのどちらかです。待つ側にとっては、いつつながるかわからない時間がもっとも負担になります。窓口側にとっても、混雑した時間帯に切られた電話は、誰からの何の用件だったのかがわからないまま失われてしまいます。

この負担を減らす道具が、IVR(自動音声応答)に組み込むコールバック(折り返しの依頼)とボイスメール(留守番電話)です。どちらも「今は話せないが、用件は確実に受け取る」ための仕組みですが、向いている場面や、受け取った後の運用はかなり違います。

この記事では、待たせない窓口の考え方から、コールバックとボイスメールそれぞれの仕組み、IVRのどこに置くか、折り返しを漏らさない運用ルール、よくある失敗までを、案内の文例や管理表の例を交えて解説します。

待たせない窓口の考え方

「待ち時間」より「先の見えなさ」が不満になる

電話の待ち時間について考えるとき、時間の長さだけに目が向きがちです。しかし、お客様の不満を大きくするのは、待ち時間の長さそのものよりも、あとどれくらい待つのかがわからない状態です。五分待つとわかっていれば別の作業をしながら待てますが、いつ終わるかわからない保留音は、短くても長く感じられます。

待たせない窓口とは、待ち時間をゼロにする窓口ではありません。お客様に「待つ」「後で連絡をもらう」「用件を残しておく」という選択肢を示し、どれを選んでも用件が確実に担当者に届く窓口のことです。

窓口が提示できる三つの選択肢

選択肢お客様の負担窓口側の負担向いている場面
待ってもらう待ち時間少ない短時間で空きが出る見込みがあるとき
コールバック連絡を待つだけ折り返しの手間と管理混雑時、担当者が限られるとき
ボイスメール用件を話す手間聞き取り、折り返しの管理時間外、担当者の不在時、用件が多様なとき

どの選択肢を用意するかは、窓口の人数や電話の量だけでなく、用件の性質でも変わります。たとえば、手続きの期限が迫っている用件では、お客様は待ってでもその場で話したいと考えるでしょう。一方、資料の送付の依頼のような用件では、用件を残して後で連絡をもらえれば十分です。自社の電話の用件を思い浮かべながら、どの用件にどの選択肢が合うかを考えてみてください。

三つは対立するものではなく、組み合わせて使います。たとえば、キューで一定時間待ってもらい、それでもつながらなければコールバックかボイスメールを選んでもらう、という流れが代表的です。

待っている間の案内を工夫する

待ってもらう場合も、待ち時間の感じ方は案内しだいで変わります。

待つか、別の選択肢に移るかを、お客様が自分で選べることが、先の見えなさを和らげます。

取りこぼしは見えにくい

電話の取りこぼしは、記録を見ないと気づきにくいものです。混雑した時間帯に切られた電話、時間外にかかってきて何も残さずに切られた電話は、窓口側から見ると「何も起きなかった」ように見えます。不在着信の影響については、不在着信がもたらす損失で詳しく整理しています。

コールバックとボイスメールを置くことで、これまで見えなかった電話が、折り返すべき用件として記録に残るようになります。取りこぼしを「見える化」する効果もあるのです。

コールバックの仕組み

コールバックとは

コールバックは、電話をかけてきた人が、その場で担当者につながるのを待つかわりに、後で窓口から電話をかけ直してもらうことを依頼する仕組みです。IVRのメニューで「折り返しをご希望の方は1を押してください」と案内し、選んだ人の連絡先を記録します。

コールバックには、仕組みによっていくつかの形があります。

どの形が使えるかは、使っている仕組みによって異なります。どの形でも共通して大切なのは、折り返しの依頼が確実に担当者に届き、決めた時間内に折り返されることです。

形ごとの注意点

コールバックの形によって、運用で気をつける点が少しずつ違います。

コールバックで記録する情報

折り返しを確実に行うために、最低限、次の情報を記録します。

  1. 折り返し先の電話番号:かけてきた番号を使うのか、別の番号を入力してもらうのかを決めます
  2. 依頼を受けた日時
  3. 用件の種類:IVRで選んだメニューから自動でわかる場合もあります
  4. 折り返しの希望時間帯:時間を指定できる場合

かけてきた番号が非通知だったり、会社の代表番号だったりすることもあるため、折り返し先の番号を入力してもらう、または確認する手順を入れると確実です。

コールバックの案内文の例

ただいま電話が大変混み合っております。このままお待ちいただくか、担当者からの折り返しをご希望の場合は1を押してください。

折り返しのご依頼を承ります。おかけいただいている電話番号への折り返しでよろしければ1を、別の番号をご希望の場合は2を押してください。

折り返しのご依頼を承りました。本日の受付時間内に、担当者からお電話いたします。お電話ありがとうございました。

最後の案内で、いつ頃連絡が来るのかを伝えると、お客様は安心して電話を切れます。ここで伝える目安は、社内で確実に守れる範囲にしておきましょう。

コールバックが向いている場面

コールバックが向いていない場面

一方で、次のような場面では、コールバックが合わないこともあります。

ボイスメールの仕組み

ボイスメールとは

ボイスメールは、電話をかけてきた人に、用件をメッセージとして録音で残してもらう仕組みです。留守番電話と同じものと考えて差し支えありません。IVRに組み込むと、時間外の案内の後や、担当者につながらなかったときに、メッセージを残してもらえます。

コールバックとの一番の違いは、用件の中身まで残せることです。コールバックでは基本的に連絡先と用件の種類しかわかりませんが、ボイスメールなら、お客様が自分の言葉で話した内容を、折り返す前に聞けます。

キューや部署ごとにボイスメールを分ける

ボイスメールを一つにまとめると、すべてのメッセージを誰かが聞いて、担当に振り分ける作業が必要になります。IVRのメニューで分けた用件ごと、キューや部署ごとにボイスメールを分けておけば、メッセージは最初から担当の窓口に届きます。

分け方長所注意点
一つにまとめる管理が簡単振り分けの手間がかかる
キュー・部署ごと担当者がすぐに聞ける部署ごとに確認の担当を決める必要がある
担当者ごと指名の電話に向く担当者の不在時に確認が止まる

担当者ごとのボイスメールを使う場合は、担当者が休みのときに誰が確認するかを決めておかないと、メッセージが何日も放置されることがあります。

ボイスメールの案内文の例

ボイスメールの案内で大切なのは、何を話せばよいかを具体的に伝えることです。「メッセージをどうぞ」だけでは、名前や連絡先が抜けたメッセージが多くなります。

お電話ありがとうございます。〇〇サポート窓口でございます。ただいま担当者が電話に出られません。発信音の後に、お名前、ご連絡先の電話番号、ご用件をお話しください。翌営業日までに担当者からご連絡いたします。

恐れ入りますが、ご連絡先の電話番号は、ゆっくりとお話しください。

部署ごとのボイスメールでは、その部署に合わせて話してほしい内容を変えると、さらに折り返しが楽になります。たとえば、ご注文の窓口なら「ご注文番号」、修理の窓口なら「製品名とお困りの症状」、不動産の管理窓口なら「物件名とお部屋の番号」を話してもらうよう、案内に一言加えます。

電話番号を聞き取れないメッセージは、折り返しができません。番号をゆっくり話してもらう一言を添えるだけで、聞き直しの手間が減ります。

良いメッセージと困るメッセージ

案内の文章を工夫すると、残されるメッセージの質が変わります。

困るメッセージの例

「あ、もしもし、えーと、この間の件なんですけど、また電話します。」

誰から、何の件で、いつ電話すればよいのかがわかりません。

案内を工夫した後のメッセージの例

「〇〇株式会社の山田です。電話番号は〇〇〇の〇〇〇〇の〇〇〇〇です。先週お見積もりをいただいた件で、数量の変更について相談したいです。平日の午後なら電話に出られます。」

名前、連絡先、用件、都合のよい時間帯がそろっていれば、折り返しの電話はすぐに本題に入れます。

録音したメッセージを文字や要約で残す

ボイスメールのメッセージは、聞かないと内容がわからないのが難点です。件数が多いと、すべてを聞くだけで時間がかかります。録音を文字に起こしたり、AIで要約したりできる仕組みを使えば、一覧で内容を確認し、急ぎのものから対応できます。ただし、文字起こしや要約には誤りが起こりうるため、電話番号や名前などの大事な情報は、録音を聞いて確かめてから折り返しましょう。

メッセージを聞くときのメモの書式

ボイスメールを聞いて一覧に載せるときは、毎回同じ書式でメモを取ると、折り返しの担当者が読みやすくなります。

聞き取れない部分を推測で埋めないことが大切です。推測で書いた電話番号に折り返すと、別の人にかけてしまうおそれがあります。

ボイスメールが向いている場面

どちらをどこに置くか

コールバックとボイスメールは、IVRのどの位置に置くかで効果が変わります。代表的な置き場所を五つ紹介します。

着信、メニュー、キューで待つ、コールバックを選ぶ、担当者が折り返すの流れ
図1:混雑時の電話の流れ

置き場所1:キューで待っている途中

担当者が全員話し中のとき、キューで待ってもらいながら、一定時間ごとに「折り返しをご希望の方は1を」と案内します。待ち始めてすぐに案内するより、ある程度待った後に案内するほうが、「もう少し待てばつながる」電話まで折り返しに回してしまうことを防げます。どのくらいで案内するかは、自社の平均的な待ち時間を見て決めます。

置き場所2:キューに入る前

混雑が予想されるとき、キューに入る前に「ただいま混み合っています。お待ちいただくか、折り返しをご希望の方は1を」と選択肢を示します。最初から選べるため、待つつもりのない人がすぐに折り返しを選べます。

置き場所3:担当者につながらなかったとき

名前で担当者を呼び出した後や、部署に転送した後に、誰も出なかった場合は、ボイスメールにつなぎます。指名でかけてきた人は、その担当者に用件を伝えたいことが多いため、担当者や部署ごとのボイスメールが向いています。担当者を名前で呼び出す設計は、ダイヤル・バイ・ネームとはで解説します。

置き場所4:営業時間外

営業時間外の案内の後に、ボイスメールやコールバックの依頼を置きます。時間外は用件の中身を知っておきたいことが多いため、ボイスメールが基本になります。折り返しの希望だけを手軽に残せるよう、コールバックの番号をあわせて案内する方法もあります。営業時間による振り分けは、営業時間で着信を振り分ける方法で詳しく解説しています。

置き場所5:「その他のご用件」の先

IVRのメニューに当てはまらない用件を選んだ人に、ボイスメールで用件を話してもらいます。誰が担当すべきかを判断してから折り返せるため、たらい回しを防げます。

置き場所の早見表

状況第一の選択肢あわせて置くもの
営業時間内・混雑キューで待つ一定時間後にコールバック
営業時間内・担当者不在担当者・部署のボイスメール急ぎなら別の担当へ転送
営業時間外ボイスメール急ぎの番号、コールバック
メニューに当てはまらない用件ボイスメール代表の窓口への転送

案内の流れを設計する

置き場所が決まったら、電話をかけてきた人が実際に聞く案内の流れを書き出します。ここでは、営業時間内の混雑時を例に、流れを組み立ててみます。

例:混雑時のサポート窓口

  1. 入口:「お電話ありがとうございます。〇〇サポート窓口です。」
  2. メニュー:「ご注文に関するお問い合わせは1を、製品の使い方は2を、その他のご用件は3を押してください。」
  3. キュー:2を押した人は、使い方の担当のキューで待つ。待っている間は「順番におつなぎしています」と案内する。
  4. コールバックの案内:一定時間待っても担当者がつながらないとき、「このままお待ちいただくか、折り返しをご希望の場合は1を押してください。」と案内する。
  5. 折り返し先の確認:「おかけいただいている番号への折り返しでよろしければ1を、別の番号は2を押してください。」
  6. 終わりの案内:「折り返しのご依頼を承りました。本日中に担当者からお電話いたします。」

例:営業時間外の代表番号

  1. 入口:「お電話ありがとうございます。〇〇でございます。本日の受付は終了いたしました。受付時間は平日の九時から十八時までです。」
  2. 急ぎの番号:「お急ぎの故障のご連絡は1を押してください。」(1は当番へ転送)
  3. ボイスメール:「その他のご用件は、発信音の後に、お名前、ご連絡先、ご用件をお話しください。翌営業日にご連絡いたします。」

流れを書き出すと、案内の長さや、選択肢が多すぎないかを確認しやすくなります。実際に声に出して読み、案内が長すぎると感じたら、言葉を削りましょう。特に、コールバックの案内と折り返し先の確認は、続けて聞くと長く感じやすい部分です。選択肢は二つまでに絞りましょう。案内の録音や音声合成の作り方は、IVR音声ガイダンスの作り方で紹介します。

折り返し管理の運用ルール

コールバックとボイスメールは、置いただけでは役に立ちません。受け付けた依頼に確実に折り返すための運用ルールがあって、はじめて「待たせない窓口」になります。ここでは、決めておきたいルールを七つ紹介します。

ルール1:確認する人とタイミングを決める

ボイスメールやコールバックの依頼を、誰が、いつ確認するかを決めます。

「気づいた人が確認する」というルールでは、誰も確認しない時間が生まれます。担当者の名前と時刻を決めましょう。

ルール2:折り返しの目安時間を決めて守る

案内で「本日中に」「翌営業日までに」と伝えた場合、その約束は必ず守る必要があります。目安時間は、混雑が最も激しい日でも守れる長さにしておきます。守れない日が続くようなら、目安時間を見直すか、折り返しの担当者を増やす必要があります。

ルール3:一覧で管理する

受け付けた依頼は、一つの一覧にまとめて管理します。

受付日時種類名前連絡先用件担当折り返し日時結果
〇月〇日 9:12ボイスメール山田様〇〇〇…見積もりの数量変更佐藤〇月〇日 10:05対応済み
〇月〇日 9:40コールバック不明〇〇〇…製品の使い方鈴木〇月〇日 11:20不在・再架電

一覧があれば、誰が対応中か、どれが残っているかがひと目でわかり、二重の折り返しや漏れを防げます。

ルール4:急ぎのものを先に対応する

依頼は受け付けた順に対応するのが基本ですが、内容によっては急ぎのものを先に対応します。ボイスメールの文字起こしや要約があれば、一覧で内容を見て優先順位をつけやすくなります。急ぎの判断の基準(故障、期限が迫っている手続き、苦情など)をあらかじめ決めておきましょう。

ルール5:つながらなかったときの再架電を決める

折り返してもお客様が電話に出ないことはよくあります。何回まで、どのくらい時間を空けてかけ直すかを決めておきます。

〇〇サポート窓口の佐藤です。本日お電話をいただき、折り返しのご依頼を承りましたのでご連絡いたしました。お手数ですが、平日の九時から十八時の間に、〇〇〇の〇〇〇〇の〇〇〇〇までおかけ直しください。

ルール6:折り返しの第一声を決める

折り返しの電話では、お客様はなぜ電話がかかってきたのかをすぐに思い出せないことがあります。第一声で、いつの電話への折り返しかを伝えます。

お世話になっております。〇〇サポート窓口の佐藤と申します。本日の午前中に折り返しのご依頼をいただきましたので、お電話いたしました。今、お時間よろしいでしょうか。

ボイスメールで用件を聞いている場合は、「〇〇の件でメッセージをいただきました」と内容に触れると、お客様は同じ説明を繰り返さずに済みます。

ルール7:対応の結果を記録する

折り返した結果を一覧に記録します。対応済み、再架電が必要、別の担当に引き継いだ、などの状態がわかれば、翌日の担当者も状況を把握できます。通話の内容をAIで要約して残せる仕組みであれば、後から経緯を確認するときにも役立ちます。

混雑のピークに備える

コールバックの依頼が最も増えるのは、窓口が最も忙しい時間帯です。忙しいときに依頼が増え、その折り返しでさらに忙しくなる、という悪循環を避ける工夫が必要です。

AIの聞き取りと組み合わせる

ボイスメールの代わりに、音声AIエージェントなどの自動の仕組みが用件を聞き取る方法もあります。ボイスメールでは、お客様が何を話すかはお客様任せですが、自動の仕組みであれば、名前、連絡先、用件、都合のよい時間帯を順番に聞き取り、内容を復唱して確かめられます。メッセージの抜け漏れを減らせるのが利点です。

一方で、聞き取りの誤りが起こりうる点は変わりません。電話番号などの大事な情報は復唱して確かめ、予約などの確定は折り返しのときにスタッフが行う設計にします。ボイスメールと自動の聞き取りの違いや使い分けは、IVRと音声AIエージェントの違いでも整理しています。

設定後のテスト

設定が終わったら、実際に電話をかけて動きを確認します。

テスト期待する動き
混雑時にキューで待つ決めたタイミングでコールバックの案内が流れる
コールバックを選ぶ折り返し先の確認があり、依頼が一覧や担当者に届く
別の番号を入力する入力した番号が正しく記録される
担当者が出ない担当者や部署のボイスメールにつながる
時間外にかける時間外の案内とボイスメール、急ぎの番号が流れる
メッセージを残す決めた担当者が確認する場所に届く
何も話さずに切る空のメッセージの扱いが決まっている

テストは、設定を担当した人以外にもかけてもらうと、案内のわかりにくさに気づきやすくなります。

よくある失敗

コールバックとボイスメールでよく起きる失敗と、その対処を紹介します。

失敗1:メッセージが誰にも聞かれない

起きること:ボイスメールにメッセージがたまっているのに、確認する担当者が決まっておらず、何日も放置される。お客様は「メッセージを残したのに連絡がない」と不満を持つ。

対処:確認の担当者と時刻を決め、担当者が休みの日の代わりも決めます。メッセージが届いたことを担当者に知らせる方法があれば、あわせて設定します。

失敗2:折り返しの目安を守れない

起きること:案内では「本日中に」と伝えているのに、混雑した日は翌日以降になる。

対処:案内で伝える目安を、最も忙しい日でも守れる長さにします。目安を守れているかを、一覧の受付日時と折り返し日時で定期的に確かめます。

失敗3:折り返し先の番号がわからない

起きること:非通知の電話や、会社の代表番号からのコールバックの依頼で、折り返し先がわからない。ボイスメールで番号が聞き取れない。

対処:コールバックでは折り返し先の番号を確認する手順を入れます。ボイスメールの案内では、番号をゆっくり話してもらうよう伝えます。

失敗4:二重に折り返してしまう

起きること:同じお客様がコールバックを依頼し、さらにボイスメールも残したため、二人の担当者がそれぞれ折り返してしまう。

対処:一覧で、同じ連絡先からの依頼がないかを確認してから折り返します。担当を割り当てた時点で、一覧に名前を書き込みます。

失敗5:コールバックを案内するタイミングが早すぎる

起きること:キューに入ってすぐにコールバックを案内したため、少し待てばつながった電話まで折り返しに回り、折り返しの仕事が増える。

対処:自社の待ち時間の傾向を見て、案内のタイミングを調整します。混雑の程度によって案内を出す・出さないを切り替えられる仕組みであれば、その機能も検討します。

失敗6:ボイスメールの案内が長すぎる

起きること:録音が始まるまでの案内が長く、お客様が途中で切ってしまう。

対処:案内は「お名前、ご連絡先、ご用件をお話しください」と、話してほしい内容に絞ります。注意事項は最小限にします。

失敗7:急ぎの用件がボイスメールに埋もれる

起きること:急ぎの用件がボイスメールに残され、ほかのメッセージと同じ順番で対応されて、対応が遅れる。

対処:急ぎの用件は、IVRのメニューで番号を分けて、担当者や当番へ直接つなぎます。ボイスメールの案内でも「お急ぎの場合は〇番を」と伝えます。

失敗8:折り返しの電話に出てもらえない

起きること:知らない番号からの電話に出ない人が多く、折り返してもつながらない。

対処:コールバックの受付の最後に「〇〇の窓口からお電話します」と伝え、可能であれば折り返しに使う番号も案内します。ホームページにも、折り返しに使う番号を載せておくと、お客様が着信を見たときに判断しやすくなります。

失敗9:時間外のメッセージが休み明けに集中する

起きること:連休明けの朝にメッセージが大量にたまり、通常の電話と重なって折り返しが遅れる。

対処:連休明けの午前中は、折り返しの担当を増やす、通常の電話を受ける担当と分ける、といった体制を事前に決めます。連休中の案内では、「休み明けから順次ご連絡します」と、すぐには連絡できないことを伝えておきます。

折り返しの電話の台本

折り返しの電話は、こちらからかける電話です。お客様は別のことをしている最中かもしれません。場面ごとに台本を用意しておくと、担当者によって対応がばらつかずに済みます。

場面1:お客様が電話に出て、話せる場合

担当者:お世話になっております。〇〇サポート窓口の佐藤と申します。本日の午前中に、製品の使い方についてメッセージをいただきましたので、お電話いたしました。今、少しお時間よろしいでしょうか。お客様:はい、大丈夫です。担当者:ありがとうございます。メッセージでは、データの書き出しの方法についてお困りとうかがいましたが、その件でよろしいでしょうか。

用件を確認してから本題に入ると、行き違いを防げます。

場面2:お客様が電話に出たが、今は話せない場合

お客様:すみません、今ちょっと手が離せなくて。担当者:承知しました。では、ご都合のよいお時間を教えていただけますか。そのお時間に改めてお電話いたします。

次にかける時間を決めて、一覧に書き込みます。お客様からかけ直してもらう場合は、つながりやすい番号と時間帯を伝えます。

場面3:用件がすでに解決していた場合

お客様:ああ、その件はもう自分で解決しました。担当者:さようでしたか。お手数をおかけしました。ほかにお困りのことはございませんか。

解決した方法を差し支えなければ聞いておくと、よくある質問の案内を増やすヒントになります。

場面4:担当外の用件だった場合

担当者:その件でしたら、契約の担当から改めてご連絡するのが確実です。担当に内容を伝えておきますので、本日中に契約の担当からお電話いたします。

別の担当に引き継ぐときは、お客様に同じ説明を繰り返させないよう、聞いた内容を引き継ぎます。引き継いだことを一覧に記録し、引き継ぎ先の担当が折り返したかを確認します。

役割分担を決める

コールバックとボイスメールの運用には、いくつかの役割があります。小さな窓口では一人が兼ねることもありますが、役割を書き出しておくと、抜けている仕事に気づけます。

役割主な仕事
設計の担当置き場所、案内の文章、営業時間の切り替えを決めて設定する
確認の担当決めた時刻にメッセージと依頼を確認し、一覧に載せて担当を割り当てる
折り返しの担当割り当てられた依頼に折り返し、結果を記録する
振り返りの担当週に一度、一覧を見て、目安が守れているか、案内に改善点がないかを確認する

確認の担当と折り返しの担当を分けると、折り返しの担当は通話に集中でき、確認の担当は全体の進み具合を見られます。

週に一度の振り返り

一覧は、日々の管理だけでなく、改善の材料にもなります。週に一度、次の点を振り返りましょう。

振り返りで見つけた改善点は、一つずつ試し、次の週の一覧で変化を確認します。

運用を始める前のチェックリスト

AI-SNS.IO Callで設計する場合

AI-SNS.IO Callでは、IVRのメニューから折り返しの依頼を受け付ける設定や、キューごとのボイスメール、営業時間に合わせた切り替えを組み合わせて、ここで紹介した流れを組み立てられます。通話の記録にはAIによる要約を残せるため、折り返しの前後で内容を把握しやすくなります。設定の手順は使い方ガイドにまとめています。現在利用できる機能は機能一覧で確認してください。日本の電話番号の提供は準備中です。現在はデモで着信をシミュレーションして体験できます。

残る情報、向いている場面、主な運用の比較
図2:コールバックとボイスメールの違い

業種別の使い方の例

病院・クリニック

予約の変更や問い合わせの電話が診療の開始直後に集中しやすいため、混雑時のコールバックが役立ちます。症状に関する相談は、ボイスメールに残してもらうのではなく、スタッフにつなぐか、医院として決めた案内を伝えます。ボイスメールには、予約の変更の希望や書類の問い合わせなど、急ぎでない用件を残してもらいます。

BtoBのサポート窓口

製品の使い方や契約の問い合わせは、一件の通話が長くなりがちです。混雑時はキューで少し待ってもらい、つながらなければコールバックを案内します。折り返しの前に、お客様の契約情報や過去の問い合わせを確認しておくと、すぐに本題に入れます。

不動産の管理会社

入居者からの連絡は、設備の故障などの急ぎの用件と、契約や手続きの問い合わせに分かれます。急ぎの用件は当番に転送し、それ以外は営業時間外も含めてボイスメールで受け付けます。メッセージには、物件名と部屋番号を話してもらうよう案内すると、折り返しの前に対象を特定できます。

小さな店舗・事務所

担当者が一人か二人の場合、接客中や作業中は電話に出られません。キューを置くより、すぐにボイスメールにつなぎ、手が空いたときにまとめて折り返すほうが現実的です。ボイスメールの案内で、いつ頃折り返すのかを伝えておきます。

修理・設備の事業者

現場に出ている間は電話に出られないため、ボイスメールが中心になります。急ぎの修理は番号を分けて当番の電話に転送し、見積もりや点検の依頼は、場所、症状、都合のよい日時をメッセージに残してもらいます。現場の合間にメッセージを確認できるよう、文字起こしや要約を一覧で見られると便利です。

効果を確認する

コールバックとボイスメールを置いた後は、次の点を記録で確認し、運用を見直します。

メッセージの質に問題があれば、案内の文章を見直します。折り返してもつながらないことが多ければ、時間帯の希望を聞く手順を加える、ボイスメールで用件を残してもらう、などの見直しが考えられます。

よくある質問

コールバックとボイスメールは、どちらか一方だけでよいですか?

用件と状況によります。用件の中身を折り返す前に知りたい場合や時間外はボイスメール、混雑時に待ち時間を減らしたい場合はコールバックが向いています。多くの窓口では、両方を置き場所に応じて使い分けています。

コールバックの依頼が多すぎて、折り返しが追いつきません。

コールバックを案内するタイミングが早すぎないか、折り返しの時間を確保できているかを確かめます。折り返しの目安を守れる長さに見直すことや、ピークの時間帯の担当者の配置を見直すことも検討しましょう。

ボイスメールにメッセージを残さずに切る人が多いのですが。

案内が長すぎる、録音が始まるタイミングがわかりにくい、といった原因が考えられます。案内を短くし、「発信音の後にお話しください」とはっきり伝えます。録音を嫌がる人のために、コールバックの番号をあわせて案内する方法もあります。

ボイスメールの録音はどれくらい保存すればよいですか?

保存期間は、使い道と社内のルールによって決めます。折り返しが終わった後は、必要な内容を記録に残して録音を削除する、一定期間後に自動で削除する、などの運用が考えられます。個人情報を含むため、確認できる人の範囲もあわせて決めておきましょう。

非通知の電話からコールバックを依頼されたら、どうなりますか?

かけてきた番号がわからないため、そのままでは折り返せません。折り返し先の番号を入力してもらう手順を入れるか、非通知の電話にはボイスメールで番号を話してもらうよう案内します。

折り返しの時間を指定してもらうことはできますか?

使っている仕組みによります。時間を指定できない場合は、ボイスメールで都合のよい時間帯を話してもらう、または折り返しの際に次の都合を聞く、といった方法で対応できます。

折り返したら、お客様がすでに解決していました。

よくあることです。結果を一覧に記録しておけば、同じ用件の電話が多い場合に、ホームページの案内を増やすなどの改善につなげられます。

担当者ごとにボイスメールを分けるべきですか?

指名の電話が多い場合は役立ちますが、担当者が休みのときに確認が止まるおそれがあります。部署やキューごとにまとめ、部署の中で確認の担当を決めるほうが、漏れを防ぎやすい場合もあります。

ボイスメールの内容を文字で確認できますか?

文字起こしや要約に対応した仕組みであれば、一覧で内容を確かめられます。誤りが起こりうるため、電話番号や名前などの大事な情報は、録音を聞いて確かめてから折り返しましょう。

営業時間外の電話は、すべてボイスメールにすればよいですか?

急ぎでない用件はボイスメールで十分ですが、翌営業日まで待てない用件がある場合は、急ぎの番号を設けて当番に転送します。時間外の扱いの全体像は、営業時間外の電話対応を参考にしてください。

まとめ

コールバックとボイスメールは、「今は話せないが、用件は確実に受け取る」ための仕組みです。

まずは、自社の電話がどこで取りこぼされているかを記録で確認し、置き場所を一つ決めるところから始めてみてください。IVRのメニュー、折り返しの依頼、ボイスメール、営業時間のルールは、AI-SNS.IO Callで組み立てられます。アカウント登録から試してみましょう。IVRの基本を先に押さえたい方はIVRとはを、自動応答の全体像はAI電話受付とはをご覧ください。

IVRメニューと営業時間ルールを、Callで設計してみる

デモコンソールでは、着信をシミュレーションで体験できます。

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