飲食店のAI電話対応|予約電話・テイクアウト
ランチのピークで厨房はフル回転、ホールはオーダーと配膳で走り回っている。そこへ電話が鳴る。「今夜四名で入れますか」。手を止めて予約台帳を開けば、その間にテーブルの料理が冷め、次の注文が滞る。出なければ、そのお客様は別のお店に電話をかけるかもしれない。飲食店の電話は、もっとも忙しい時間に、もっとも出にくい形でやってきます。
飲食店にかかってくる電話の多くは、席の予約、営業時間の確認、テイクアウトの問い合わせなど、来店や注文に直結する用件です。つまり、取りこぼした一本の電話が、そのまま一組のお客様を逃すことにつながりかねません。一方で、ピーク時に電話を優先すれば、いま店内にいるお客様へのサービスが落ちてしまいます。この板挟みをどう解くかが、飲食店の電話対応の中心的なテーマです。
この記事では、飲食店に多い電話の用件を整理し、IVR(自動音声応答)、営業時間に合わせた応答の切り替え、AIによる一次応答、スタッフへの引き継ぎを組み合わせて、電話にかかる手間を減らす考え方を紹介します。席の予約やテイクアウトの注文を確定するのは、あくまでお店のスタッフです。電話の仕組みが担うのは、用件を受け止め、必要な情報をそろえ、スタッフが判断しやすい形で渡すところまでだと考えてください。
飲食店の電話対応で起きがちな課題
はじめに、飲食店の電話でよく聞かれる悩みを挙げてみます。業態や規模によって濃淡はありますが、思い当たるものがあるのではないでしょうか。
ピークタイムほど電話が鳴る
飲食店の電話は、お店が混み合う時間帯と重なりやすいという特徴があります。ランチの開店直後には「今から行って座れますか」という電話が入り、夕方には「今夜の予約」の電話が続きます。お客様にとっては食事を考えるタイミングで電話をかけるのが自然ですが、それはお店にとってもっとも手が離せない時間でもあります。
厨房とホールを少人数で回しているお店では、電話に出る人がいなくなると、店内のオペレーションがまるごと止まります。調理の手を洗って受話器を取り、予約台帳を確認し、メモを書いて戻る。この数分が、ピーク時には大きな負担になります。
予約の聞き取りに抜け漏れが出る
席の予約の電話では、日付、時間、人数、名前、連絡先に加えて、席の希望(個室、カウンター、禁煙など)、子ども連れかどうか、記念日の利用か、コースか単品か、といった多くの情報を聞き取る必要があります。忙しいときに慌てて受けると、どれかを聞き忘れたり、メモが読めなかったりして、後から確認の電話をかけ直すことになります。
聞き取りの抜けは、当日のトラブルの原因にもなります。人数の聞き間違いで席が足りない、アレルギーの申し出が厨房に伝わっていない、といった事態は、お客様の満足を大きく損ないます。
営業時間や定休日の問い合わせが多い
「今日は何時までですか」「ラストオーダーは何時ですか」「月曜日は営業していますか」「年末は何日まで開いていますか」。飲食店には、営業時間に関する問い合わせが頻繁に寄せられます。答えは決まっていても、一件ずつ手を止めて答えるのは、積み重なると負担になります。
特に、祝日や連休、季節の営業時間の変更があると、問い合わせが増えやすくなります。ホームページや地図サービスの情報が更新されていないと、電話で確認しようとする人がさらに増えます。
テイクアウトの注文電話で手が止まる
テイクアウトを行っているお店では、注文の電話が厨房の作業を中断させる原因になりがちです。メニュー名、数量、受け取りの時間、名前、連絡先を聞き取り、場合によっては品切れの確認もしなければなりません。聞き間違いがあれば、受け取りの時に作り直すことにもなりかねません。
営業時間外の電話を取りこぼす
仕込みの時間や閉店後、定休日にも電話はかかってきます。翌日以降の予約をしたい人、宴会の相談をしたい人、忘れ物の問い合わせをしたい人など、用件はさまざまです。誰も出なければ、予約を取りたかったお客様は別のお店を探すかもしれません。留守番電話にしていても、メッセージを残さずに切る人は少なくありません。
よくある問い合わせの分類
飲食店の電話を効率化するには、まず、どのような電話がどれくらいかかってきているのかをつかむことが大切です。代表的な用件を、対応の仕方の違いにもとづいて分類してみます。
席の予約と変更
- 当日の席の空き確認(「今から入れますか」)
- 後日の席の予約
- 予約の人数や時間の変更
- 予約のキャンセル
- 遅れる、という連絡
席に関する電話は、お店の売上に直結する重要な用件です。空席の状況は刻々と変わり、席の配置や回転も考える必要があるため、予約を受けるかどうかの判断はスタッフが行うのが基本です。電話の仕組みでは、希望の日時や人数などを漏れなく聞き取り、スタッフの判断につなげることが役割になります。
宴会・貸切・コースの相談
- 宴会や歓送迎会の相談
- 貸切の可否
- コース内容や飲み放題の有無
- 予算に合わせた相談
人数が多い予約や、内容の相談が必要な問い合わせは、個別のやりとりが欠かせません。担当者を決めて、折り返しで丁寧に対応する用件として扱うのが向いています。
営業情報の問い合わせ
- 営業時間、ラストオーダー、定休日
- 場所、最寄り駅からの道順、駐車場
- 席数、個室の有無、子ども連れでの利用
- 予約が必要かどうか
答えをあらかじめ決めておける問い合わせです。お店としての回答を整理しておけば、自動の案内に任せやすい用件といえます。
テイクアウトの注文と問い合わせ
- テイクアウトの注文
- テイクアウトできるメニューの確認
- 受け取りの時間の相談
注文そのものは、厨房の状況や品切れの有無を踏まえてスタッフが受けるべきものです。一方、テイクアウトの対応時間や受け取り方法など、決まった情報の案内は自動化しやすい部分です。
アレルギーや食材の質問
- 特定の食材が使われているか
- アレルギーへの対応ができるか
- ベジタリアンやハラールなどへの対応
食材やアレルギーに関する質問は、お客様の健康にかかわる大切な問い合わせです。料理の内容を正確に把握しているスタッフが答えるべきもので、自動の案内やAIに任せてはいけません。
その他
- 忘れ物の問い合わせ
- 取引先や業者からの連絡
- 求人への応募の問い合わせ
- 営業の電話

自店の電話の傾向を知るには、数日から一週間ほど、電話の用件と時刻をメモしておくのが手軽です。「当日の空き確認」「後日の予約」「営業時間」「テイクアウト」程度の大まかな区分で十分です。曜日や時間帯ごとの偏りが見えてくると、どこを自動化すべきかが判断しやすくなります。
営業時間外・繁忙時の受け方
用件の傾向がつかめたら、時間帯ごとの受け方を考えます。飲食店の一日は、仕込み、ランチ営業、中休み、ディナー営業、閉店後と、はっきり分かれていることが多いため、時間帯ごとに電話の受け方を変えると無理がありません。
ランチとディナーのピーク
ピーク時には、電話に出るスタッフの余力がほとんどありません。この時間帯は、「スタッフが出なくても済む電話」をできるだけ減らすことが目標になります。
- 営業時間やラストオーダー、定休日などの質問は、自動の案内で完結させる
- 後日の予約の希望は、日時・人数・名前・連絡先を聞き取って記録し、ピークが落ち着いてからスタッフが折り返して確定する
- 当日の空き確認は、お店の方針に応じて、スタッフにつなぐか、折り返しにするかを決める
- 宴会や貸切の相談は、担当者からの折り返しにする
当日の空き確認をどう扱うかは、お店の考え方が分かれるところです。すぐに来店につながる電話なので、できるだけスタッフが直接受けたい、というお店もあるでしょう。その場合は、当日の空き確認だけをスタッフにつなぎ、それ以外の用件は自動の案内や記録に回すといった分け方が考えられます。
中休み・仕込みの時間
ランチとディナーの間の中休みや、開店前の仕込みの時間は、比較的電話に出やすい時間帯です。ピーク時に記録しておいた予約の希望や問い合わせへの折り返しを、この時間にまとめて行うと、効率よく対応できます。
一方で、仕込みに集中したい時間でもあります。中休みも自動の案内を基本にして、記録した用件への折り返しの時間を決めておく、という運用もできます。
閉店後と定休日
閉店後や定休日は、スタッフが電話に出られない時間です。この時間帯の電話では、次のことを伝えたり、受け付けたりできるようにしておきます。
- 営業時間外であることと、次の営業日時:「本日の営業は終了しました。次の営業は明日の十一時からです」のように案内します。
- 予約の希望の受付:日時、人数、名前、連絡先を残してもらい、次の営業日にスタッフが折り返して確定することを伝えます。
- よくある質問への案内:営業時間、定休日、場所などは、時間外でも案内できます。
- 忘れ物などの問い合わせの受付:内容と連絡先を残してもらい、確認のうえ折り返すことを伝えます。
時間外に予約の希望を受け付けるときは、「まだ予約は確定していない」ことをはっきり伝えることが大切です。お客様が予約できたと思い込んで来店し、席が用意されていない、という事態は避けなければなりません。
臨時休業や営業時間の変更
飲食店では、仕入れの都合や貸切、季節の営業など、営業時間が変わることもよくあります。電話の自動案内の内容が古いままだと、お客様に誤った情報を伝えてしまいます。
営業時間を変えるときは、電話の案内、ホームページ、地図サービスなどの情報を、同じタイミングで更新する手順を決めておきましょう。祝日の営業についても、あらかじめ方針を決めて反映しておくと安心です。国民の祝日は内閣府が公表しています(参考:国民の祝日について(内閣府))。

IVRとAI一次応答の設計例
ここからは、飲食店の電話をIVRとAIの一次応答で設計する例を紹介します。お店の業態、席数、スタッフの人数によって最適な形は変わるため、考え方の参考として読んでください。
設計で大切にしたい考え方
飲食店の電話を設計するときは、次の考え方を土台にすると、ぶれにくくなります。
- 来店につながる電話は、取りこぼさない:予約の希望は、つながらなくても必ず記録が残るようにする。
- 決まった答えは、機械に任せる:営業時間や場所の案内で、スタッフの手を止めない。
- 席と注文の確定は、スタッフが行う:空席や厨房の状況を知っている人が判断する。
- 食材とアレルギーの質問は、人が答える:お客様の健康にかかわる情報は、自動で答えない。
営業時間中のメニュー例
営業時間中の電話に、次のようなメニューを案内する例を考えてみます。
「お電話ありがとうございます。○○食堂です。本日のご来店やご予約は1番。テイクアウトのご注文は2番。営業時間や場所のご案内は3番。宴会・貸切のご相談、その他のお問い合わせは4番を押してください。」
- 1番(来店・予約):ピークの状況に応じて、スタッフにつなぐか、日時・人数・名前・連絡先を聞き取って記録します。記録した場合は、スタッフが折り返して確定します。
- 2番(テイクアウト):スタッフにつなぎます。つながらない場合は、名前と連絡先、希望の受け取り時間を記録し、スタッフが折り返して注文内容を確認します。
- 3番(営業案内):営業時間、ラストオーダー、定休日、場所、駐車場などを案内します。
- 4番(宴会・その他):用件を記録し、担当者が折り返します。
選択肢を四つに絞っているのは、ピーク時に電話をかけてくるお客様の多くが、手短に用件を済ませたいと考えているからです。もっとも多い用件を最初の番号にすると、多くの人が短い案内で目的にたどり着けます。
AI一次応答を組み合わせる場合
番号の選択に加えて、AIによる一次応答を使う方法もあります。お客様が「金曜の夜、七時から四人でお願いしたいんですが」と話せば、AIは用件を予約の希望として受け止め、日時と人数、名前、連絡先を聞き取って記録できます。「ラストオーダーは何時ですか」という質問には、お店が登録した情報をもとに答えられます。
AIの一次応答を使う場合でも、守るべき線は同じです。
- AIは席の予約やテイクアウトの注文を確定しない。希望を聞き取り、スタッフが確認して折り返す。
- AIは食材やアレルギーについて答えない。スタッフからの回答につなげる。
- AIが答えるのは、お店が登録した情報の範囲に限る。わからないことは推測せず、折り返しを案内する。
AI一次応答がどのような形で提供されるか、現時点でどこまで利用できるかはサービスによって異なります。AI-SNS.IO Callの最新の機能は機能一覧で確認してください。
聞き取りの項目を決めておく
予約の希望を聞き取るときの項目は、事前にそろえておくと、折り返しがスムーズになります。
- 希望の日付と時間(できれば第二希望も)
- 人数(大人と子どもの内訳があると便利)
- 名前(読み)
- 連絡先
- 席の希望(個室、カウンターなど)
- 特記事項(記念日、アレルギーの申し出の有無など)
アレルギーについては、「アレルギーのお申し出があるかどうか」だけを聞き取り、具体的な対応はスタッフが折り返しの際に確認する、という形にしておくと、誤った案内を防ぎやすくなります。
スタッフへの引き継ぎと確定は人が行う
自動の案内やAIを取り入れるときに、いちばん気をつけたいのは、どこまでを機械に任せ、どこからを人が引き受けるのかという線引きです。飲食店では、この線引きを誤ると、席のダブルブッキングや、アレルギーの誤った案内など、お客様の体験や安全にかかわる問題につながりかねません。
席の予約を確定するのはスタッフ
席の予約は、空席の状況だけで決まるものではありません。前後の予約との間隔、テーブルの組み合わせ、コースの準備の都合、団体客の有無など、お店の事情を総合的に見て判断する必要があります。こうした判断は、その日のお店の状況を知っているスタッフにしかできません。
そのため、自動の案内やAIは、お客様の希望を聞き取って記録するところまでを担当し、予約の確定はスタッフが行います。お客様には「ご希望を承りました。スタッフが確認して、折り返しご連絡いたします」のように、まだ確定していないことが伝わる言い方で案内します。
テイクアウトの注文を確定するのもスタッフ
テイクアウトの注文も、厨房の混み具合や食材の残り、受け取り時間に間に合うかどうかを見て、スタッフが受けるかどうかを判断します。注文の内容は、聞き間違いがあると作り直しになるため、スタッフがお客様と直接確認するのが確実です。
ピーク時に注文の電話を受けきれない場合は、テイクアウトの受付時間を決めて案内する、オンラインの注文の窓口があれば案内する、といった方法で、電話の集中を和らげることもできます。
食材とアレルギーの質問は人が答える
「このメニューに卵は入っていますか」「小麦を使っていない料理はありますか」といった質問は、お客様の健康にかかわる大切な問い合わせです。仕入れやレシピの変更で内容が変わることもあり、自動の案内やAIが登録された情報だけをもとに答えるのは危険です。
食材やアレルギーに関する質問は、厨房の事情を知っているスタッフが答えるようにし、自動の案内やAIは「スタッフから折り返しご案内します」と伝えて記録を残す役割にとどめましょう。
引き継ぎで渡す情報
自動の案内やAIからスタッフへ引き継ぐときは、折り返しの電話で同じことを聞き直さなくて済むように、必要な情報をまとめて渡します。
- 用件の種類(予約の希望、テイクアウト、宴会の相談、忘れ物など)
- 名前と連絡先
- 希望の日時、人数、受け取り時間など、用件に応じた情報
- 特記事項(アレルギーの申し出の有無、記念日など)
- 電話を受けた時刻
通話の内容を文字起こしや要約で確認できれば、スタッフは折り返す前に要点をつかめます。AI-SNS.IO Callでは、AIによる通話の要約、キューごとの留守番電話、IVRのメニューからの折り返しの依頼などの機能を利用できます。日本の電話番号の提供は準備中です。現在はデモで着信をシミュレーションして体験できます。詳しくは機能一覧と使い方ガイドをご覧ください。
折り返しの約束を守る仕組み
記録した用件への折り返しが遅れると、お客様は「予約できたのかどうかわからない」まま待つことになり、別のお店を選んでしまうかもしれません。折り返しの段取りも決めておきましょう。
- 予約の希望には、中休みや開店前など、決まった時間にまとめて折り返す
- 当日の来店に関する希望は、できるだけ早く折り返す
- 一度でつながらなかったときに、何回かけ直すかを決めておく
- 折り返した結果(確定、満席でお断り、など)を記録に残す
満席で予約を受けられない場合も、折り返して伝えることが大切です。連絡がないまま当日を迎えると、お客様の不満につながります。
人につなぐ条件
次のような場合は、自動の案内やAIの対応を続けず、スタッフにつなぐか、折り返しにすると決めておくと安心です。
- 食材やアレルギーについての質問
- お客様が「お店の人と話したい」と希望したとき
- 用件がうまく伝わらない状態が続いたとき
- 料理やサービスについてのご意見やご不満
- 登録していない内容の質問
個人情報と記録の扱い
予約の電話では、お客様の名前や連絡先を受け取ります。記念日の利用やアレルギーの申し出など、お客様の事情にかかわる情報が含まれることもあります。電話の仕組みを見直すときは、こうした情報の扱いもあわせて確認しておきましょう。
集める情報は必要な分だけにする
予約やテイクアウトの対応に必要なのは、主に名前、連絡先、日時、人数、注文内容などです。必要以上の情報を聞き取らないように、聞き取りの項目を絞っておくと、管理の手間も、情報が漏れたときの影響も小さくできます。
記録の保存と閲覧の範囲を決める
通話の録音や文字起こし、予約の記録を、誰が見られるようにするのか、どれくらいの期間残すのかを決めておきます。アルバイトのスタッフが多いお店では、記録を見られる人の範囲を役割ごとに決めておくと、情報の扱いが整理しやすくなります。
録音するなら伝え方を決める
通話を録音する場合は、そのことをどのようにお客様に伝えるかを決めておきましょう。最初の案内で「サービス向上のため、通話を録音しています」と伝える方法が一般的です。この内容は一般的な情報であり、法的助言ではありません。
個人情報の扱いについての公的な情報は、個人情報保護委員会のウェブサイトで確認できます(個人情報保護委員会)。具体的な判断に迷う場合は、専門家に相談してください。
導入の進め方
最後に、飲食店で電話の受け方を見直すときの手順を、順を追って紹介します。営業を続けながら進めることになるため、一度に大きく変えるより、少しずつ試して整えていくほうがうまくいきます。
手順1:電話の実態をメモする
数日から一週間、電話の用件と時刻をメモします。ピーク時にかかってきて出られなかった電話がどれくらいあったかも、わかる範囲で残しておきましょう。厨房とホールでメモの置き場所を決めておくと、忙しいときでも書き留めやすくなります。
手順2:用件ごとの受け方を決める
メモをもとに、用件ごとの受け方を決めます。
- 自動で案内する用件(営業時間、定休日、場所など)
- 聞き取って折り返す用件(後日の予約、宴会の相談など)
- スタッフにつなぐ用件(当日の来店、テイクアウトの注文など)
- 人が答える質問(食材、アレルギーなど)
店長だけで決めず、実際に電話を受けているホールのスタッフや、テイクアウトを担当するスタッフの意見も聞いておくと、現場に合った設計になります。
手順3:案内する情報をまとめる
営業時間、ラストオーダー、定休日、祝日や連休の営業、住所と道順、駐車場、席数や個室の有無、予約の要否、テイクアウトの受付時間など、案内に使う情報を一つにまとめます。ホームページや地図サービスに載せている情報と食い違いがないかも確かめておきましょう。
手順4:時間帯を絞って試す
最初は、閉店後と定休日だけ、あるいはランチのピークだけ、というように時間帯を絞って試すのがおすすめです。スタッフがお客様役になってテストの電話をかけ、案内が聞き取りやすいか、予約の希望が正しく記録されるか、テイクアウトの電話がきちんとスタッフにつながるかを確認してから始めましょう。
手順5:記録を見て整える
運用を始めたら、週に一度ほど記録を見返して、案内や受け方を整えていきます。
- 案内の途中で切れている電話が多くないか
- どの番号にも当てはまらない用件が多くないか
- 予約の希望への折り返しが遅れていないか
- 営業時間の案内に誤りがなかったか
AI-SNS.IO Callでは、IVRのメニュー、営業時間に合わせた応答の切り替え、留守番電話、折り返しの依頼、AIによる通話の要約などを組み合わせて設定できます。手順は使い方ガイド、機能の一覧は機能一覧で確認できます。試してみたい場合はアカウント登録から始められます。
飲食店ならではの工夫
飲食店の電話で、小さな工夫が大きな効果を生みやすいポイントをいくつか紹介します。
「今から入れますか」への備え
当日の空き確認の電話は、すぐ来店につながる一方で、答えるには店内の状況を見る必要があります。ピーク時に毎回確認するのが難しい場合は、「ただいま満席が予想される時間帯です」といった案内を時間帯で切り替える、といった工夫も考えられます。ただし、案内と実際の状況が食い違うとお客様の不満につながるため、案内は控えめな表現にとどめ、確かなことはスタッフが伝えるようにしましょう。
団体予約は担当者を決める
宴会や団体の予約は、コース、飲み物、席の配置、支払い方法など、確認する事項が多くなります。担当者を決めておき、問い合わせはその担当者が折り返すようにすると、話の行き違いを防げます。聞き取りの段階では、希望の日時、人数、予算の目安、連絡先など、最初の相談に必要な情報だけを記録しておけば十分です。
外国語での問い合わせ
観光地や繁華街のお店では、日本語以外の言語で電話がかかってくることもあります。外国語の対応が難しい場合は、ホームページやグルメサイトの外国語のページ、オンラインの予約の窓口など、別の手段を案内できるようにしておくと、お客様を困らせずに済みます。
忘れ物の問い合わせ
忘れ物の問い合わせは、店内を探す必要があるため、その場で答えにくい用件です。忘れた日時、席、品物の特徴、連絡先を記録し、確認してから折り返す流れにしておくと、ピーク時に電話口でお客様を待たせずに済みます。
案内の声と言葉
飲食店の電話の案内は、お店の第一印象にもなります。お店の雰囲気に合った言葉づかいを選び、案内は短くまとめましょう。お店の名前は最初にはっきり伝えると、お客様が「かけ間違えていないか」を確認できて安心です。
業態別に見る電話の受け方のヒント
一口に飲食店といっても、業態によって電話の性格はかなり違います。ここでは、代表的な業態ごとに、電話の受け方を考えるときのヒントを挙げておきます。
予約中心のレストラン・コース料理のお店
予約がお店の運営の中心になっている業態では、予約の電話の質がそのまま当日のおもてなしの質につながります。記念日の利用、苦手な食材、席の希望など、事前に聞いておきたいことも多くなります。
このような業態では、予約の希望は漏れなく記録し、スタッフが丁寧に折り返して詳細を確認する流れが向いています。電話の自動案内では、お店の名前と予約の受付時間をはっきり伝え、営業時間中でも手が離せないときは、折り返しの約束をすることで、お客様を待たせすぎないようにします。
居酒屋・宴会需要のあるお店
居酒屋や大人数の利用が多いお店では、夕方の時間帯に当日の予約や人数の問い合わせが集中します。歓送迎会や忘年会の季節には、宴会の相談も増えます。
当日の予約の電話はスタッフにつなぎ、宴会や貸切の相談は担当者の折り返しに回す、という分け方がわかりやすいでしょう。宴会の繁忙期だけ、案内の文言に「宴会のご相談は○番」を加えるといった季節ごとの調整も効果的です。
カフェ・軽食のお店
予約をあまり受けないカフェでは、電話の用件の多くが、営業時間、混雑の状況、席の有無、テイクアウトの可否といった問い合わせになります。決まった答えの割合が高いため、自動の案内が力を発揮しやすい業態です。
予約を受けない方針であれば、そのことを最初の案内で伝えておくと、無駄なやりとりを減らせます。
ラーメン店・回転の速いお店
予約を受けず、客席の回転が速いお店では、電話そのものが少ない一方で、出られる人もほとんどいません。営業時間、定休日、行列の目安、テイクアウトの有無などを自動で案内し、それ以外の用件は記録して後から確認する形が現実的です。
家族連れの多いお店
ファミリー層が多いお店では、子ども用の椅子や食器、座敷の有無、ベビーカーでの入店、駐車場などの質問が多くなります。こうした決まった質問の答えを整理して自動で案内できるようにしておくと、ピーク時の電話がぐっと減ります。
電話とオンラインの窓口の役割分担
飲食店の予約や問い合わせは、電話だけでなく、グルメサイトの予約機能、お店のホームページ、SNSのメッセージなど、さまざまな窓口から届くようになっています。電話の負担を減らすには、それぞれの窓口の役割を決めておくことも有効です。
たとえば、後日の予約はオンラインの窓口を主にし、電話では当日の来店や、オンラインの操作が難しいお客様の予約を受ける、といった分け方があります。電話の自動案内で「ご予約はホームページからも承っています」と伝えれば、オンラインで済ませたいお客様はそちらに移ってくれるでしょう。
ただし、窓口が増えるほど、どこに何の連絡が届いたのかを把握するのが難しくなります。窓口ごとの予約や問い合わせを一か所で確認できるようにしておくと、ダブルブッキングや見落としを防ぎやすくなります。AI-SNS.IO Callでは、設定した窓口の問い合わせをまとめて扱える受信箱を利用できます。対応している窓口は機能一覧で確認してください。
スタッフ教育と電話の受け方の共有
電話の仕組みを整えても、それを使うスタッフの間で受け方がそろっていなければ、効果は半減します。飲食店はアルバイトやパートのスタッフが多く、入れ替わりもあるため、電話の受け方を共有する工夫が欠かせません。
電話の受け方を一枚にまとめる
用件ごとの受け方、聞き取る項目、折り返しのルール、人が答えるべき質問(食材やアレルギーなど)を、一枚の紙やデータにまとめておきます。新しく入ったスタッフでも、それを見れば電話の扱い方がわかるようにしておくのが理想です。
記録の確認を営業の流れに組み込む
自動の案内やAIが受けた用件の記録を、いつ、誰が確認するのかを決めます。たとえば、開店前の準備の時間、中休みの始め、閉店作業の前、といったタイミングで確認する習慣をつけると、折り返しの漏れが減ります。
予約の確定の伝え方をそろえる
折り返しで予約を確定するときの伝え方も、スタッフの間でそろえておきましょう。日時、人数、名前、席の希望を復唱し、お客様と認識が合っていることを確認してから確定します。満席でお断りする場合の伝え方や、代わりの日時を提案するかどうかも決めておくと、スタッフが迷わずに済みます。
振り返りの場をつくる
月に一度ほど、電話の記録を見ながら、案内がわかりにくかった場面や、折り返しが遅れた用件を話し合う場を設けると、受け方が少しずつ良くなっていきます。現場のスタッフの気づきは、案内の文言を直すときの大切な手がかりになります。
見直しでつまずきやすいところ
最後に、飲食店が電話の受け方を変えるときに起こりがちな失敗を挙げておきます。
予約が確定したと誤解される
自動の案内やAIで予約の希望を受け付けたとき、伝え方があいまいだと、お客様が「予約が取れた」と思い込んでしまうことがあります。「スタッフが確認して折り返します」と必ず伝え、折り返しの目安の時間も添えておきましょう。
折り返しが後回しになる
忙しい日が続くと、記録した予約の希望への折り返しが後回しになりがちです。折り返しの時間を営業の流れの中に組み込み、担当を決めておくことが、取りこぼしを防ぐ一番の方法です。
営業情報の更新が追いつかない
メニューの変更や季節の営業時間、臨時休業の情報が、電話の案内に反映されないまま残ってしまうことがあります。情報を変えるときに、電話の案内も一緒に更新する手順を決めておきましょう。
テイクアウトの電話をつなぎすぎる
テイクアウトの電話を常にスタッフにつなぐ設定にしていると、ピーク時に厨房が止まってしまうことがあります。受付時間を決める、ピーク時は折り返しにする、オンラインの窓口を案内するなど、お店の状況に合わせて受け方を調整しましょう。
営業時間外の自動応答メッセージ例文もあわせてご覧ください(飲食店のAI電話対応|予約電話・テイクアウトからの関連案内)。
業種別のAI電話対応ガイドもあわせてご覧ください(飲食店のAI電話対応|予約電話・テイクアウトからの関連案内)。
関連する記事
飲食店の電話を見直すときに役立つ記事をまとめました。
- AIによる電話の一次応答の基本は、AI電話受付とはで解説しています。
- 閉店後や定休日の電話の受け方は、営業時間外の電話対応が参考になります。
- 番号選択の案内の作り方は、IVRメニューの設計で詳しく説明しています。
- 出られなかった電話が何をもたらすかは、取りこぼした電話の損失で整理しています。
- 少人数のお店の電話の工夫は、小規模事業者の電話受付にまとめています。
- 予約制のお店の例としては、美容室の電話対応やネイル・エステサロンの電話対応も参考になります。
よくある質問
飲食店の席の予約を、AIが自動で受け付けて確定してくれますか?
この記事で紹介している設計では、AIや自動の案内は予約を確定しません。希望の日時、人数、名前、連絡先などを聞き取って記録し、空席やお店の状況を見たうえでスタッフが折り返して確定します。お客様には、まだ確定していないことがわかる言い方で案内することが大切です。
テイクアウトの注文をAIに任せることはできますか?
テイクアウトの注文は、厨房の混み具合や食材の残りを見てスタッフが受けるかどうかを判断するものなので、確定はスタッフが行う設計をおすすめします。自動の案内やAIは、受付時間や受け取り方法の案内、つながらないときの名前と連絡先の記録などを担当し、注文内容はスタッフが直接確認します。
アレルギーの質問に、自動で答えてもよいですか?
おすすめしません。食材やアレルギーに関する質問は、お客様の健康にかかわるため、レシピや仕入れの状況を把握しているスタッフが答えるべきものです。自動の案内やAIは、アレルギーの申し出があることを記録し、スタッフからの折り返しにつなげる役割にとどめましょう。
ピーク時の電話を減らすには、何から始めればよいですか?
まず、営業時間やラストオーダー、定休日、場所などの決まった質問を自動で案内することから始めるのが手軽です。これだけでも、スタッフが手を止める回数を減らせます。そのうえで、後日の予約の希望を記録して折り返す流れを作ると、ピーク時の負担がさらに軽くなります。
当日の「今から入れますか」という電話はどう扱えばよいですか?
すぐ来店につながる電話なので、できるだけスタッフにつなぐお店が多いでしょう。ピーク時にどうしても出られない場合は、名前と連絡先、人数を記録して折り返す、時間帯によって混雑の目安を控えめに案内する、といった方法が考えられます。確かな空席の状況は、スタッフが伝えるようにしてください。
閉店後にかかってきた予約の電話はどうすればよいですか?
営業時間外であること、次の営業日時を案内したうえで、予約の希望(日時、人数、名前、連絡先)を残してもらい、次の営業日にスタッフが折り返して確定する流れが考えられます。その際、まだ予約は確定していないことと、折り返しの目安の時間を伝えておきましょう。
メニューの数はいくつくらいがよいですか?
四つ程度までに絞るのがおすすめです。飲食店に電話をかけてくるお客様の多くは、手短に用件を済ませたいと考えています。もっとも多い用件を最初の番号にしておけば、多くの人が短い案内で目的にたどり着けます。
小さな個人店でも、電話の仕組みを見直す意味はありますか?
あります。少人数で厨房とホールを回しているお店ほど、電話一本で店内のオペレーションが止まる影響は大きくなります。閉店後と定休日だけ自動の案内にする、営業時間の質問だけ自動で答えるなど、小さな範囲から始めても効果が期待できます。
予約の電話の内容を録音してもよいですか?
録音する場合は、そのことをお客様にどう伝えるかを決めておきましょう。最初の案内で録音していることを伝える方法が一般的です。録音や記録の保存期間、見られる人の範囲もあわせて決めておくと安心です。個人情報の扱いについては、個人情報保護委員会の公的な情報も確認してください。
宴会や貸切の相談も、自動で受けられますか?
宴会や貸切は確認すべき事項が多いため、担当者が折り返して相談に乗る形がおすすめです。自動の案内やAIでは、希望の日時、人数、予算の目安、連絡先など、最初の相談に必要な情報を記録し、担当者に引き継ぎます。
営業時間を変えたとき、電話の案内も変える必要がありますか?
はい。電話の案内が古いままだと、お客様に誤った営業時間を伝えてしまいます。営業時間を変えるときは、電話の案内、ホームページ、地図サービスなどを同じタイミングで更新する手順を決めておきましょう。祝日や連休の営業も、事前に反映しておくと安心です。
予約を受けないお店でも、電話の仕組みは必要ですか?
予約を受けないお店でも、営業時間、混雑の状況、テイクアウトの有無などの問い合わせは届きます。決まった答えを自動で案内し、予約を受けていないことを最初に伝えておけば、スタッフが電話に出る回数を減らせます。
グルメサイトの予約と電話の予約が重ならないか心配です。
窓口が複数あると、同じ時間帯に予約が重なる心配があります。電話で受けた予約の希望はスタッフが空席を確認してから確定する流れにしておき、窓口ごとの予約を一か所で確認できるようにしておくと、重なりを防ぎやすくなります。
電話の案内をお店の雰囲気に合わせることはできますか?
案内の文言は、お店で自由に決められます。カジュアルなお店なら親しみやすい言葉で、落ち着いたお店なら丁寧な言葉で、と雰囲気に合わせて調整しましょう。ただし、雰囲気を優先して案内が長くなると、お客様が用件にたどり着くまでに時間がかかります。お店の名前と用件の選択肢を短く伝えることを優先してください。
電話の記録は、お店の運営にも役立ちますか?
役立ちます。どの曜日や時間帯に、どのような用件の電話が多いのかがわかれば、スタッフの配置や、予約の受付時間、テイクアウトの受付の仕方を見直す材料になります。よく聞かれる質問がわかれば、ホームページの情報を充実させるきっかけにもなります。
折り返しの電話がつながらないときはどうすればよいですか?
一度でつながらなかった場合に、何回、どのタイミングでかけ直すかを決めておきましょう。予約の希望への折り返しがつながらないまま当日を迎えると、席の扱いに困ることになります。かけ直しても連絡がつかない場合の扱いも、あらかじめ方針を決めておくと迷わずに済みます。
AI-SNS.IO Callでは、飲食店向けにどのような設定ができますか?
AI-SNS.IO Callでは、IVRのメニュー、営業時間に合わせた応答の切り替え、留守番電話、IVRのメニューからの折り返しの依頼、AIによる通話の要約などを組み合わせて設定できます。AIによる一次応答を含め、現在利用できる機能は機能一覧で確認してください。日本の電話番号の提供は準備中です。現在はデモで着信をシミュレーションして体験できます。
まとめ
飲食店の電話は、お店がもっとも忙しい時間に鳴りやすく、しかも来店や注文に直結する用件が多いという、悩ましい性質を持っています。だからこそ、すべての電話を同じように受けるのではなく、用件ごとに受け方を分けることが大切です。
営業時間や場所などの決まった質問は自動で案内し、後日の予約や宴会の相談は聞き取って記録したうえでスタッフが折り返して確定し、当日の来店やテイクアウトはお店の状況に応じてスタッフにつなぐ。食材やアレルギーの質問は、必ず人が答える。そして、予約と注文を確定するのは、いつもお店のスタッフです。
まずは数日間、電話の用件と時刻をメモするところから始めてみてください。どの時間帯に、どんな電話が、どれくらい鳴っているのかが見えれば、お店に合った受け方は自然と形になっていきます。



